[安倍宏行]都知事選挙の投票率に注目!〜今回は投票に行かねばならない2つの理由。
Japan In-Depth編集長
安倍宏行(ジャーナリスト)
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いよいよ本日(2014年2月9日)都知事選の投票日だ。もう結果は分かっているかのような風説もあるが、雪も止んだ。にもかかわらず、午前中の投票率が大幅に落ち込んでいる、と報じられている。都民は是非投票に行き、史上最低の投票率かもと揶揄されている現状を打破してもらいたい。
私が投票率にこだわる理由は以下の通りだ。
- 東京を安全・安心で、住みやすく、魅力的な街にすることを都民がしっかりコミットするのに重要な選挙だと思うから。
- ようやく始まったインターネット選挙活動を更に加速していくのに重要な選挙だと思うから。
まず第一の理由だが、新知事は、2020年に向け、東京を世界一災害に強く、省エネ型の都市にする責務があると思う。それが多くの都民の望みでもあろう。更に、人にやさしい街、相互に助け合うコミュニティーのある街が理想だろう。首都直下大地震が発生したら、昨夜の大雪どころではない。多くの命が失われ、電気、ガス、水道、下水道、食糧供給、あらゆるものが1週間以上完全ストップする可能性だってある。
強いリーダーシップと政府と連動したシームレスな政策運営が必要不可欠だ。こうした東京が直面している課題を一人一人の都民が自覚して投票に行くということは、東京を魅力的で人にやさしい都市にすることにつながると私は思う。誰が知事になってもいい、と自分の住んでいる街の環境に無自覚、無責任な態度の人が多い街が、魅力的な街になるわけがない。
東日本大震災で日本人は学んだはずである。公助、共助、近所の大切さを。それを思い起こせば、誰が知事になったって同じさ、などとうそぶけないはずだ。私達一人一人には、護るべき人がいる。投票に行くこととは、イコール、自分が東京都政にコミットすることでもある。
次に第二の理由。今回35歳とダントツに若い候補が出馬したことで、インターネットをフルに活用した選挙運動に注目が集まったことはいいことだ。これまで全く関心を持たなかったが今回初めて選挙に興味を持ったという人にも多く遭遇した。政策をネットで募集し、それを自らの公約にしたり、運動資金をクラウドファンディングで集めたりした。多くの若者がボランティアで活動を支えた。この流れを頓挫させてはダメだ。若者の投票率を上げ、若者も都政についてちゃんと考え、ちゃんと行動していることを多くの人に見せつけなければならない。
来年は統一地方選もある。基礎自治体は二元代表制である。議会に多くの若者が進出することは、既得権益を護ろうとする勢力に対抗する上で極めて重要だ。自分たちが住む町の政治をどのように変えて行くのか、若者が考えるきっかけになったのが今回の都知事選だと思う。仮に今回自分が支持する候補が落選しようと、落胆して政治から離れてしまっては元も子もない。この流れをしっかり支え、より進化させていくことが必要だと思う。
若者の政治への関心の高さと覚悟を社会に知らしめることが今回ほど重要な選挙は無い。既成政党や若者が望む政治を無視する層に見せつけてやろうじゃないか。
だから、みんな選挙に行こう!自分たちの住む街を良くしよう。その為に僕らは投票するんだ。
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