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.社会  投稿日:2016/5/5

「日本の未来を語る」トップランナー対談 がんノートプロデューサー岸田徹氏

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 Japan In-depth 編集部

今回の対談のゲストはがんノートを主催している岸田徹氏。がんノートとは、がん経験者のがん経験者によるがん経験者のための「生のインタビュー型情報発信番組」のこと。

岸田氏自身25歳と昨年27歳の時に胎児性がんという希少ながんを患う。がんにおける情報を患者側からもっと発信をしていかなければならないという思いから今の活動に至る。

今迄ありそうでなかったこのような活動をなぜやろうと思ったのか?という難波氏の質問に対し、岸田氏は「自分自身が(がんに関する)一歩踏み込んだセンシティブな情報が今の世の中にはないと感じた。例えば家族への告知の方法、お金がいくらかかったのか、妊娠結婚出産をどうしたらいいのかなどがん患者特有の悩みに関する情報が全くない。がんノートでは経験者の情報、『今闘病中のあなたに』というコンセプトをもとに活動している。実際にゲストのがん患者にインタビューをし、辛かった時の対処法などをインターネットの生放送で放送し、全国のがん患者の人たちにそれを見てもらいちょっとでも前向きになってもらえたら」と述べた。

難波氏自身も子宮頸がんを経験。がんはセンシティブな病気。がんは経験者の声を共有しづらい世の中だと感じた。

色々ながん患者やその家族とコミュニケーションを行う中で感じている今の課題は?という難波氏の質問に対し、岸田氏は「がん教育のこと。今、がんの教育は小学校、中学校の保健体育の授業で取り組まれるようになった。がんの知識の正しい知識が無いとインターネットで調べることが多いが、情報が溢れすぎていてどれが正しい情報なのか、メディアによるミスリードもある。情報の整理を、政策を通して行って欲しいなとすごく感じている」と述べた。

それに対し難波氏は、「がんになった時にどうするか、もっと早く知っていればと感じる情報もある。今の教育の体制、教育の内容を整えるのも勿論だが、社会に対する啓発も必要。がんになってもその後の人生を生きて行かなければならない。その時に社会がどう受け入れるか、どのようにがん患者と共生していくのか。物理的な治療に費やさなければならない時間や費用は勿論、正しい情報を得ていれば、あたりまえに一緒に仕事をすることはできる」と主張した。

がん患者の就労に対する課題は?という質問に対して、岸田氏は「一つは、若い世代が就職活動を行う際、がんを隠すべきなのか話すべきなのかどうか。その時どうしたらいいのか。又、仕事をしている世代ががんになって休職し、復職したときの働き方、その時どうやっていけばいいかなどのガイドラインをサポートしていただければ有難い。」と述べた。

また、岸田氏は「(がん経験者の)年収が下がるところのサポートも期待したい。(難波氏は)若さだったり、がん経験者として僕らの世代の言葉を代弁してくれる人。人目を気にせず言いたいことをズバズバ言ってほしい」と期待感を示した。

 


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