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.政治  投稿日:2015/2/16

[細川珠生]【アベノミクスは底上げに失敗している】~安倍首相トリクルダウンを否定?


「細川珠生のモーニングトーク」2015年2月14日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)執筆記事 | プロフィール

Japan In-depth 編集部(Aya)

本日のゲストは先日の予算委員会では長時間にわたって安倍首相に質問をした参議院議員の大塚耕平氏。日銀出身で経済問題に詳しい大塚氏が、アベノミクスの現状と課題を語った。

アベノミクスの三本の矢は①金融緩和②財政出動③成長戦略であるが、「一番目(金融緩和)では成果が上がったが、国民が抱えている構造的な問題にどのようにプラスになったかはつまびらかではない。」と大塚氏。細川氏も、「経済がよくなったという実感は国民にはない。」と同意した。

日銀の金融緩和政策で、インフレ率はプラスになったが、給与が増えなければ国民としては所得が下がったように感じてしまう。大塚氏はこの点が原因だと指摘した。しかし安倍首相は、「賃金の上げ幅が過去最高になった。」「就職内定率が高くなった。」等の理由から国民生活は良くなったと主張している。何故国民はそれを実感できないのか。問題はどこにあるのか。

大塚氏は「客観的事実は一つしかないので、それを安倍首相がきっちり認識すれば今のようなすれ違いはなくなる。」と話し、例として就職の内定率に関し、リタイヤする人たちに比べて若者の方が少ないので、当然内定率は上がるというロジックを説明した。

その上で、大塚氏は、「(アベノミクスは)国民の生活、若者の貧困格差の問題に対しては必ずしもプラスになっていないということを冷静に議論してもらいたい。」と安倍首相に注文を付けた。

一方、安倍首相は自身の進める経済政策について、富裕層や大企業が富めば、それが全体に波及してくるという、いわゆる“トリクルダウン理論”をこれまで語ってきた。しかし、今回の予算委員会で安倍首相自身が「私の経済政策はトリクルダウンではない、底上げだ。」と発言した。これに対して、大塚氏は驚きを示し、「現に底上げには全くなっていないので、(安倍首相がそういう認識だと、アベノミクスは)たぶん失敗ということになる。」と指摘した。

大塚氏は、日本で、税・社会保障・給付等の調整前と調整後で比べると、調整後の方が格差と貧困が広がっているという事実を提示し、「普通は格差を縮小するための再分配の政策であるはずなのに、それをやったことでむしろ格差と貧困が広がっている現実に目を向ければ、やるべきことははっきりする。」と話した。

そしてその解決策として、①社会保障と税制の在り方を安倍首相が底上げにつながるような形で見直す ②現在、産業政策で余計な支出をしているが、産業への政府の介入を減らせば財源が浮くので、それを社会保障にあてる、という二つの施策を提案した。細川氏は、それら財源の使い方について「生きたお金になるように。」と期待感を示し、番組を締めくくった。

(この記事は、ラジオ日本の「細川珠生のモーニングトーク」(2015年2月14日放送)の内容を要約したものです。)

 

細川珠生のモーニングトーク
ラジオ日本 毎週土曜日午前7時5分~7時20分

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