泉健太が民主改革の会に入らない理由 配信で語った「納得しがたい」
【本稿のポイント】
・泉健太衆院議員は9月18日、新党「民主改革の会」の結党に参加しないと表明した。理由は、党の運営と政党交付金の扱いについて納得できる説明がないことだ。
・その2日前の9月16日、泉氏はJapan In-depthチャンネルの配信で、執行部の説明は「納得はなかなかしがたい」と述べ、議員1人を残して党を存続させる形に疑問を示していた。
・来年以降の政党交付金について泉氏は「想定としてあることを隠すべきじゃない」と述べ、受け取るかどうかは時期が来れば党が判断することになると語った。
泉健太衆院議員が新党「民主改革の会」に参加しない理由は、9月16日のJapan In-depthチャンネルの配信ですでに語られていた。中道改革連合が議員1人を残して存続し、政党交付金を受け取り続ける形について、泉氏は執行部の説明を「納得はなかなかしがたい」と述べ、「できる限り考え直せるものは考え直してほしい」と求めていた。その2日後、泉氏は不参加を表明した。
▶ 動画:「野党再編 他党とどう組む❓」泉健太氏(2026年9月16日配信)
泉健太氏はなぜ民主改革の会に入らないのか
党の運営と政党交付金の扱いについて、納得できる説明を受けていないからだ。泉氏は9月18日、自身のX(旧ツイッター)に「私、泉健太は、『民主改革の会』結党に参加いたしません」と投稿し、党の体制変更の経緯と理由、特に交付金について丁寧な説明を求めたうえで、自分たちも十分に納得できていないと記した。
中道改革連合は9月16日の議員総会で、小川淳也代表の辞任と新党結成を了承し、所属議員49人のうち48人が離党手続きに入った。党に残るのは渡辺創氏1人で、同氏が新代表として清算業務を担う(中道改革連合 9月16日)。公明党出身の議員は公明党に戻り、立憲民主党出身の議員は小川氏らが結成する新党「民主改革の会」に移る。
配信で泉氏は何を「納得しがたい」と言ったのか
立憲民主党が合流を断ったことと、中道が分かれることは別の話なのに、なぜ中道が今分かれねばならないのかが説明されていない、という点だ。
配信の冒頭、泉氏は「立憲が合流をしないという判断をしたことと、なぜ中道が今分かれねばならないのかということが、多くの皆さんとつながっていない。僕はまだそこを説明しきれていない」と述べた(1分10秒〜)。
党内の議論についても明かした。「少なくとも年内は、みんなで責任を持って党を継続できないのかという声は、元々の出身党にかかわらずあった」。そのうえで、1人を残して離党する形を「異例な形での中道の継続の仕方だし、異例な形で他の議員が元に戻ったり新党になったりということだし、まだまだ説明が足りない」と評した。
筆者が「3党協議の話と中道の党をどうするかの話は別だ」と水を向けると、泉氏は「立憲がダメだったから中道が元に戻るみたいなことが、なぜ必要なのかということは、もっと説明が必要なんだろうな」と応じた。筆者が「少なくとも泉さんは納得していない」と確認すると、「やっぱり納得はなかなかしがたいですよね」と答えた(3分28秒〜)。この前後のやり取りは、文字にすると短いが、間の取り方まで含めて動画で確かめてほしい。
中道はなぜ議員1人を残して存続するのか
2月の衆院選で決まった政党交付金を受け取り、選挙で生じた未払い分の清算に充てるためだ。総務省の令和8年分政党交付金の交付決定によれば、中道改革連合への交付決定額は23億3881万2000円。政党交付金は4月、7月、10月、12月の年4回に分けて交付されるため、10月と12月の2回分、約11億6900万円が未交付のまま残っている。
政党交付金を受け取れる政党の要件は、国会議員5人以上か、国会議員1人以上かつ直近の国政選挙で全国得票率2%以上のいずれかだ(総務省「政党交付金の交付の対象となる政党」)。2月の衆院選で比例代表の得票を得ている中道は、議員が1人残れば要件を満たす。
泉氏はこの仕組みを前提に、執行部にこう求めた。「政治の側の事情じゃなくて、国民の皆さんの理解。それなくしては政治の側だけの事情になってしまう。できる限り考え直せるものは考え直して進めていってほしい」(58分〜)。
来年以降の交付金を泉氏はどう考えているのか
「まだ明らかになっていない」としつつ、受け取るかどうかは「時期が来れば」党が判断することになる、と述べた。判断するのは党であり、離党する泉氏が決める立場にはない。
配信前日の9月15日、泉氏はABEMAの番組で、自民党の浅尾慶一郎参院議員から「1人残しておくと来年以降も得票数割の交付金が入る」と指摘されていた。この点を筆者が改めて問うと、泉氏は「まだ明らかになっていない。想定としてあるということを、僕はむしろ隠すべきじゃないんじゃないかということで、この前ネット番組で言った。いずれ時期が来れば、受け取る、受け取らないの判断をすることになる」と答えた(57分02秒〜)。
政党交付金の総額の2分の1は国会議員数、残り2分の1は直近の国政選挙の得票数に応じて配分される(総務省「政党交付金の額の算定と交付手続」)。中道が2月の衆院選で得た得票は、党が存続する限り、次の衆院選まで得票数割の算定に使われる。泉氏が「想定としてある」と言ったのは、この仕組みのことだ。
泉氏は新党への参加をいつ決めると言っていたのか
配信では「しかるべき時」と述べ、新党の形が「明確に全て決まったわけではない」と留保していた。
視聴者から「泉さんと階さんは国民民主党に行きなさい」というコメントが寄せられると、泉氏は「相手がある話だし、今やり取りをしているわけではない」と否定した。国民民主党の玉木雄一郎代表が別の番組で「電話がかかってきた人は4人ほどいる」と述べたことについても、「僕は少なくとも電話していない」と語った(4分26秒〜)。玉木氏の「理念で一致できる人とは」という考え方をどう評価したかは、動画で聞いてほしい。
配信から2日後の9月18日、「しかるべき時」は来た。泉氏は新党に参加しないことを表明し、当面は無所属で活動することになった。9月16日の議員総会で小川氏は、交付金の管理と責任を1人が担う形について「有権者に分かりにくい」との批判を認め、「外形的な批判をより重く受け止めるべきだった」と述べている(中道改革連合 9月16日)。泉氏が配信で求めた「国民の皆さんの理解」は、まだ得られていない。
本稿で扱ったのは、約61分の配信のうち冒頭と終盤の一部にすぎない。中盤では、食料品消費税1%減税を「2年後に8%が乗る」と批判し、衆参を合わせれば国民民主党が野党第一党だと認め、野党が陥る「追及の罠」を語っている。元野党第一党代表が野党の現状をどこまで率直に語ったか、動画で確かめてほしい。
▶ 動画:「野党再編 他党とどう組む❓」泉健太氏(2026年9月16日配信)
◆番組で語られたそのほかの論点
・玉木代表「電話4人」に「僕は少なくとも電話していない」(4分26秒〜)
・民主党時代、国対委員長の先輩に言われた一言(9分04秒〜)
・「追及の罠」に野党がはまる理由(9分58秒〜)
・食料品消費税1%減税「2年後に8%が乗る」(19分48秒〜)
・「衆参合わせると国民民主が野党第一党」(24分45秒〜)
・ハザードマップはなぜ車の中で見られないのか(40分29秒〜)
・「政権交代はキラーワードになっていない」(46分15秒〜)
・若者の「静かなるストライキ」と損をしない家計(52分04秒〜)
・定数削減「比例だけ減らすのは問題」(58分59秒〜)
【よくある質問(FAQ)】
Q 政党交付金の総額はどう決まるのか
A 人口に250円を乗じた額を基準に予算で定める。令和2年国勢調査に基づく総額は約315億円(総務省「政党助成制度」)。令和8年分の交付決定総額は315億3651万9000円。
Q 政党交付金はいつ、どのように交付されるのか
A 年4回、各政党の交付請求に基づいて交付される。4月に年額の4分の1、7月に残額の3分の1、10月に残額の2分の1、12月に残額(総務省「政党交付金の額の算定と交付手続」)。
Q 衆議院の会派とは何か
A 院内で活動をともにする議員の団体で、委員の割り当てや質問時間の配分の単位になる。政党と一致するとは限らず、複数の政党や無所属議員が一つの会派を組むこともある。衆議院は会派名及び会派別所属議員数を公表している。
関連リンク
・泉健太氏 前回出演回「新生『中道』をどう立て直すのか?」(2026年2月16日)
・中道改革連合「中道改革連合の再起動にあたって」(2026年9月2日)
写真)泉健太衆議院議員 2026年9月
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この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員
1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。
1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。
1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。
2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。












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