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.政治  投稿日:2015/2/6

【思い切った構造改革が鍵】〜第189回通常国会〜


「細川珠生のモーニングトーク」2015年1月31日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)執筆記事 | プロフィール

Japan In-depth 編集部(Aya)

 第189通常国会が始まり、平成26年度の補正予算案と27年度の予算案が議題される。今回のモーニングトークでは、政治評論家の屋山太郎氏を迎え、今国会のポイントについて話を聞いた。

アベノミクスの一本目の矢は金融緩和であった。「これは大体うまくいっている」と屋山氏。円安になったことで、海外に行くよりも日本に帰ってきた方がいいと日本企業では日本回帰の動きが出てきている。

第二の矢は財政出動。補助金や公共事業などでばら撒きを行った。お金は十分だが人手不足に陥っている面はあるものの「いい方向に流れている」と屋山氏は評価した。

そして三番目は景気回復の決め手であるインフレ対応。2017年4月から消費税を10%に上げると安倍首相は約束しているが、屋山氏はこれを評価していないという。それよりも重視していることについて、「第三の矢の基本は農業の改革と医療改革、そして地方創生」だと述べ、「この三つを本気で6年越しでやると言いだせば、かなり動くと思う」と主張した。

27年度の予算案では、地方と個人消費の喚起に三兆円の予算が組まれている。石破大臣は中央から手助けはするものの、地方自らアイデアを出してほしいと再三訴えている。

しかし「地方がどこまで本気でやるか大変心配」と細川氏は懸念を示した。これに対し屋山氏は、「今までは交付税で配っていた。それにプラスアルファで配っても、シャッター街や過疎化など同じ結果になる、」と述べ、地方内で特定の一都市にしか使わない、とか、アイデアとしてこれはいけるというところにだけ思い切って大金をつぎ込むとか、とにかく、今までとは全く違うやり方にすることが必要だと述べた。中央には出す裁量があるが、使う方の裁量もある。屋山氏は「一つのブロックで二つか三つの都市が活性化すれば相当良い。」と期待を示した。

農業改革について、細川氏は「第一次安倍政権のときにできなかったことが早いペースで動いている」と述べ、選挙を経て、基盤を作った安倍首相が今後農業改革に力をいれていくことに期待を示した。

屋山氏は、九州より小さい面積でありながら、六兆円の輸出を誇るオランダを例に出し、「頭さえ使えば農業はもうかる」と述べた。日本には700の農協があり、それをまとめる全中がある。

全中はTPP反対だと言われているが、実際に強く反対しているのは三割程度だという。安倍首相は全中をなくすことを農業改革の肝だとしている。全中という司令部をなくすと商社が700できることになる。それによってダメになってしまう農協もあるかもしれないが、自らで工夫をして良い方向に進むところもあるだろう。

地方の過疎化で農業は後継者不足に陥っている。何か仕組みを変えないと存続できない。「思い切って構造改革をするという覚悟でやってほしい。」と細川氏も述べた。農業改革、医療改革、そして地方創生を安倍内閣がどのように成功させるのか。後半に集団的自衛権の法整備も取り扱われる今国会に引き続き注目していきたい。

(本記事は、ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」(2015年1月31日放送)の内容を要約して原稿化したものです)

細川珠生のモーニングトーク
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