無料会員募集中
.政治  投稿日:2017/6/6

ワーママ、激戦区に挑む! 都議選品川選挙区


安倍宏行(Japan In-depth 編集長・ジャーナリスト

「編集長の眼」

東京都議選まで1か月を切った。品川区から都民ファーストの会候補として出馬するのは森澤恭子氏。4歳と6歳の子育てをしながら、現在は勤めている民間企業を休職して挑戦する森澤氏に、今回立候補をするに至った経緯と思いについて聞いた。

 

Q 政治を志した原点はなんですか?

A それは、2000年、大学生の時でした。当時、太田房江氏が大阪府知事に当選したのですが、ニュースで「女性初の知事誕生」と言ってたんですね。それを聞いて、「この時代に及んで、女性が(自治体の)トップになったことがない」ことに衝撃を受けたのがきっかけですね。

女性の国会議員も少なく、世の中の半分は女性なのに、子育てや教育など、女性の声が政策に反映されない部分が大きいのでは、と疑問を抱くようになって、女性議員を増やす活動などに参加するようになったのです。

 

Q 実際に立候補を志すにはいろいろな迷いがあったのでは?

A 夫の海外留学転職で、大手デベロッパー広報の職を辞めて、専業主婦になりました。帰国後ベンチャーに就職したのですが、子供を抱えながらの再就職の難しさを肌で感じました。「子育て世代」や「働く女性」など、当事者の視点が政治に反映されたらもっと良い社会になるのでは、と痛切に感じ、小池都知事の希望の塾で学び、決断したんです。

それはいろいろ悩みましたよ。でも、最終的に「政治に関心があってやってみたい!」と思った人が挑戦しない限り、世の中は変わらないって思い、自分がやらなきゃ、と思ったんです。

 

Q 今はベンチャーにいらっしゃるんですよね?

A はい、休職という形で。やはり、民間企業で培った視点や経験が、政治の世界で生かされるのではないか、と思ったんです。なかなか会社員が政治の世界に飛び込むことは難しいですよね。私のように休職して挑戦している候補者がいます。このように女性が挑戦でき、多様な働き方をすることで、政治を変えられるのでは、と思いました。

 

Q 東京大改革について具体的にどのような政策を進めていきますか?特に子育て支援については?

多様な働き方に合わせた保育園のサービスを提供していかなければならないと思います。まずは保育園の入園を求めている人達のニーズを調査し把握すること。また、施設などのハード面だけでなく、ベビーシッターや保育ママなど、小規模なスペースで行える保育の支援病児保育も充実させていかなければならないと思います。フルタイムの人ばかりではないですから、シッターの補助のような政策も必要だと思います。後は病児保育ですね。いつ熱が出るか、世のママはドキドキしながら仕事をしているんです。また病児保育代も結構高かったりするのでそれも課題です。そういう声を政治に反映さえるのが議員の役割かと思います。

 JB170606abe02

Q 高齢者対策はどうですか?

A 介護で離職する人が身近でもいます。昨年の都知事選の時に小池都知事が、「保育施設と高齢者施設が一緒でもいいのではないか」と提言をしていたが、そういった混合型というか、新しい形で、世代間交流できる施設は、お互いに刺激があっていいと思います。

 

Q 教育改革についてのお考えは?

A 品川区は小中一貫校の教育改革を進めています。まずは公教育の「質」を高め、教育格差が生まれないようにすることが重要だと思います。経済的な理由で満足に教育を受けられない子供たちがいることも現状としてありますが、例えば大学生などが子供たちに補講してあげるなど、民間の知恵を出し合って改善していきたいです。

やはり、みんなで子育てをするという視点が大事だと思うんです。専業主婦の方も24時間子育てで孤立し、悩んでる人もいると思うんです。私は週末日曜の朝、ヨガ教室などを講師を招いて開催しているんですけど、そういった場で仲間が出来てネットワークが広がれば、元気が出てきますよね。そうしたら、もう一人産みたい、という気持ちも出てくるのではないでしょうか。

 

Q 首都東京の防災についてはどう思われますか?

A 多くの住民を巻き込んで発信していくことが大事だと感じています。防災訓練もそうです。マンションなどでやっても参加する人が少なかったりしますよね?また、水など備蓄している家庭も少ないと思います。定期的なイベントなど開催し、地域を巻き込んで防災意識を高める努力が必要です。

 

Q 羽田の騒音問題は?

A 安全・防音対策などはしっかりやっていく必要があると思います。  

 

Q 豊洲移転問題については?

A 安全性や持続可能性を含め総合的に判断するという知事の立場を尊重したいです。

 

品川選挙区からの立候補者は以下の通り:

阿部祐美子(52)新・(あべゆみこ)民進党公認

澤田洋和(36)新・(さわだひろかず)自由民主党公認

田中豪(54)現・(たなかたけし)自由民主党公認

伊藤興一(56)現・(いとうこういち)公明党公認

山内晃(49)現・(やまうちあきら)都民ファーストの会公認

白石民男(35)現・(しらいしたみお)日本共産党公認

森澤恭子(38)新・(もりさわきょうこ)都民ファーストの会公認

(2017年6月5日都内にてインタビュー)

トップ画像:©Japan In-depth 編集部

文中画像:©Japan In-depth 編集部


この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員

1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。

1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。

1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。

2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。

安倍宏行

copyright2014-"ABE,Inc. 2014 All rights reserved.No reproduction or republication without written permission."