幼児教育、ますます重要に 山谷えり子参院議員
「細川珠生のモーニングトーク」2017年12月16日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(東谷晃平)
【まとめ】
・人生100年時代において重要性が高まる幼児教育に力を注ぐ。
・高等教育の高い学費の負担をどう軽減するか対策を取っていく。
・行方不明の文化財の保護のための法改正を進める。
今回は、元国務大臣で現在は参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 委員長、自由民主党文化立国調査会長を務める山谷えり子参議院員がゲスト。政治ジャーナリストの細川珠生氏が人生100年時代における幼児教育の大切さと文化財を守ることについて話を聞いた。
人生100年時代における幼児教育無償化は、安倍首相の公約であり2兆円のパッケージで実現するとされている。山谷氏は「今の小学生は107歳まで長生きする。学び方や、働き方に大きな変化が起こる。激動の社会の中で、社会を支えるには幼児教育が何より重要である」と語った。更に「忍耐力、好奇心、チャレンジ精神は幼児教育によって培われる」とその重要性を強調した。
また山谷氏は日本の高い教育水準についても触れ、「日本は15歳の学力がOECDの中でもトップクラスである」とした。今後は義務教育だけではなく、幼児教育に力を注いでいく立場を強調した。また山谷氏は高等教育の学費が高くなっていることについて触れ、親世代も授業料を払うことが負担になっている点が問題だとの考えを示した。こちらも国が支えるという形を模索しているという。
現在、自民党は就職後、年収に応じて奨学金の返済金額を決める仕組みを導入することも検討中である。また、スイスやイスラエルでは大学へ進む人の3割が30歳以上であるのに対し、日本は2.5%にとどまっていることを挙げ、「100年生きることを考えれば50歳代でも大学へ行ける制度設計をするべきである」と述べ、今後3年間で集中的に取り組んでいく考えを示した。
細川氏は重要文化財や国宝の多くが行方不明になっていることに触れ、「このように文化芸術品を守っていくために国としてどのような対策を講じていくつもりなのか」と質問した。これに対し文化立国調査会長でもある山谷氏は「日本は世界でも最も長い統一国家であり、近年増加傾向にある外国人観光客にその魅力をもっと知ってもらいたい」とした上で「文化国家としてのイメージアップに取り組んでいく」とした。そうした中、美術工芸品や重要文化財が守られていないことに危機感を示した。
10月22日の台風で多くの国宝や文化財、合わせて210件が被害を受けた。国からの補助金は少なく、その多くが個人の負担で修理することになっている。
山谷氏は、1万654点の国宝、重要文化財のうち164点の行方が分かっておらず、これらの調査やどこに何があるかという把握も不十分であることを明らかにした。その上で、来年の通常国会で文化財保護のための法改正を行うつもりであるという。
重要文化財の流出の例として山谷氏は、運慶の像がアメリカに渡り、その後日本の団体が13億円をかけて買い戻した例を上げた。また、相続税を払えず個人所有者がやむをえず手放すケースも相次いでいるという。これについて、山谷氏は相続税免除の政策を作り対応したという。
細川氏は「今までこの問題は国民からの認知度が低かった。国民が知ることによって世論が高まり、予算が増えることが考えられる。」と締めくくった。
トップ写真)山谷えり子議員
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