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.政治  投稿日:2014/9/28

[古森義久]【私は朝日新聞の虚報の被害者④完】~米・テレビ慰安婦問題特集番組に出演して~


古森義久(ジャーナリスト/国際教養大学 客員教授)

執筆記事プロフィールBlog

アメリカのPBS(公共放送網)のテレビ番組で2007年5月にファリード・ザカリア記者のインタビューに応じ、慰安婦問題について私が述べた主張の紹介を続ける。

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ザカリア「古森さん、日本はいまこの慰安婦問題での苦しい状況からどうやって離脱するのでしょうか」

古森「日本の政府も国民も、過去半世紀以上、戦争や歴史に関する非難に対して、なにも反論しないという態度をとってきました。ただ黙って民主主義を推進し、人道主義を広げるという政策や態度を続けてきたのです。しかしこうした対応だけではうまくいかないことが今回の事態で確認された。

となると、今後は日本の指導層や国民が対外的に発言するようになるでしょう。慰安婦問題では、日本軍が最高上層部で女性を強制徴用する決定を下したなどという事実はない、だがそんな決定があったかのように語る人たちがいる。であれば日本側でもこれまでよりも多くの人たちが対外的に反論をするようになるでしょう。

私自身も、日本が戦争認識などに関する非難をただ黙って受けとめ、民主主義や人道主義に基づく行動をとるだけで信頼を得ようとする従来の対応は、よい結果を生まないと思います。今回のアメリカ議会での慰安婦問題での日本糾弾には日本側の多くの人々が深い失望、悲しみ、そして怒りをも感じています。だからこれからはアメリカ側からみれば、新しい日本が登場してくるかもしれない。つまり発言する日本、反論する日本です。

今回の慰安婦決議案は日米同盟を侵食するともいえます。なぜなら日本側では、この問題で日本の誇りを傷つけられたと感じる人たちこそ、これまで日米同盟を最も強固に支持してきた勢力だからです。この人たちは民主主義への信奉を基盤とする日米同盟を支持し、同じ民主主義の価値観を共有するインド、オーストラリアなどとも緊密な関係を築いていこうと主張してきました。そうした価値観を信じるからこそ、いまの民主主義の日本への帰属意識や連帯感は強いのです。だから過去の問題を理由にいまの日本の民主主義を否定するような動きには、ことさら強く反発するわけです。

もう一つ強調したいのは、こんどの慰安婦問題での日本非難の背後には、中国の存在があることです。慰安婦決議案の提案者のマイク・ホンダ下院議員は、中国系の団体から多額の政治献金を受けてきました。中国系組織に支持されたホンダ議員の動きは、日本を道義的に弱体化し、劣等の立場に押し込もうとする特定国家の外交戦略の一部といえます。日本を国として、本質におかしなところがあるかのように描く。あるいは日本人を民族として遺伝子に欠点があるかのように描こうとする戦略です。私はそうした動きに強い反発を覚えます」

ザカリア「どうもありがとうございました」

以上がファリード・ザカリア氏による私への質問や発言への回答の要旨である。私はこの二〇〇七年の時点での自分自身の言葉にいささかの誇りを感じている。その基本的な事実関係の正確さは朝日新聞の大誤報が明らかとなった現在、改めて証明されたからだ。だが当時は以上のことを語っただけで、アメリカ側の多くの人たちから反発されるようになった。だから私は朝日新聞の誤報の被害者だともいえるのである。

 

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