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.政治  投稿日:2015/2/14

[相川俊英]【「怠け者の楽園」地方議会を放置するな!】~通信簿で議員を評価する試み~


 

相川俊英(ジャーナリスト)「相川俊英の地方取材行脚録」

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評価なき世界は堕落と腐敗に塗れてしまうものだ。自律的に行動できる立派な人などそうはいないからだ。誰からもチェックされず、懸命に努力しても手抜きしても怠け放題してもそう評価が変わらないとなれば、ほとんどの人は安楽な道を進んでしまう。チェックなき状況が怠け者を増殖させるといってよい。

地方議会の世界がまさにこれで、いまや「怠け者の楽園」と化している。住民の議会・議員に対する無関心と諦め、嫌悪などがもたらしたものだ。住民が議会・議員に対するチェックを怠れば怠るほど、議会・議員の劣化は猛スピードで進む。

神奈川県相模原市に市議会議員の通信簿を独自に作成している住民グループが存在する。「相模原市議会をよくする会」(赤倉昭男代表)で、2003年からコツコツと続けている。メンバー14人が手分けして市議会の全ての本会議や常任委員会を傍聴し、議員個々の仕事ぶりを採点したうえで通信簿を作成している。4年間の議員活動の評価なので任期満了前にとりまとめ、成績を公表している。今月2日に4回目となる議員通信簿が発表された。

議員通信簿は各議員の仕事ぶりを評価するもので、政策や理念、考え方などを評価対象とはしていない。あくまでも議員活動の実態や姿勢、能力などを傍聴者の住民の視点でチェックしたものだ。不偏不党・中立を旨としており、採点者の主義主張や好き嫌いが入らないように会員同士の協議を経て点数化している。評価項目は基礎知識や予算・決算書の理解度、政策立案、質問、行政チェック度、公約達成努力、議場での態度自制、人間性、好感度など全部で20項目。各5点で100点満点となっている。今回は議員個々の合計点は明記せず、1つ星から5つ星の5段階での評価となっている。

議員通信簿には相模原市議48人の実名と顔写真、年齢や当選回数、所属会派名といった基礎情報も添付され、そこに個々の議員の成績が記入されていた。最も評価の高い5つ星は4人で、最低ランクの1つ星は2人。82歳で7期目の議員と80歳で9期目のいずれもベテラン議員だった。

通信簿には議員個々についての寸評も書かれており、読むとこれがなかなか面白い。議員にすれば何が書かれるが気になって仕方ないだろうが。代表の赤倉さんは「議員の資質向上に役立てばと思ってやっています。あくまでも市民傍聴者による評価で、行政が議員を評価したら別な結果になるかもしれません。」と語る。相模原市議会では居眠りや雑談、下品なヤジはなくなったそうだ。

議員の仕事ぶりをきちんとチェックし、問題ありと判断したら選挙での評価を下すのが、住民の権利であり、義務でもあるはずだ。「怠け者の楽園」生活を謳歌する議員先生をいつまでも放置しておく余裕など、もはやどの自治体にもないはずだ。

 

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