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.経済  投稿日:2026/4/6

EXILE TETSUYAが一目惚れした全自動コーヒーマシン「Mytico」とは




執筆者:Japan In-depth編集部(箱崎真子、小宮山葵)

【本稿のポイント】

・EXILE TETSUYA氏が、スイスのコーヒーマシンメーカー フランケコーヒーシステムズのブランドアンバサダーに就任。

・特許技術「iQFlow」とIoT機能により、抽出の再現性・品質の安定・レシピの多店舗共有を実現。

・長年の課題だった味のブレ・教育コスト・オペレーション負荷を、「正解の一杯」を先に提示するアプローチで解決。

・自動化への導入で、スタッフのコーヒーへの関心がむしろ高まるという現場での予想外の変化が生まれた。

EXILEのパフォーマーとして知られるTETSUYA氏が2015年にプロデュースした「AMAZING COFFEE」に、スイスのコーヒーマシンメーカー、フランケコーヒーシステムズの最新機「Mytico(ミティコ)」が導入されることになった。 「TETSUYA氏のこだわりの一杯が全国の店舗でも味わえるようになる」。そう謳われるこの取り組みは、単なる機器更新ではない。自動化によってむしろスタッフのコーヒーへの関心が高まったという、現場で起きた予想外の変化を取材した。(Japan in-depth編集部)



 2026年4月6日、スイスのコーヒーマシンメーカー、フランケコーヒーシステムズは、EXILEのTETSUYA氏がプロデュースする「AMAZING COFFEE」4直営店への最新機「Mytico(ミティコ)」導入と、TETSUYA氏のブランドアンバサダー就任を、AMAZING COFFEE中目黒本店にて発表した。

 「初めて触った日の帰り道に、(Myticoを)全店舗入れる、と決めました」——TETSUYA氏はそう言って笑った。AMAZING COFFEEが11年目の新章を、このマシンとともに歩み始める。

AMAZING COFFEEが抱えた「味のブレ・教育コスト」の課題

写真)左からTETSUYA氏、フランケコーヒーシステムズジャパン田中智康マネージングディレクター
ⓒJapan In-depth編集部(井上紗希)

 Myticoというブランド名はラテン語・イタリア語で「神秘的」を意味する言葉に由来する。伝統とモダンの統合を体現する名として採用されたと、フランケコーヒーシステムズジャパンの田中智康マネージングディレクターは説明した。
フランケ独自の特許抽出技術「iQFlow™」がコーヒーの流量をリアルタイムで制御し、カップごとの味のブレを最小化する。IoT機能により、販売データや洗浄履歴のクラウド管理、そして複数店舗へのメニューの一斉配信が可能だ。
 TETSUYA氏がMyticoに一目惚れした背景には、AMAZING COFFEEが11年間抱えてきた構造的な課題があった。
従来のトラディショナルマシンを使っていた時代、毎朝のオペレーションは緻密だった。豆の量を測り、タンピング(コーヒーの粉を専用器具で均一に押し固める作業)をして、挽き目を調整して抽出する。その工程を毎日繰り返しながら、同じクオリティを保つことが求められていた。タンピングの角度や圧力の強さは人の技術によってわずかに変化し、それが味のブレにつながる。難しさと楽しさが同居する工程に、TETSUYA氏は11年間向き合い続けてきた。
 さらにAMAZING COFFEEならではの事情もあった。アルバイトスタッフの中には、LDHが運営するエンタテインメントスクール「EXPG」に通い、アーティストを目指す若者たちも在籍していた。全員がコーヒーのプロを目指しているわけではなく、ライブとのコラボレーション時にはファンが行列を作る場面もあり、スピード感・再現性・クオリティを同時に担保できる手段を、TETSUYA氏は何年もの間探し続けていた。
 その答えを、TETSUYA氏は三井倉庫ロジスティクスのショールームで見つけた。

 

TETSUYAが即決した理由——Myticoとの出会い

写真)左から 田中智康マネージングディレクター、三井倉庫ロジスティクスの奥津忠行部長
ⓒJapan In-depth編集部(井上紗希)

TETSUYA氏はバリスタや焙煎士とともにショールームを訪れ、その場で試飲した。奥津部長によれば、TETSUYA氏はその場で「これはいいマシンだ」と口にしたという。
帰り道に全店舗への導入を決めた。従来のマシンへの愛着はありながらも、バリスタとしての感覚でどこか物足りなさを覚えていたことも相まって、Myticoに触れたその日、迷いは消えた。

自動化でバリスタの価値は下がるのか——現場で起きた逆説

 Myticoは2025年12月に中目黒本店に初導入され、現在は大阪・名古屋を含む全3店舗に計4台が稼働している。約4か月が経った今、TETSUYA氏が最も驚いたのは想定外の副産物だった。
自動化によってスタッフのコーヒーへの情熱が薄れるのではないかという葛藤を抱えながら導入に踏み切ったが、実際は逆だった。スタッフのコーヒーへの関心が、むしろ高まったのだ。
Myticoは「正解の一杯」を先に提示する。経験の浅いスタッフでも1杯目から同じクオリティのエスプレッソが出せる。その正解を起点に、スタッフは手前の工程を逆算して学ぶようになった。
 奥津部長も現場の変化を補足する。セッティングさえ済めば誰でも均一なクオリティが出せるためトレーニング時間が短縮できた上、マシンの高さが低いことでスタッフは客と視線を合わせながら抽出できるようになり、おもてなしの質が上がったという。

IoTによるレシピ一斉配信がもたらす多店舗展開の可能性

 TETSUYA氏がMyticoの機能の中で最も強く惹かれたのは、IoTによるメニューの一斉配信機能だった。中目黒で作り込んだレシピをそのまま全店舗へ一括送信できる。10店舗でも、100店舗でも、同じ操作で完結する。その機能を知った瞬間に、ブランドを広げていくという確信が生まれたとTETSUYA氏は言う。
 今回、このMyticoで作ったコラボレーションドリンク「Myticoラテ」もお披露目となった。スイスでポピュラーなチェリーとチョコレートを使ったラテをベースに、AMAZING COFFEEがアレンジした一杯だ。スイスから教わったレシピをAMAZING BLENDとMyticoで再解釈し、両者のコラボレーションを一杯に凝縮した。

 

AMAZING COFFEEの次の11年——エンタテインメントとコーヒーの融合

 今回の発表でもう一つ明らかになったのは、TETSUYA氏がフランケのブランドアンバサダーに就任したことだ。田中MDは、TETSUYA氏の11年にわたるコーヒーへのこだわりと経営経験、そしてMyticoを実際に使った視点を、今後の日本市場でのPRと販売活動に活かしていきたいと語った。
 TETSUYA氏が描くのは、ライブほどのスペシャルな日でなくても、日常の中でふと高揚感を覚えられる場所としてのカフェだ。エンタテインメントとコーヒーを繋ぐという軸は、ずっと変わっていない。変わったのは、それを支えるテクノロジーだ。
イベント終盤、Myticoが淹れた「Myticoラテ」が報道陣に振る舞われた。

写真)Myticoラテ
ⓒJapan In-depth編集部(井上紗希)

「これが、経験豊富でないスタッフでもできる。すごく感動しています」——TETSUYA氏はそう言って、カップを手に取った。


■ 
FAQ

Q1. Mytico(ミティコ)は従来の業務用コーヒーマシンと何が違うのか?

A. 特許技術「iQFlow」とIoT機能により、誰が淹れても同じ味を再現でき、レシピ共有やデータ管理まで可能な点が大きな違いです。

Q2. EXILE TETSUYAがMytico導入を即決した理由は?

A. 長年の課題だった「味のブレ・教育コスト・スピード」を一気に解決できると感じ、初めて触れた日の帰り道に全店舗導入を決断するほどの完成度だったためです。

Q3. 自動化でバリスタの価値は下がるのか?

A. むしろ逆で、「正解の一杯」を基準に学べるため、スタッフのコーヒーへの理解や関心が高まり、接客や体験価値の向上につながっています。

Q4. Mytico導入後、AMAZING COFFEEの店舗運営はどう変わったか?

A. 提供スピードの向上、トレーニング時間の短縮、カウンター空間の改善に加え、スタッフが接客に集中できる余裕が生まれました。

Q5. MyticoはAMAZING COFFEEのブランド展開にどう影響するか?

A. レシピをクラウド経由で全店舗に共有できるため、多店舗展開でも品質を維持でき、AMAZING COFFEEのブランド拡張の基盤になります。

 

トップ写真)EXILE TETSUYA氏
ⓒJapan In-depth編集部(井上紗希)






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