お雑煮の具に“イクラ”は常識?非常識?〜地域によって全く違う『お雑煮』の不思議
知夏七未(パフォーマー)
あけましておめでとうございます。今年は9連休の方も多かったようですが、皆様素敵な新年を迎えられたでしょうか。
ところで皆さん、お正月のお雑煮に欠かせない具材と言えばなにを思い浮かべますか? 私の頭にお餅より先に浮かんでくるのは、”イクラ“です。意外ですか? イクラは全国共通、お雑煮に欠かせない具だとずっと思っていましたが、数年前から色々な方とお雑煮について話をするようになって以来、我が家以外でイクラをトッピングする家庭に出会った事がありません。
私が食べてきたイクラ入りお雑煮は母方の祖父母の出身地、新潟県のレシピだそうですが、北海道や東北でもイクラを具に使うようです。我が家のお雑煮ではイクラを人参、大根などと共に茹で、醤油で味つけして盛り付ける時に更に生のイクラを飾ります。イクラの塩加減がいい塩梅で、何より赤い彩りがお正月らしく、我が家では欠かせないお雑煮の具なのですが、私の周りの人には不思議がられるばかりです。
今年も新潟式のお雑煮を準備しながら、兵庫出身の母に兵庫式のお雑煮を聞いたところ、驚いた事に、「知らない」と言われてしまいました。お雑煮は、どこに引っ越しても、嫁いだ先の義理の“母の味”が代々、受け継がれていくようです。東京で生まれ育った私も母の新潟風お節を年々食べてきましたので、伝統的な東京式お雑煮にどんな具が入るのか皆目見当が付きませんでした。
しかたない、図書館に行こう!ということで、母が30年ほど前に買った料理の事典で色々調べてきました。思った通り、どのお雑煮も地方色が出ているな・・と思いつつページをめくっていると、思わず目が釘付けになったお雑煮が二つ。
一つは島根県のお雑煮。黒いものが山盛りになっていて、一瞬ぎくっとしましたが、これは岩海苔だそうです。他には丸餅と鰹節だけというシンプルさですが、出汁はトビウオを干したものからとるそうで磯の味が香ってきそうです。
もう一つは鳥取県のお雑煮。小豆と丸餅と書いてあり、どう見てもこれはお汁粉では? と思いましたが、島根も含め出雲地方で食べられてきた小豆雑煮というお雑煮で、お汁粉ほど甘くないのだそうです。
同じ日本のお正月文化とはいえ、お雑煮の中身は本当に色々。その地方、地方で、具もこんなにも変わってくるんですね。お雑煮がどんなものなのか、友人や職場の方々と話してみると、地方の文化や歴史的背景がわかって面白いかもしれません。
【あわせて読みたい】
- 【滝川クリステルのオリジナル動画番組】『今、何を考え、どう動くべきか』
- 外国人でも70万円で安楽死ができる国スイス〜最先端の安楽死制度を持ち、自殺幇助が合法のスイスには安楽死ツアーもある(磯村かのん・通訳/起業家)
- 英語でショッピングに注意!「マニュキュア」ってどう言うの?“意外と知らない?!知っておきたい!英会話”(デイビット・セイン・英会話講師)
- [現役女子大生・留学リポート]青木洋子の“現在、パリに留学中”|街全体が芸術品のパリで「優雅とはほど遠い」けど刺激的な留学生活!
- 『自分の仕事をつくる旅 グローバル時代を生き抜く「テーマのある旅」のススメ』(安藤美冬・株式会社スプリー代表取締役/自分をつくる学校学長)
- 「メリークリスマス!」は当たり前ではない?!クリスマスシーズンでも文化が違えば全く違う?!〜ユダヤの『ハヌカ祭』をご存知ですか?(知夏七未・パフォーマー)
知夏七未(ちなつ・ななみ)1985年、東京生まれ。 幼少期よりバレエ、ジャズダンスを学びショービジネスを志すも、国際政治経済や世界の子供たちの状況にも興味を持ち上智大学英語科へ入学。 在学中NYへ渡米、現地でダンスカンパニー団員、キッズダンススクールアシスタントなどとして活動。 帰国後はショー活動と国際交流活動とを同時に実現でき、語学を生かせる場としてページェント(ミスコン)モデル業界へ。日本代表として約60か国の女性たちと世界大会へ参加。また、着物ドレスによるパフォーマンスグループ”美・JAPON”にてダンサー・モデル及び翻訳等を務める。“世界中に友達を作りたい!世界の踊りや音楽、衣食住などの文化を知りたい・広めたい!”という思いから、“日本文化の美しさを世界に・世界の文化の面白さを日本に”を軸に、それぞれの国や文化のドキドキワクワクすることを広める活動を模索・推進中。