[三木絵未奈]【安倍政権に白紙委任与えてない国民】~有権者も行動力と発信力を~
三木絵未奈(立命館大学・カナダ留学中)
「三木絵未奈の異国の地で日々、奮闘中!」
|執筆記事|
今月26日に第二次安倍内閣が発足し、安倍政権は新たなスタートをきった。
師走の日本を騒がせた衆議院解散総選挙。開票前から予想されていた通り与党が3分の2以上の議席を獲得し、ほぼ現状維持の結果となった。
しかし、与党圧勝の裏にはこんなデータもある。毎日新聞は全国30以上の投票所で自民党に投票した人を対象に調査を行い、114人から回答を得た。調査内容は①アベノミクス②憲法九条改正③集団的自衛権の行使容認④原発再稼働といった首相が掲げた4政策の賛否を問うといったものだ。
結果は、アベノミクスには約9割が賛成と回答したものの、憲法九条改正には5割以上、原発再稼働には4割以上が反対し、集団的自衛権の行使容認についても4割弱が反対の意を示した。4つ全ての政策に賛成した有権者は全体の約2割にとどまった。つまり、今回の圧勝は有権者たちの「白紙委任」ではないということだ。
とはいっても、ノンフィクション作家中村安希氏の言葉を借りるならば、最終的な「決定権は時の政権にある」。最終決断を下すのは安倍政権。決定してしまえばいくら国民反対しても実行に進む。彼らに決定権を与えたのは私たち有権者なのだから。ここに、投票に行く事の重要性を感じる。
選挙は決定権を誰に与えるかを決めるものだ。しかしながら国の決定権を託す今回の選挙で意思を投じたのは国民全体の約半数。どれだけ選挙後に騒いでもそれは後の祭りでしかない。政治家は、選挙によって意思表示をしない有権者のための政治なんてしないだろう。しかし、投票した人、しなかった人含め私たち有権者が彼らに決定権を与えたということを忘れてはならない。では、今後我々はどうすべきか。
1つ言えるのは、「投票をした、しなかった」「支持した政党が勝った、負けた」というだけで終わってはいけないということだ。私はむしろこれからが本当の勝負だと考える。
今後我々がすべきなのは、政府の動向に目を光らせ積極的に意思を行動に移していくことではないだろうか。二大政党制がほぼくずれてしまった今、国民が監視しなければそれこそ安倍政権の独裁政治と化してしまう。
与党の圧勝に愚痴をこぼし、政策や生活への不満をもらすだけでは何も変わらない。それを様々な形で意思表示しなければ想いは届かない。極端に言えばデモを起こして政府へ意思表示をすることも可能なのだ。
海外ではデモや抗議活動によって現状を変えようとする光景をよく目にする。
実際に私の留学先の大学では、大学の授業料引き上げの決定に対して激しく抗議する生徒たちが10月から学内でデモを起こしている。大学の決定後すぐに生徒たちの間でコミュニティーが作られ、今でも多方面で精力的に活動している。
(コミュニティーのFacebookページ)
カナダでは、学生でさえこれだけの行動力と発信力を有し、それを活かして意思表示を行って現状を変えようとしている。
私はデモを推進している訳ではない。意思表示の1つの手段として紹介したまでだ。しかし、今の私たち日本国民には彼らのように自分の手で現状を変えていこうとするその想いが欠けているのかもしれない。日本を動かしているのも、これからの日本を変えていくもの私たち国民自身だ。そう肝に銘じて、今後の安倍政権の動きに注目したいものである。
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