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.社会  投稿日:2014/11/27

[一色ふみ]【小学生の糖尿病、20年で10倍に!】~20代女性の低体重も。危険な食生活の乱れ~


一色ふみ(食育インストラクター/ジュニア・アスリートフードマイスター)

「一色ふみのスポーツ×フード」

執筆記事プロフィール

 

近年日本では、生活習慣病の若年化が進んでいます。特に食生活の乱れによる「肥満」の児童が増加傾向にあり、小学生の糖尿病もこの20年間で10倍に増えたというデータもあるほど、食べすぎや運動不足による子どもの生活習慣病や肥満は深刻になりつつあります。

子どものうちはまだ異常が見られなくても、その生活を続けていれば20代を過ぎた頃から糖尿病などを発症してしまう可能性は高くなります。子どもの肥満の原因の一つに、両親の食習慣の乱れや間違った認識があります。

子ども達は塾通い、親たちは仕事で忙しく、時間がないときに便利なファストフードを食事代わりにする子どもも多く、また親自身の食に対する認識の甘さが子どもの肥満を作ることもあります。

好きなものしか食べさせない、用意する側の“ラクさ”を優先して栄養を無視した食生活を子どもに強いたり、家族そろって食事をする機会の減少で子どもの食生活に親の目が行き届いていなかったり・・・自分で食事を用意できないうちは、親が子どもの食習慣を左右しています。つまり子どもの悪い食生活習慣や肥満体質を作っているのは親なのです。親にはそれだけの責任があるということを自覚しなければいけません。

一方、成人女性の過度なダイエットによる低体重も問題となっており、20代女性のうち約70%が、標準体重内であるのに「自分は太っている」と思い込んでいるというデータが出ています。

太ることへの恐怖心と痩せることへの憧れがエスカレートしすぎて過度なダイエットをする人が増加した結果、今は20代女性の5人に1人が低体重と言われています。『食べないダイエット』など間違ったダイエット法で栄養が偏り、骨粗しょう症の若年化や摂食障害も急増しています。

人間は食べることで栄養を体に取り込み生命を維持しています。表面的な満足を得るためだけに食生活をおろそかにして健康を犠牲にしてしまうようでは本末転倒です。

例え今は体に異常がなくても、食生活の乱れというのは数年後数十年後に確実に体に影響を及ぼします。肥満も低体重も食生活の乱れが主な原因です。

ダイエットを考える前に一度自分のBMIや体脂肪率を計って、本当にダイエットの必要があるかどうかよく考え、またダイエットをするときはただ体重を落とすことだけを考えるのではなく、栄養バランスは維持したままカロリー調整をするようにしましょう。

そして自分や家族の食生活を今一度振り返ってみて、数年後、数十年後の健康を見据えた食生活改善をしてみましょう。

 

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