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.社会  投稿日:2015/9/18

[三次ゆりか]【大阪寝屋川市の事件の教訓】~地域の安全を守る為にすべきこと~


三次ゆりか(江東区議会議員)

執筆記事プロフィールwebsitetwitterfacebook

大阪寝屋川市の中1男女殺害遺棄事件をはじめ、最近の事件はどこか共通している部分があると感じています。何故、そう感じるのか?それは、私が政策として問題だと思う部分と犯罪がおきる背景が同じところに行きつく気がするからです。

寝屋川市の事件は一児の母でもある私にとって、本当に痛ましく、恐ろしい事件です。

『子供を学校に送り出して通学途中にもしかしたら・・・?』
『下校時に誰かに待ち伏せでもされていたら・・・?』

など不安にかられている親御さんも多いことでしょう。しかし社会では、「母親が悪い』などと親の責任を問う声もあるようです。被害者の方の家庭がどんな家庭か詳しくはわかりませんが、子供が日常的に夜中出歩いていたり、頻繁に外泊していたり、といったことが責められる原因のようです。

しかし、本当に「親が悪い」で片づけていいものなのでしょうか。親のせいにするのは簡単ですが、私は、その家庭を取りまく環境に問題があったのでは、と思います。

・その親に頼れる友達はいなかったのか?
・近所とのコミュニケーションはできていたのか?
・自分の親の力を借りられなかったのか?
等々…

今回の事件の犯人はまだ特定されていませんが、子供たちが安全な社会で育つ環境を整備するためにやらねばならないことを考えました。

一つには、地域の人と人をつなぐことです。そのために、現在進行形の地域イベント(ママイベント等)が大事だと感じています。江東区は転勤族として新しく区内に引っ越してくる家族も多く、その方々が安心して暮らせる環境を作っていけたら、未然に事故や事件を防ぐ確率を上げることができるのではないでしょうか?

特に子育て中のママ達が「何かあればお互い様」の精神で、「いついつにこんなおもしろいイベントがあるよ」などと気軽に情報交換したり、「醤油が足りなかったら貸してくれない?」などとちょっとしたことで助け合ったり。そんな環境で育児が出来たら理想的です。

私は産後うつを経験しました。妊娠時からの子育て支援=ネウボラ(注1)は、都会で一人で悩んでいる女性にとって大きな助けになると思います。マタニティヨガなども一つの解でしょう。更に進めて、多世代(縦のつながり)をつなぐヨガにすれば、体を動かした後、子育てを経験した世代とこれからの世代の繋がりが出来ることでしょう。自分の家族だけで悩みを抱えないで、地域のみんなで支え合い、子育てが出来る社会を作っていきたいと思っています。

二つ目には、私たちにも出来る防犯活動です。最近ではマラソンが流行っていてわたしの住んでいるエリアでもちょっとしたジョギングブームです。そこで、日頃のジョギングやウォーキング、ペットの散歩などしている間に地域のパトロールを行うのはどうでしょう?手軽に誰でも出来る防犯ボランティア活動です。江東区でもやれたらいいなと思っています。

コミュニティの絆が薄れている現代だからこそ、地域の力を取り戻し、防犯、防災に取り組むことが今こそ必要なのではないか、その為に自分の出来ることは何なのか、皆さんと一緒に考え行動していこうと思っています。

 

(注1)
ネウボラ(neuvola)
フィンランドで制度化されている子育て支援施設のこと。フィンランド語で“ネウボ(neuvo)=アドバイス”“ラ(la)=場所”の意。妊娠から出産、育児へと切れ目なくサポートするサービス。自治体が運営し、無料で検診を受けられる。医療面だけでなく、子どもの成長や育児、家庭に関する悩みなど、さまざまな内容の相談ができる。フィンランドでは、1920年代より民間の活動として始まり、1944年には自治体に設置が義務づけられた。

(参考)
つくば市ジョギングパトロール(ジョグパト)
日頃のジョギングやウォーキング,ペットの散歩などの機会を通じて,地域のパトロールを行うことで,安全・安心なまちづくりに貢献する防犯ボランティア活動。http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/14210/14587/017262.html


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