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.社会  投稿日:2022/3/8

【ファクトチェック】Tweet「火炎瓶で露軍の戦車を破壊するウクライナ市民」→誤り


Japan In-depth編集部(藤澤奏太)

【まとめ】

・ロシアのウクライナ侵攻でSNSによる写真や動画の拡散が急増している。

・戦闘の激しさを示す写真の投稿などが多いが、中には過去の写真を拡散しているものも。

・2014年の内戦の写真を今回のものとして拡散している例もあり、「誤り」と判定した。

 

2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻。きょうで約2週間になるが、終息の兆しはなく、むしろロシア軍の攻撃は激しさを増している。

そうした中、SNSでは様々な情報が飛び交っており、情報戦の様相を呈している。

世界中の人がSNSを注視するなか、どれが本物でどれがフェイクか、見分けがつきにくいのも事実だ。

今回、編集部は以下のツイートに注目した。(トップ写真のもの)

ツイートは2022年2月26日に炎と煙の中、人が火炎瓶らしきものを投擲する姿の写真など4枚とともに投稿され、「ウクライナ市民はキエフで火炎瓶で2つのロシアの戦車を破壊する。彼らは首都でロシア軍に対抗するためゲリラ戦を展開する。その勇気に敬意を!」と記した。

2022年3月8日17時現在で、リツイートが1305回、引用ツイートが165回、8021のいいね!がついている。

しかし、これらの画像は現在発生しているウクライナ侵攻によるものではなく2014年に発生したウクライナ騒乱時のものとみられる。

その理由としてウクライナのキエフを拠点に活動するアメリカ人写真家BREVDAN HOFFMAN氏が2014年1月25日、自身のHPに当該ツイートの写真右上と同じ画像を投稿し、「警察との衝突の際に火炎瓶を投げつける反政府デモ参加者」とキャプションをつけている。この画像は複数のニュースサイトに同時期に掲載されている。

例えば、RTEが2014年1月25日に掲載しているほか、ZAHOLOVOK.COM.UA[2] が2014年1月23日に、THECONVERSATIONが同年1月29日にツイート左上の写真を使用している。

これらのことから、2月26日に投稿された当該ツイートは「誤り」だと判断する。

 

【Japan In-depthファクトチェックポリシー】

Japan In-depthは、NPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、ファクトチェックを実施しています。FIJが定めたガイドラインに準拠して、言説の真実性・正確性の評価・判定を行います。政治家、有識者の発言、メディアの報道、ネット上拡散されている情報など、社会的に影響の大きな言説を対象とします。判定基準は以下の通りです。




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