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.国際  投稿日:2014/5/24

[現役女子大生・留学リポート]三木絵未奈の“異国の地で日々、奮闘中!”(8)バックパック中南米〜ボリビア、ラパス編


三木絵未奈(立命館大学・カナダ留学中)

 

全7回にわたりお伝えしてきた中南米バックパックレポートの最終回は「天空の鏡」と呼ばれ、一生に一度は訪れたい場所として知られるボリビアのウユニ塩湖についてお伝えします。

ウユニ塩湖とはその名のとおり塩できた壮大な湖で、その広さは約12,000㎢、なんと日本の新潟県とほとんど同じ大きさです。湖は塩分濃度が高いため、塩が結晶となりこの真っ白な平地となります。

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(干上がった塩湖の様子:格子状の塩の結晶が延々と広がっている)

 

 

 

 

ほとんど水平に広がっているため、雨が降ると薄い水の幕が大地を覆い、天空を映し出す巨大な鏡となります。これが「空を歩くことができる」と表現される所以です。

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時間によってまったく違う表情を見せるその風景に私はどんどん魅了されていきました。自然の壮大さを肌で、空気で、そして心で感じました。しかし、ウユニ塩湖から戻ると、そこは閑散としたウユニ村が広がっていました。観光名所として知られるウユニ塩湖ですが、観光産業としてみると、その環境は十分に整ってないように見受けられました。

そんなウユニ塩湖、実は資源産業から大きな期待株として注目されています。というのも、このウユニ塩湖からリチウムが抽出できることが研究でわかったのです。リチウムは電気自動車やパソコン、携帯電話などに使用されている二次電池に必要不可欠な材料で、その需要は将来的に増えることが予想されています。この塩湖には世界のリチウムの約50%が存在するとも言われています。リチウムの抽出には高度な技術が必要なため、ボリビア政府は、各国に技術支援や投資を呼びかけており、日本だけでなく世界が名乗りを上げています。(注1)2010年にはこのリチウム資源の産業化に向けた協力覚書がボリビアと日本の間で締結されました。(注2)

ボリビアは、リチウムだけでなく天然ガスなどの資源も豊富なのに、債務貧困国に分類されています。資源を有効に活用する技術と労働者の育成が不足しているのが現状なのです。

ボリビアを含めた南米の国々は近年、アメリカが押し進めていた新自由主義から抜け出し、独自の社会主義を目指しています。外国企業が豊富な資源を支配し利潤が国外に流出することによって、一握りの層が富を独占し、多くの国民が厳しい貧困に陥っている状況を変えようとしているのです。ボリビアのモラレス大統領は鉱山などを国有化し、その利益を財源として社会保障を強化するなど、貧しい人々を救済するために様々な政策を行っています。ボリビアは、まだ改革途上の国なのです。

今後のボリビアの発展には、豊富な資源を基にした産業化と、そこから得られる富の国民への還元が不可欠です。また、産業化を効率的に進めていくための高度な専門技術と労働者の育成も必要でしょう。産業振興は国内に大きな雇用を生み出し、多くの課題を抱えたボリビアにとって救いの手といえます。

また、ウユニ塩湖を中心とした観光業がより発展していけば、ボリビアの産業はさらに軌道に乗るでしょう。資源産業を軸としたボリビアの発展に、今や世界中が注目しています。まだまだ未知の可能性を秘めたボリビア、これからの発展から目が離せません。

参考:
注1:外務省ホームページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol68/
注2:JOGMEC 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
http://www.jogmec.go.jp/news/release/release0290.html

 

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