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.政治  投稿日:2024/12/21

103万円の壁「それぞれが頑張ればいい」国民・榛葉幹事長、維新との連携を否定


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

Japan In-depth編集部(成沢緑恋、浜島和希)

編集長が聞く!」

【まとめ】

・103万円の壁引き上げの3党協議は24日に再開。

・協議は越年し、「来年以降ヒリヒリする交渉が続く」との考えを示した。

・またこの問題で、維新の会との連携は否定した。

 

20日、自民党・公明党が提示した123万円への引き上げ案を盛り込んだ税制改正大綱に対し、国民民主党玉木氏が自身のXで「財務省が維新と握る算段がついたということなのでしょうか」と与党提示の税制改正大綱を痛烈に批判した。

https://x.com/tamakiyuichiro/status/1869288162255831349?s=46

▲Xリンク

この玉木氏のツイートに対し、日本維新の会の吉村氏は即座に反応し、「我々は何も握っていません。103万円の壁突破には賛成の立場です。(中略)地獄の底まで、本気で腹括ってやる、一緒に178万円目指してやろう、というなら、協議しましょう」と返した。

https://x.com/hiroyoshimura/status/1869301611211919667

▲Xリンク

Japan In-depthは、Xでの玉木氏と吉村氏のこうした発言を受け、国民民主党は日本維新の会と連携して与党と協議するつもりはないのか、定例会見で榛葉幹事長の考えを聞いた。

榛葉幹事長は、「維新さんは維新さんで教育無償化をやりたいとおっしゃっているので、それぞれが頑張ればいいんじゃないでしょうか」と述べ、103万円の壁引き上げにおいて維新の会と連携する可能性について否定した。そのうえで、「各党ともしっかり話をしていきたい」とも述べ、含みを残した。

また、補正予算案に賛成した日本維新の会にキャスティングボートが移るのではないかや、与党は維新と国民民主を天秤にかけ必要予算の少ないほうを引き込むのではないかという一部報道に対し、「予算を通過させることを目的として、(国民民主と維新)安いほうを選ぶというのは国民に全く寄り添っていない証左だ」と述べ、「予算の通過ではなく、国民の暮らしを底上げして、手取りを増やして、景気の好循環を目指していくための予算編成であり、永田町ではなく国民のほうを向いた予算編成を行っていく」と国民に寄り添う姿勢を改めて強調した。

▲写真 国民民主党榛葉賀津也幹事長 ©Japan In-depth編集部

国会は12月24日が会期末、仕事納めが27日だが、榛葉幹事長は、自民党・公明党・国民民主党の3党協議における予算修正のスケジュールに関して、「24日に行われる3党の税制会長と政調会長による協議で一発で決まるとは正直思えない。24日はおそらく止まった会議が立ち上がるといったところで、これから真摯に協議をしていきましょうという話になると思う」と述べ、協議は越年するとの見通しを示した。

さらに、「年明けに本格的な議論になると思うが、予算の提出時期に間に合うのか。それとも、国会が始まって税法の採決に間に合うのか」と述べ、それにも間に合わなければ、「衆議院の予算委員会で予算が可決するときまでには落としどころが決まらなけれならない」として、「来年以降ヒリヒリする交渉が続く」との考えを示した。

落とし所については、「早く178万円に近いところで(与党に)納得していただければスムーズになると思うが、まさにそれは交渉だ」として、与党側から123万円を大幅に引き上げる案が出て来ることに期待感を示した。

(了)

トップ写真:国民民主党榛葉賀津也幹事長 ©Japan In-depth編集部




この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員

1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。

1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。

1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。

2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。

安倍宏行

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