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.政治,ビジネス  投稿日:2015/6/24

[相川俊英]【急速に進む“地方自治の空洞化”】~「ふるさと選挙」制度で地方再生を~

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相川俊英(ジャーナリスト)

「相川俊英の地方取材行脚録」

執筆記事プロフィール

4月に実施された統一地方選で改めて明白になった点がある。全国各地で地方自治の空洞化が急速に進んでいる実態だ。戦後最低の投票率が相次ぎ、住民の関心の低さが如実に示された。なかでも深刻なのが地方の小規模自治体である。

人口減や高齢化などの要因も加わり、議員選に定数を上回る立候補者が現れないケースが続出した。373町村議選のうち89選挙が無投票となり、議員定数の2割以上が有権者の票を集めずに議席を得た。さらに、定数割れに陥ってしまった町村議会も4つ生まれた。議員の成り手不足に歯止めがかからず、議会を維持させることすら難しくなっている自治体が増えているのである。

こうした自治体で議会の活性化など期待できるはずもない。新たな人材供給がなされず議員の質は劣化、地域の閉塞感がより強まるといった負のスパイラルに陥っていからだ。自治の空洞化から抜け出すにはどうしたらよいか。発想を大きく変え、大胆な策に出ることが必要なのではないか。既存の枠組みからはみ出るような新しい取り組みである。例えば・・。

ある民間会社が6月、内閣府に対してユニークな国家戦略特区の提案を行った。特区提案したのは株式会社「特区ビジネスコンサルティング」で、特定の自治体に一定額以上のふるさと納税を行った人に、その自治体での選挙権と被選挙権を付与するというものだ。住民でなくてもふるさと納税した先の自治体の首長選や議員選に投票でき、さらには議員選にも立候補もできるよう公職選挙法に特例を設けるという構想だ。地域限定の「ふるさと選挙」制度を新設する特区提案である。

このところ特典目当てでふるさと納税する人が急増しているが、もともとは応援したい、力になりたいという自治体に寄付するというのがその趣旨だ。実際、都市部で暮らす人が自分の故郷やお気に入りの自治体に寄付するケースも多い。こうした特定地域に熱い思いを抱いている都市住民らに財政面だけではなく、自治の面でも協力してもらおうというのである。地域外で活躍している人たちに議会参加の道を開くことで、議会と地域の活性化をめざすのである。

この特区提案は実施自治体ごとに細かな要件を設けるとし、また、地域外に住む人が実際に議員として活動できるよう、土日議会やテレビ参加議会の導入などを掲げている。議員の成り手不足が止まらず、選挙のたびに議員定数を削減する自治体もあるが、そうした弥縫策(びほうさく)よりも「ふるさと選挙」制度を新設した方が、地方の再生に結びつくかもしれない。検討に値する提案ではないだろうか。

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