【自民党地方県連の体たらくぶりに唖然】〜統一地方選は自民党崩壊の序章?〜
山田厚俊(ジャーナリスト)
「山田厚俊の永田町ミザルイワザルキカザル」
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4月の統一地方選をまえに、自民党の地方県連のごたごたぶりが聞こえ始めてきた。 2月21日の福岡県連年次大会では、県議立候補予定者の推薦を巡り、執行部方針に納得しなかった地域支部の幹部らが壇上の執行部に詰め寄ってもみ合いになり、警察官が駆け付ける騒ぎとなった。 さすがに警察沙汰になれば、地方版といえども新聞に載る“事件”だ。自民党本部では、頭を抱えている。
しかし、これだけではない。埼玉県連内でも不満の声が漏れ伝わってきた。関係者はこう怒りをぶちまける。 「ある県議が公募の締め切り後、急に引退を言い出し、自分の息子の市議を後継で出馬させようと画策したのです。手続き上の瑕疵があることは明白です。」
時系列で説明すると、2月5日夜、当選6回の県議は県連幹部の下を訪ねた。 「急で申し訳ないが、次の県議選の出馬は取り止めたい。ついては、後継で私の息子を出馬させたいので、推薦を頼みます。」 「そうか。でも、手続きは重要だからな。支部でちゃんと同意を取ってくれよ。」 「分かりました。」 こんなやり取りがあったようだ。
支部とは、県連の下にある地域の組織。選挙区ごとに設置されているものだ。 それから5日後の10日、支部の幹部を集めた臨時総会が開かれ、県議の引退と息子の推薦を認めるよう決議が行われた。
これに驚いたのは、一部の幹部たちだ。その一人はこう語る。 「他の市議のなかには、県議に出たい人もいる。これまで、さまざまな手続きを踏んでも推薦をもらえなかった者もいる。それが、実力者の息子だというだけで、さまざまな手続きを越えてカンタンに決まるのは、納得がいきません。」
本来、2月中旬に決まるはずだったこの選挙区からの推薦候補は未だ決まっていない。地方の首長選で連敗続きの自民党だが、こうして中身を垣間見れば、公私混同の体たらくぶりが浮かび上がり、勝てるわけがないのも納得だ。盛り上がりに欠ける地方選と言われてきたが、案外、自民党の崩壊ぶりが見えるスリリングな選挙戦となるかもしれない。