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.社会  投稿日:2019/6/14

HPVワクチン積極的接種勧奨再開を


Japan In-depth編集部(小寺直子)

【まとめ】

子宮頸がん(HPV)ワクチンの積極的接種勧奨の一時停止から6年。

守れる命を守る会、ワクチンの積極的接種勧奨を再度要請。

・日本の科学を守るために控訴した村中璃子氏への支援を続けることを表明。

 

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2019年6月14日で子宮頸がん(HPV)ワクチンの積極的接種勧奨(ワクチン接種の通知を送ること)の一時停止から6年が経つことに合わせ、守れる命を守る会が厚生労働省内で会見を開き、同会代表の石渡勇氏は、積極的接種勧奨再開と9価HPVワクチンの早期承認を訴えた。併せて、日本人女性の命と日本の科学を守るために控訴したジャーナリスト・医師の村中璃子氏への支援を続けることを表明した。

村中氏の裁判とは、HPVワクチンの薬害を主張する元信州大学医学部長(元同大第三内科教授)の池田修一氏から提起された名誉毀損訴訟である。今年3月の東京地裁判決では、村中氏が敗訴したが、控訴している。

HPVワクチンは2013年に定期接種化されたものの、2013年6月14日に積極的接種勧奨が差し控えとなった。厚生労働省の直近の報告によれば、子宮頸がんワクチンの定期の予防接種率は0.3%である。この間、子宮頸がんの罹患率は上昇、子育て世代、働き盛りである20代から40代をピークに年間3000人弱の女性の尊い命が奪われている毎日8人がこの子宮頸がんで亡くなっている。現在治療を受けている患者は1万人にのぼる。

▲提供)守れる命を守る会

 

▲提供)守れる命を守る会

石渡氏は「HPVワクチンで救える命が年間約2500人、がんを免れる人が約7000人、子宮の円錐切除を免れる人が約6300人いる。海外では2価または4価のHPVワクチンを導入しているのは約140カ国、ワクチン接種の公費負担は約100カ国、男性への公費負担も約30カ国。これに対し、9価HPVワクチンは77カ国で承認されているものの、日本では未承認である。世界中を見ても、HPVワクチンによる副反応だと言われている症候群がHPVワクチンの直接的な影響によるものという証拠は、どこでも得られていない。WHOからは名指しで不十分なエビデンスに基づく政策決定は、真に有害な結果となり得る。と警告されている。世界で唯一日本だけが、HPVワクチンの接種率が減り、死亡率が上がっている。」と日本の現状を訴えた。

▲写真 守れる命を守る会代表の石渡勇氏 ©️Japan In-depth編集部

控訴審から、村中氏の代理人を新たに務める弁護士の平岩敬一氏は、「小さな子供を残して母親が亡くなるということは家庭崩壊を意味する。この間にも1日8名の女性の命を奪っているまさに”マザーキラー”だ。一審での敗訴が接種勧奨のマイナスになっている。」と述べ、平岩氏が顧問を務める日本産科婦人科学会でこれまでに計4回、積極的接種勧奨の再開を求める声明を出しても、ほとんどマスコミでは取り上げられないことにも言及し「(6年経っても再開に至らないのは)マスコミの責任もあるだろう。しかも、もっと責任が大きいのは厚労省であり、場合によっては不作為の違法行為の責任を問われるのではないか。厚労省のHPには、”HPVワクチンは、積極的におすすめすることを一時的にやめています”とはっきり目立つように書いてある。これを見た国民はワクチンを打とうと思いますか。思うわけない。将来的に患者から厚労省が訴えられる可能性もないとは言えない。」と指摘した。

写真 弁護士の平岩敬一氏 ©️Japan In-depth編集部

また、「池田氏は、実験を再現できない。再現できないことは捏造と言える。再現実験もしていないため、研究不正があったと考えている。名誉毀損裁判の場合には、社会的信用や名誉が失われたとしても、それが真実であれば、違法性は阻却される。真実は裁判所が判断することになるが、ジャーナリストが表現の自由でどう表現するのか。仮に真実でなかったとしても、真実と思う相当の理由があれば、違法性、責任は阻却される、つまり名誉毀損は成り立たない。証拠は出揃っているので、それを整理し、なぜ村中氏は真実と考えたのか、真実相当性の立証をしていく。」と方針を示した。

細部小児科クリニック院長の細部千晴氏は、「子宮頸がんワクチンは怖いものだ、という報道を知らない世代も増えてきている。だからこそ、マスコミの皆さんには、どうか真実を正しく伝えてほしい。マザーキラーの撲滅のために。」と積極的接種勧奨の早期再開を再度訴えた。

東京高裁での第1回口頭弁論は、8月28日の予定だ。

▲写真 細部小児科クリニック院長の細部千晴氏 ©️Japan In-depth編集部

トップ写真:©️Japan In-depth編集部


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