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.JID  投稿日:2014/6/6

[Japan In-depthニコ生公式放送リポート]緊張走る東アジア。中国の暴走を止めよ!集団的自衛権を考える。


Japan Indepthチャンネル 2014年5月31日(土)放送

テーマ「緊張走る東アジア。中国の暴走を止めよ!集団的自衛権を考える。」

  • ゲスト: 産経新聞ワシントン駐在客員特派員 古森義久氏
  • ゲスト: 軍事ジャーナリスト 清谷信一氏
  • MC:編集長  安倍宏行
  • サブMC:OLタレント 坪井安奈

集団的自衛権の行使をめぐる論争が活発化している。安倍首相は、先月(5月)15日、憲法9条が禁じる武力行使にあたるとされてきた集団的自衛権の行使を検討する考えを表明し、国会での集中審議が始まった。

20140531JID?????東アジアでは、中国の脅威が顕在化している。5月24日に東シナ海の公海上空で起きた、ミサイルを搭載した中国の戦闘機の自衛隊機2機への異常接近。さらに、中国は南シナ海上でベトナム、フィリピンとの領土問題を抱えており、日本以外の国とも緊張が高まっている。日本は今、中国の台頭によって、大きな局面を迎えようとしている。

「集団的自衛権」とは、「自国と密接な関係にある他の国家が武力攻撃を受けた場合に、直接攻撃を受けていなくても武力を行使して共同で防衛を行う国際法上の権利」のことで、世界中の殆ど全ての国がこの権利を有している。

日本の歴代内閣は、この権利を有しているものの、憲法が認める自衛権の範囲を超えているとして、行使はできないとしてきた。 たとえば、公海上の米軍艦船が他国に攻撃されても、日本はそれを助けることができない。また、米国を狙った弾道ミサイルが日本の上を通っても、日本はそれを撃ち落とすことができない。確実に日本が攻撃されているとわからない限り、武力行使をすることはできない。安倍首相は、東アジアでの緊張感が高まる中、集団的自衛権の行使を可能にし、日米同盟を強化することで、抑止力につなげたい考えだ。

番組内で「集団的自衛権の行使容認に反対か、賛成か」というアンケートをとったところ、男性は賛成68.2%、反対31.8%、女性は賛成55.6%、反対44.4%という結果になった。賛成が若干多いものの、国民の判断が割れている様子が伺える。 根強い慎重論のひとつに「アメリカの戦争に巻き込まれるのではないか」という考えがある。

これについて古森氏は

「そんなことは起こり得ない。平和主義の下に自国が侵入されてもいいのか。憲法9条自体は素晴らしいが、国際的に対応できなくなっている」

とした上で、

「集団的自衛権を行使できない日本に対して、アメリカ国内で不公正感を感じる声も上がっている。現在の状況が続けば、アメリカは日本を一方的に守るという今の関係を維持してくれなくなるかもしれない」

と指摘した。又、古森氏は

「アメリカにとって、集団的自衛の一番の問題はアジアにおける二つの有事だ」

と指摘した。

一つは朝鮮半島有事であり、もう一つは中国が台湾を攻撃する台湾有事である。もし実際にこれらが起きたら、日本はどれだけ支援してくれるのか。アメリカの中には“Japan In”と“Japan Out”、二つのシナリオがあるという。“In”は、輸送や死者引き取りなど、「まぁまぁやってくれるだろう」というシナリオ。“Out”は全く何もしてくれない、というシナリオである。

アメリカにとって、日本が有事の際に確実に動いて力になってくれるという保証がない現在、頼れない同盟相手だという認識が広がっているという。今やアメリカの軍事力は圧倒的とは言えず、国防費を減らせという動きが出ている中で、アメリカの不安は一層高まっているという。

一方で、清谷氏は、

「安倍首相は少し勇み足なのではないか」

と指摘する。安倍首相は、集団的自衛権を行使できるようにすることを急いでいるが、憲法解釈の変更ですべてが解決するわけではないと警鐘を鳴らす。また、集団的自衛権の行使にあたって、運用方法等、現場レベルでの緻密な整備が必要になるが、今の日本にその準備はあるのか、疑問を呈した。

「国際的に通用するグランドがまだできていないのに、集団的自衛権行使に向けたプレーが始まってしまっている状態だ」

と清谷氏は懸念を示した。

安全保障をめぐる議論は国の根本に関わる。今まで議論がなされてこなかったこの問題が、国会で議論され、論点が可視化したことはよい動きだ。一方で、集団的自衛権の行使=即戦争と議論が単純化されている面も否めない。国民がもっと関心を持つ必要がある。Japan Indepthでは今後もこの動きを追って、我が国の安全保障を考える材料を提供していく。

 

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