「103万円の壁」巡る自民案に猛反発 国民民主が批判強める 国民民主党会見

安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(浜島和希)
「編集長が聞く!」
【まとめ】
・国民民主党は自民党の「103万円の壁」対案に猛反発し、壁の撤廃と手取りの増加を強く求めている。
・ 榛葉幹事長は、自民と維新が高校教育無償化で合意し予算に賛成する可能性を強くけん制した。
・3党協議では、国民民主党が減税とガソリン減税の早期実施を改めて要求する見通しで、交渉の行方は不透明。
「103万円の壁」引き上げをめぐる自公国3党協議で、昨日18日に自民党が出した案を巡り、国民民主党が猛反発している。
きょう19日、まず会見した古川元久代表代行は、自民党案があらたな所得の壁を設けたことに対し、「いくつも壁を作るのは、障害物競走ではないのだから、とにかくバーッと走り出せるように 手取りが増えるよう、(制度は)分かりやすいようにするべきだ」と批判した。
写真)国民民主党古川元久代表代行
ⓒJapan In-depth編集部
その後行われた国民民主党内の税制調査会を受け会見した榛葉賀津也幹事長は怒りを隠せなかった。
「吉村代表も前原誠司日本維新の会共同代表も、103万円の壁問題は重要であるとおっしゃっていた。(中略)もし現行の中途半端な自民党案で維新が自民と握ることがあれば、103万円の壁を撤廃し178万円を目指すことや、ガソリン減税を邪魔をした責任が維新にもあるということになる」と述べ、日本維新の会が高校教育無償化で自民党と合意する代わりに予算の賛成に回る動きを強くけん制した。
そのうえで、「103万円問題の解決を棚上げにして予算の合意はあり得るわけがない ガソリンの暫定税率廃止についても期限がないと話にならない」と述べ、今日夕方の3党の税調・政調会長による協議で、国民民主党はすべての国民に対する減税とガソリン減税の早期の実施を改めて強く求めていくものと思われる。
国民民主党と公明党が、自民党の出した対案を強く批判していることもあり、きょう3党が合意に至るのは難しそうだ。いずれにしても合意までの時間はそう長くは残っていない。今後の交渉の行方は予断を許さない。
写真)左から 国民民主党榛葉賀津也幹事長、古川元久代表代行、浜口誠政調会長
出典)国民民主党 YouTube「※ 緊急配信 税務調査会後ぶら下がり」