<Japan In-depthニコ生公式放送リポート>女子高生CEOが震災後の日本の成長戦略を語る
Japan In-Depth編集部
Japan In-depthチャンネル 2014年6月14日(土)放送
2014年3月、震災から3年の節目に、日本と世界の減災を考えるイベント“Post quake Innovation Forum”が開かれた。仕掛人はなんと高校生が経営する株式会社グローパス。この会社は、「子供の子供による子供のための未来創造プラットフォーム」をスローガンに、2011年に3名の中学生によって立ち上げられた。大人顔負けのビジネス感覚を見せるCEO仁禮彩香さんとCOO齊藤瑠夏さん、2人の女子高生に、株式会社グローパスの活動について語ってもらった。
土曜日も学校ということで、制服で登場した二人。フレッシュな見た目からは、まさかこの二人が経営者だとは想像もつかない。しかし、一たび口を開けば、この2人がビジネスマンであることに驚かされる。
二人は湘南インターナショナルスクールという幼稚園・小学校のときからの幼なじみ。中学生の時に、自分のことを表現し、それを社会に共有したいという好奇心から、小学生時代に合気道を習った先生に相談し、先生のサポートで起業が実現した。
事業内容は三つの柱からなっている。
- 子供の思いとアイディアを大人の力を使って実現する事業
- 未来志向の学校をつくる事業
- チャレンジする大人を応援する事業
2つめの教育事業に関して、2014年に湘南インターナショナルスクールがグローパスに事業譲渡され、母校の経営を彼女たちが担うことになったというから驚きだ。
今年の3月には災害時の被害を最小限に食い止める、「減災」を考えるイベント“Post quake Innovation Forum”を開催した。仁禮さんは「日本人は日々の生活の中で地震が起きるということを概念として持っていて、日常的に防災訓練なども行っている。しかし、防災の大切さをわかっていながら完璧な対策を取れているとは言えない。まだまだできる、という想いからこのフォーラムを開いた」と語る。
たとえば、彼らがForumで紹介した「防災ガール」という団体。防災のお固いイメージを崩し、もっとカジュアルに防災を捉えようという団体だ。スクールバッグにつける可愛いストラップ型の防災グッズを作ったり、お洒落なハンカチによく見ると震災時の役立ち情報が隠れていたり、日常に防災を溶け込ませる工夫をしている。
また、「stand for mothers」というギャルママの団体では、災害時に子供を守りたいが、専門家の言葉は分かりにくいからと、ギャルママにわかる言葉で災害時の対策を書いたブックを作った。
「フォーラムを通してわかったことは、こんなにも多くの人が減災を考えて工夫しているのに、あまり知られていないということ」だと仁禮さんは述べ、日本の減災を産業にして可視化していくことが大切だと訴えた。
2015年3月に、「国連世界防災会議」が仙台で開かれる。そのタイミングに合わせて、グローパスは「世界防災ジュニア会議」を開くことを計画している。Glopath friendsと呼ばれる世界各地に散らばっている彼らの協力者の子供たちを招き、日本が東日本大震災で学んだことを世界に伝えていく予定だ。
日本だけでなく、防災基準の標準化を世界中の子供たちと一緒に考えるなど、今年3月に内閣府特命防災担当の古屋圭司大臣に渡した政策提言の内容をさらに深めていく予定だ。
彼らは20歳になったら経営の第一線から引退することを決めている。グローパスは「子供による会社」だからだ。現在、次世代を担う経営者を探している最中だという。対象は今の小学生。自分たちが引退する時にちょうど中学生になっているからだという。グローパスは新たな子供に受け継がれ、彼らとともにグローバルに成長していく。今後もJapan Indepthチャンネルは、彼らの活動に注目し、成長を追っていくつもりだ。
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