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.JID  投稿日:2014/11/30

[Japan In-depthチャンネル ニコ生公式放送リポート]【大転換期にある朝日新聞】〜従軍慰安婦問題で進むか、社内改革〜


2014年9月24日放送

Japan In-depth 編集部(Kiso)

 

「我々はまさに歴史の大転換期にいると言っても過言ではない」

今夏の一連の、朝日新聞の従軍慰安婦報道の一部を訂正したことに関し、ゲストの古森氏は開口一番こう述べた。

朝日新聞は過去の慰安婦報道に関し、今年の8月5、6日付朝刊で、検証記事を計4ページに渡って掲載した。独自検証の結果、吉田証言の証拠が見つからず、虚偽と認定し記事を撤回したが、謝罪は一切無く、謝罪をしない方針も社長の木村伊量により明らかにされた。

しかし、後に、東京電力福島第一原子力発電所の事故に関する「吉田調書」に対する報道の誤り、そして池上氏とのコラム騒動を経て、ようやく同年9月、「吉田調書」の誤報とともに、「吉田証言」に関する誤報についても記者会見で木村社長は謝罪をする形となった。

「朝日新聞大阪本社版朝刊が1982年9月2日に初めて報じて以来、約32年間、その報道が間違っているとの報告が数々の研究者からあったものの、虚偽のものを真実として報道してきた所に問題がある。朝日新聞の報告では、関連記事の掲載は16回に及ぶとしているが、天声人語や社説など小さなコラムを含めれば、それ以上のものとなるだろう。」と古森氏は指摘。

又、「記事を英語に翻訳して世界へ発信する能力も早くから有していた朝日新聞だけあって、河野談話、国連報告書(クマラスワミ報告)などについて、世界に向けたその影響力と、それによる日本の国益の損失は計り知れない。こうした朝日新聞の報道の事実は、ジャーナリズム論、メディア論から見れば罪は大きい」と断じた。

古森氏によれば、今回の慰安婦問題に関する記事の検証で誤報とされたのは大きく以下の3つである。

1つ目は、韓国済州島などにおける200人の慰安婦狩り、日本の官憲が組織的に、国の国策として若い女性達を強制的に拉致し、慰安婦として辱めたという吉田証言が誤りであったという点。

2つ目は、当日戦況が進んで行く中で徴兵制と並び、軍需工場などで働くために国のために動員された女子挺身隊が、慰安婦と混同して報道されていたという点。

3つ目は、日本の軍が国策として強制的に慰安婦や女性に対して暴行、強姦を行ったという報道が間違いであると認めた点。

古森氏は、「忘れてはならないのは軍隊のために求められ、商業的に成り立ち、戦時下に慰安婦というものは存在していたということで、現代の道徳で言えば、考えられず悲しむべきことである。」とした上で、

「一部の軍のものが軍の規律に反し、女性に暴力を働いたという事件もあった。しかし、事実それは戦犯として戦後に裁判で裁かれている。そうした被害者や、戦中貧しい状況に置かれ、やむをえずそうした環境へ足を踏み入れなければならない人がいたということ、それ自体に政府が謝罪をするというのは当然の事だろうし、謝罪するべきだろう。」と述べた。

また、古森氏は慰安婦報道が始まったきっかけについて、「賠償面でも1965年韓国との間で条約を取り決め、それまでの戦争、植民地で起きた加害や被害は、経済援助という形で済んでいる。もちろん当時、1965年には慰安婦という報道は少しもなされておらず、こうしたことから朝日新聞が事の発端であったのではないかと言われる理由だ。」と述べ、慰安婦報道が始まったきっかけを作ったのは朝日新聞だとの考えを示した。

そして一連の騒動の締めくくりに、記者会見で木村社長は、「強制連行は無かったが強制性はあった。したがって今後も従軍慰安婦という問題は残って行く」と述べた。

このことに関し、古森氏は「経済的な理由で、慰安婦になった人がいた。ただ気をつけなければならないのは、商業的な強制性と強制連行は全く異なり、強制をする側の当事者は一体誰なのかという点だ。今まで言われ続けてきた、国が国策として軍を使い行ってきたという報道が誤報であったと朝日新聞は認めている。まさに今が歴史の大転換期にあると言っても過言ではないだろう。」と述べ、強制性という言葉の危険性について指摘した。

今後、朝日新聞は慰安婦報道について、社外の弁護士や歴史学者、ジャーナリストら有識者に依頼して、第三者委員会を新たに立ち上げ、寄せられた疑問の声を元に過去の記事の作成や訂正に至る経緯、今回の特集紙面の妥当性、そして、朝日新聞の慰安婦報道が日韓関係をはじめ、国際社会に与えた影響などについて、徹底して検証する事を宣言した。速やかな検証後、結果は紙面で掲載し、編集部門を中心とする抜本改革がひと段落し、おおよその道筋をつけた上で、社長自身の進退について決断するという。

こうした検証は、新聞業界のみならずジャーナリズム全体の信頼性に影響を少なからず与えており、今後の朝日新聞の改革から目が離せないだろう。

(注:この番組は2014年9月24日に放送されたものです)

 

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