.政治  投稿日:2018/12/13

「日系や永住者支援は国がすべき」自民党長谷川岳参議院議員


「細川珠生のモーニングトーク」2018年11月24日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth編集部(大川聖)

【まとめ】

入管法改正に合わせ、社会保険は限定的な制度設計進めている。

・日本に住んでいる日系や永住者への支援は国が積極的に支援すべき。

雇用需給の変化が見込まれるため入管法は省令等で柔軟に運用。

 

臨時国会では、外国人労働者確保のため、出入国管理法改正案が議論されている。技能実習生の失踪等が問題になっている中、政治ジャーナリストの細川珠生氏が参議院議員で自民党法務部会長の長谷川岳氏に話をきいた。

 

■ 社会保険制度

細川氏は「日本は人口減少で労働者不足という状況にあるなかで、外国人の労働者は一定の需要は当然あるだろう。」と述べた。一方で、医療に関し、「日本国民が自分たちのためにかけている保険料で、外国人の方の医療をみるというのは抵抗があると思う。」と問題点を指摘した。

これに対し長谷川氏は「日本で働いている人たちが、海外に出て高額な医療を受けざるを得ない時、日本の保険が使えるようにするといった、元々は日本人向けの保険だった。」と述べ、外国人労働者が海外に残した家族まで保険適用させることについては想定してなかったと指摘した。

その上で、今回の入管法改正に向けて、「保険や年金、つまりは社会保険制度は、やはり日本人が日本人の保険料でという部分を前提とした、極めて限定的な制度設計を今検討している。」と答えた。

これに対し細川氏は「入管法改正案に含まれるのか、それとも別建てで制度を作るのか」と聞いた。長谷川氏は、「入管法改正の問題と、それから健康保険法や国民年金といった厚生労働省が所管する法律があるので、それを改正するといった形で対応できると思う。」と述べ、対策を進める考えを明らかにした。

 

■ 教育

細川氏は「労働者の家族が来た場合、教育現場で多言語で対応しなければならないので、かなり混乱している。何らかの手立てはあるのか。」と聞いた。

長谷川氏によると、先日、自民党法務部会は、日本の自治体市町村の中で外国人比率が極めて高い、群馬県(外国人の全体比率2.7%)、伊勢崎市(同5.7%)大泉町(同18.1%)をまわり、ヒアリングした。

そのうえで長谷川氏は「そこで起きている課題を逆に47都道府県に展開する。できれば、12月に政府が出す‘‘外国人材の受け入れ・共生のための総合的対応策(仮称)’’の提言に入れられるよう、課題を一つずつ潰している」と答えた。

一方で、「今回の入管法改正では、教育はあまり問題にならないと思う。」とした。基本的に家族帯同ができず、特定技能2号においては家族帯同だが相当高度な人材でそれほど数も多くないからだ。

ただ「問題は今、現に住んでいる永住者や日系の方々である」と述べ、「日本語助手に対する予算、あるいは日本語教育、文化や生活習慣を教えるようなNPO・NGOのような支援団体への支援」の重要性を改めて指摘した。また、義務教育下ではないブラジル人学校に通う子どもたちが、日本の公立小学校と行き来することで遅れる教育のフォローや、自治体の医療通訳といった問題も挙げた。長谷川氏は、「自治体任せではなく、国が積極的に支援するという形をとりたい。そのような内容で提言を求めたい。」との考えを示した。

 

■ 法案成立に向けて

細川氏は「法案自体は閣議決定をされているので通常その委員会の審議があってもなかなか修正がなされないのが国会の慣習ではある。しかし、技能実習生の失踪問題の調査の不備などで国民の不信感も溜まっている。どうやって成立まで持っていこうと考えているか。」と質問した。

長谷川氏は「日本の労働力不足は与野党の共通認識である。」としたうえで、問題は以下の二点であると答えた。

①どういった外国人労働者が受け入れられるのか、教育、給与待遇と、日本人の雇用への影響

②今の外国人技能実習生の27万人のうち7000人が失踪するといった外国人技能実習生をめぐる問題

長谷川氏は「(これらを)分けてしっかり対策を取らなければいけない。」と強調した。

まず、②については、昨年設立した外国人技能実習機構を人員拡充等で強化し、外国人技能実習生受け入れ団体や監理団体、企業に対し、実習計画の審査や、場合によっては立入検査をすることで、「技能実習生と企業とその監理団体との間に不透明な部分がないように努力しないといけない。」との考えを示した。

①については、「どうしても景気の部分で左右されたり、ICTを進めることで雇用の需給も変化したりする。省令等で時代や景気状況に応じて柔軟に運用方針を決められるようにする。」と述べた。野党が指摘している外国人労働者の報酬についても、「附帯決議の中でしっかりと制限をかけていくということがあり得る方法ではないか。」とした。

細川氏は「状況は変化していくので、国民から付託された、国会を監視するという国会議員の大きな役割を大事にしてほしい。」と強調し、締めくくった。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2018年11月24日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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