.政治  投稿日:2016/3/24

18歳選挙権目前、全国から高校生集まる

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山本みずきの「モノ申してよかと?」

国会議事堂をバックに写真に納まったのは高校生150人。全国47都道府県から2名ずつ選抜された計94名の学生と首都圏の高校生とで構成されている。

彼らは「全国高校生未来会議」というイベントに集まった学生達。23日から2泊3日の合宿を通して、地方創生プランのコンテストに臨む。18歳選挙権を睨んで学生たちの手で企画・運営されているものだ。主催団体は一般社団法人リビジョン。過去には女子高校生未来会議を開催した実績がある団体である。

 3日の間、民主党の蓮舫参議院議員や前原誠司衆議院議員ら“テレビでお馴染みの”国会議員とのランチミーティングや、各党代表者による若者政策についての演説、それを受けての模擬投票などが予定されている。登壇予定者は自民党幹事長谷垣禎一衆議院議員、社民党副党首福島みずほ参議院議員、公明党代表山口那津男参議院議員らベテラン議員。冒頭では、牧原秀樹自民党青年局長が、18歳選挙権解禁を目前にした高校生に向け挨拶し、若者の政治参加に対し期待感を示した。

初日の今日は脳科学者の茂木健一郎氏も登壇し、「日本の政治文化は比較的、討論をしない。それを君たちに変えてほしい。本質とは何か、しっかりと見てほしい。」と激励のメッセージを送った。この会議の目玉企画は、各都道府県代表の高校生による「街おこしプランコンテスト」だ。これは地域創生を視野に入れており、最も優れたプランを提案した都道府県の代表者に安倍首相から内閣総理大臣賞が贈られる。

一国の総理大臣まで巻き込んだこの一大イベントの立役者・斎木陽平氏(慶應義塾大学大学院在籍、一般社団法人リビジョン代表理事)は、イベントの狙いについてこう語る。「学校現場では政治の議論をつくる環境作りが中々進まない現状がある。18歳選挙権が実現したことによって、高校生たちが地域や社会の課題に向き合い、意見が違っても、対話をしても、その上で投票にいく流れを作っていきたい。若い人が政治に参加する社会が実現しなければ18歳選挙権は意味をもたない。それなのに、学校での主権者教育はなかなか進まない。だからこそ、ここに47都道府県の高校生を招き、彼らに地元の地域おこしや課題解決、選挙啓発を担っていただきたい」、と。

今回は、「(18歳選挙権が実現される)今夏までに自分達にできることを全力でやりたい」と熱意溢れる高校生たちが本イベントの企画・運営を担った。しかしながら、イベントの実現に至るまで順風満帆だったわけではない。SNSでは斎木陽平氏と安倍首相とのツーショット写真が出回り、過去のイベントにも安倍昭恵夫人がゲストとして呼ばれていたことから、東京新聞は主催団体を「首相シンパの団体」「SEALD’sに対抗する保守系の団体」と報道した。これに対し、主催団体は特定の政党や政府との関係を否定している。

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又、「助成金で私腹を肥やしているのではないか」そんな疑惑も浮かび上がったが、今回の高校生の宿泊費、飲食費、交通費などは、クラウドファンディングで集める試みが行われた。安定的な収入のない高校生にとって、交通費支給の持つ意味は大きい。能力や志が環境によって活かされないケースは往々にしてある。予てから「機会の平等」の実現を訴えてきた斎木氏はこうした批判を一蹴する。

「僕は田舎の出身だけど、恵まれた家庭に生まれたから上京することができた。今回、参加者のなかには母子家庭の子や、親が手術のために働けなくなった子もいる。親から政治活動や課外活動に反対され、経済的な支援を得られない子もいる。でも、僕はいつも親から応援してもらえた。親が自分にしてくれたように、これからは自分もそういう境遇の子を支援したい」そう胸の内を語った。

高校生未来会議代表を務める石塚瑞希さん(高校二年生)は、小学1年生の頃に両親が離婚し、養育費が充分でない環境に育った。預金残高が10万円となり、2人の子を持つ母親が生活保護を申請するも却下され、苦しい生活を強いられた。自らの育った境遇から、先進国における子どもの貧困を解決したいという志を抱くに至ったという。

会場では、異なる思想や関心を持った学生たちが、与野党を超え集まった議員らの生の声を聞き、意見を闘わせ、対話を試みている。ときおり斎木氏が「ここで喋っている議員は君たちに投票してほしいからなんだ」と学生たちを現実に引き戻すような声かけをするシーンもあった。

この経験が参加者にどのような影響をもたらすのか、残り二日間、その過程を追っていく。

(その2に続く)

<写真>トップ画像:「全国から集まった高校生参加者」 ©一般社団法人リビジョン

記事中:議論する高校生たち ©Japan In-depth編集部

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この記事を書いた人
山本みずきiRONNA特別編集長

1995年、福岡県生まれ。慶應義塾大学法学部に在籍。高校時代は福岡市親善大使として活動する一方、ボランティア活動団体「Peaces」を設立。高校2年の時には、ジュネーブの国連欧州本部で世界的な軍縮を英語でスピーチした。2012年に国際ソロプチミスト協会ヴァイオレットリチャードソン賞および日本南リジョン賞を受賞。現在はオピニオンサイトiRONNAの特別編集長を務める傍ら、国内外で講演・執筆活動に取り組む。

山本みずき

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