[磯村かのん]<集客10万人・経済効果80億円>巨大ダンスミュージック・フェス『ウルトラ』が日本初上陸
磯村かのん(ライター・通訳・起業家)
EDMとはElectronic Dance Musicの略でトランス、テクノ、ハウス、ドラムンベースなど踊れる電子音楽の総称です。元々これらは少数派の音楽でしたが、2009年にフランスのDJデヴィッド・ゲッタが、アメリカで人気のヒップホップやR&Bのアーティスト達と発表した楽曲がブレイクしたことを受けて、今や世界的に人気です。日本でも少しずつ認知度が高まってきていますが、海外に比べると遅れをとっているようです。
これらの音楽はクラブやフェスと呼ばれる音楽の祭典などで踊りながら楽しむのが一般的。2005年から毎年ベルギーで開催されている世界最大のEDMフェスである「Tomorrowland Festival(トゥモローランド)」では毎年約18万人のパーティー・ピープルが世界中から集まります。
先月、3月28、29、30日の3日間、米・フロリダ州マイアミで「Ultra Music Festival(ウルトラ)」が開催されました。このフェスでは、英・音楽情報誌「DJ Mag」で2013年のトップ DJsに輝いた HARDWELL(ハードウェル)を始めとして、世界的に有名なDJであるDavid Guetta, Tiest, Carl Coxなどが野外ステージでギグを行い、昼過ぎから23時まで8か所に設置されたステージでイベントが開かれました。
会場内はコスプレ大会のように奇抜な仮装をした人が多く見られ、観客は10代から50代と幅広く、年齢に関係なくみんなで楽しもうというほのぼのとした雰囲気が印象的でした。
メインステージはとてつもなく大きく、ライトと映像が凄い迫力!そして音楽に合わせて舞台から巨大な炎、スモーク、紙ふぶきなどが凄い勢いで噴射され、全身に電球を纏ったダンサーが登場したりなど、物凄く盛り上がりました。
ウルトラには10万人を超えるパーティー・ピープルが世界中から集まりました。2012年のウルトラ広報の統計によると、地元への直接的な経済効果は約40億円で、この時期に開催されている他のイベントなどへの間接的な経済効果は約40億円なので、合計約80億円の経済効果が毎年うまれています(註1)。日本ではEDMというと、近年摘発の多いクラブのイメージが強く、ネガティブな印象を持つ人が多いのですが、パーティー・ピープルとEDMの経済効果は侮れません。
実はウルトラはもうすぐ日本に初上陸します。今年、2014年9月27,28日には東京・お台場の特設会場で記念すべき第一回目の「Ultra Japan 2014 (ウルトラ・ジャパン)」が開催されるのです。現在確定している出演アーティストはHARDWELL。どんなフェスになるのか注目されます。
(註1)Billboard “Ultra Music Festival Wraps in Miami Amid Problems”
(参考)
- Hardwell Live @ Ultra Music Festival 2014|https://www.youtube.com/watch?v=cB0zJGnvhj4
- Ultra Music Festival Homepage|http://www.ultramusicfestival.com/home
- Ultra Japan 2014 (ウルトラ・ジャパン)|http://ultrajapan.jp/
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