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.社会  投稿日:2014/9/18

【甘さひかえめ、強調表示の罠】


一色ふみ(食育インストラクター/ジュニア・アスリートフードマイスター)

執筆記事プロフィール

購入してきた食品のパッケージに、『カルシウムたっぷり』『カロリーひかえめ』『無糖』など、含まれている成分の度合いが表現されていることがあります。

専門用語で「強調表示」と呼ばれるのですが、これらは食品メーカーがキャッチコピーとして自由に書けるわけではなく、実はこれらの表記をするには厚生労働省が定めた含有量基準を満たしていなければ記載できません。

例えば、『カルシウムたっぷり』と表記するには、食品100gあたり210mg以上のカルシウムを含んでいないと表記できない規定となっています。

他にも以下のような表記があります。

●含有量が高い旨を表す表記●

『高~』『~豊富』『~たっぷり」など

●含有量が低い旨を表す表記●

『低~』『~ひかえめ』『ダイエット』『ライト』『オフ』など

●含有量が無い旨を表す表記●

『無~』『ゼロ』『ノン~』『レス』など

●その成分を含む旨を表す表記●

『~入り』『~使用』『~添加』など

このような強調表示が記載されている場合は、厚生労働省で定められたそれぞれの成分の含有量基準を満たしていないと記載できません。しかし食品パッケージの表記にはトラップもあります。

【『甘さひかえめ』という表現】

厚生労働省が定めた表記に類似しているけれど実は制定外の表記がされている場合があります。『甘さひかえめ』がひとつの例です。

例えば『糖分ひかえめ』だと食品100gあたり5g以下の糖分含有量を満たしていないと表記できませんが、『甘さひかえめ』というのは成分表記ではなく味覚の表現となるので、例え糖分が多く含まれていたとしてもメーカー側の意志で自由に記載できてしまいます。

【『無糖』と『砂糖無添加』『砂糖不使用』のワナ】

『無糖』は100gあたりの糖分含有量が0.5g未満と定められており、砂糖、ショ糖、果糖などの糖分全般が0.5gを越えていないことになります。しかし『砂糖無添加』『砂糖不使用』はただ「砂糖」を使っていないだけであって、砂糖以外の「糖分」は含まれていることがあります。

また、この表記は加工の段階で砂糖を使っていなければ表記できてしまいます。

ですから、加工段階で砂糖を使用していなくても、加工前にもともと砂糖が含まれている食品を使用していたとすれば、メーカーは『砂糖無添加』『砂糖不使用』と表記できてしまいます。

このように、もしも体重コントロールやダイエットの一貫として強調表示を参考にされている場合は、記載条件の“隙間”を見抜かないと、含まれていないと思いこんでいた糖分をじつは知らぬ間にたくさん摂ってしまっているということもあります。食品に書かれている表記に皆さんもぜひ一度注目してみましょう。

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