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.国際  投稿日:2014/6/11

[藤田正美]<不良債権100兆円超え!中国経済がヤバい>政府見解を遥かに上回る中国の不良債権の実態


Japan In-Depth副編集長(国際・外交担当)

藤田正美(ジャーナリスト)

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中国経済が大きなリスクを抱えているという話は誰も否定しない。しかし、顕在化する可能性が大きいか小さいか、ということについては意見が分かれる。不良債権問題が銀行経営に影響するのか、それとも政府の「介入」によって銀行の健全性が保たれるのか。

この一つの判断材料は、いったい銀行が不良債権をどの程度抱えているのかということだ。これまで中国は、不良債権比率は1%としてきた。しかし、ずっとこれだけの低水準を保っているとはとても思えない。個人融資が増えたり、民間部門への融資が増えれば、当然のことながら不良債権になるものの比率も増える。

銀行が利息にあたる分を新しく融資し、それが利息支払いという形で銀行に戻ってくれば、形の上では不良債権ではなくなる。将来の景気回復を見込めば、銀行はそれぐらいの「不良債権隠し」をするものだ。日本でもバブルが弾けた後、こうした操作が横行し、それが日本経済の立ち直りが遅らせた。

5月初旬にOxford Economicsが発表したリポートによると、中国の不良債権の実体は、政府公式見解をはるかに上回るのだという。10%から20%のあいだで、総額にして6兆元から12兆元(96兆円から192兆円)ほどに達する。この金額はかなり大きい。

もっとも金額の大きさだけが問題ではない。不良債権が発生しても、インフレであればバランスシートにできた穴はいくらか「自動的に」埋まっていく。それに中国経済は、生産年齢人口が減り始めることもあって、減速は避けられないものの、いわゆる西部開発などインフラ投資によって経済成長を加速できる地域はまだたくさんある。日本の公共投資のように、どこにも通じない道路をつくるわけではない。

もちろんそれでも問題はある。そういった公共投資の主体である地方政府は、外国の資本を当てにするところがあったが、このところ外資の進出がかなり押さえられている。何かというと「報復」めいたことをする中国について、カントリーリスクが高いと外国資本が判断するようになってきたからだ。

問題はここだ。外資の直接投資が減ると、外資のカネを出口として考えていた地方政府の計画に狂いが生じるということだ。その計算違いは、やがてシャドウバンキングや小規模な商業銀行に及ぶ。

中国の金融絡みのニュースは目が離せない。

 

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