無料会員募集中
.社会  投稿日:2015/1/3

[渋谷真紀子]【女性は“社会との繋がり”軸に】~30代女性、ネクストステージの考え方~


渋谷真紀子(ボストン大学院・演劇教育専攻)

執筆記事プロフィール

 

今年の春に1年半前から通い始めた大学院をいよいよ卒業します。大学卒業以来8年間突っ走ってきた広告代理店での仕事を辞め、一念発起して受験して足を踏み入れた演劇教育分野ですが、いよいよラストスパートに差し掛かりました。そこで頭をもたげるのは、今後の進路です。

大学院は、社会人経験を生かして専門性を磨く場所です。私の場合、社会人時代の仕事内容とは必ずしも一致しない、要はキャリアチェンジのステップとして修士号取得を目指しています。この2年間は体系的に演劇教育を学びつつ、社会人経験で培った企画力・プロデュース力を活かして実践的に演劇作品を創ってきました。

つまり、演劇自体の基礎知識や土台創りをしながら、演劇教育の専門性を磨く努力したわけです。ただ、私の場合、特殊なキャリアパスであるため、卒業後の進路は今後のキャリア形成に重要になってきます。毎年約3500人の日本人が米国の大学院に留学しているようですが、芸術分野は少なく、修士号がキャリアのステップアップに繋がる保証はありません。

帰国後に、どのフィールドを舞台にどのような役割で切り込んでいくのか。起業し新しい道を切り拓くにしても、どんな社会的価値を生み出すことが出来るか。一方で、自己実現とワークライフバランスは、とても大切な視点です。夫の転勤や出産・育児など外的な要因も多い女性だからこそ、計画的なキャリア形成・人生は時として困難を伴います。

であれば、キャリア形成は大切ですが、「社会とどう繋がっていたいか」という軸は持ちつつ、どんな環境に置かれても、そこでのベストを創りだせる前向きな考え方をしていきたいと思います。

自分の目標からキャリア形成プランを考えるのではなく、「社会の中で必要なこと」に対して、「自分は今何が提供できるのか?」を考えながら働いていくのです。理想的には、目標を設定し、それに到達できるステップを計画、ステップアップしていかれる努力と正しい選択をしていき、目標達成・それを高めていくことだと思いますが、これは男性の方が実現しやすい考え方かもしれません。

自分のキャリアに縛られるのではなく、ライフステージに合わせて、今の社会で提供できる価値を見つけて実行していくことにより、結果的に社会貢献度を増していかれる生き方にしていきたいと思っています。

国際社会をフィールドに日本人女性として、演劇を通じて多文化相互理解を促し、国境を越えた社会問題解決に貢献すること。この2年間の投資を社会に還元していかれるよう、焦らず第一歩を踏み出したいと思います。その挑戦自体がとても楽しみです。

 

【あわせて読みたい】

[Japan In-depthチャンネル ニコ生公式放送リポート]【3人の女性が実践する「新しい働き方」とは】~諦めない、楽しむ、後悔しないがキーワード~

[細川珠生]【深刻化する「介護離職」問題】~女性の社会での活躍を阻害~

[渋谷真紀子]【アメリカは女性が働き易い?】 ~私が出会ったワーキングウーマンの現状と課題~

[安倍宏行]<2014年度ベストマザー賞>ママが日本を救う。少子高齢化時代に必要なこととは?

 


copyright2014-"ABE,Inc. 2014 All rights reserved.No reproduction or republication without written permission."