無料会員募集中
.政治  投稿日:2017/11/19

来年の通常国会が勝負 希望の党渡辺周氏


「細川珠生のモーニングトーク」2017年11月11日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth 編集部(大川聖)

【まとめ】

・希望の党は、現実的な外交安保政策を展開、内政では国民の知る権利や透明性に注力。来年通常国会が勝負。

・北朝鮮情勢については、トランプ大統領のアジア歴訪を踏まえ政府の姿勢を質していく。

・拉致問題は歴史の一コマで終わらせないために世界各国に知らしめることが必要。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明・出典のみが残っていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=37153のサイトで記事をお読みください。】

 

 

トランプ大統領の訪日を終え、11月10日希望の党は玉木雄一郎氏を共同代表として選出した。今後の希望の党の戦略について政治ジャーナリストの細川珠生氏が衆議院議員で希望の党、外交・安全保障調査会長の渡辺周氏に話をきいた。

 

■総選挙の反省とこれから

細川氏は、総選挙の時は民進党から希望の党に移った経緯について質問した。

これに対し渡辺氏は「民進党の当時の代表である前原氏のもとで手続きを踏んで、党の幹部会を経て、両院議員総会で正式に決めた手続きの上での合流であり後悔もない。むしろダイナミックな新しい政治勢力を作るための挑戦だった。」と答えた。

一方、「立憲民主党が出来たこともあって、希望の党の政策を訴える前に一連の民進党の合流のプロセスや政策協定の解釈等の説明に終始した。全体的に苦戦した一つの要因だった」との考えを示した。

また、細川氏は「新しい政党で新しい理念でやっていくのは野党再編につながっていくものであると思うか。」と質問した。

渡辺氏は「旧民進党は、旧社会党から維新やみんなの党も最後は含めて多様な政策を抱える政党だった。それだけに民進党は誰が言っていることが主流なのかわかりにくいと指摘されていた。

希望の党は、基本的には、外交安全保障の政策で今の危機の現状を認識したうえで現実的な政策をとり、法律の改正も必要ならやる。ただ内政においては、国民の知る権利、透明性に関しては今の政権与党より一歩先を進む。

内政の違いで勝負はするが、外交安保は政権交代しても大きく変わらないという理想の野党像、もう一つの選択肢を作る。

野党第二党である希望の党は、現実的な外交安保政策を軸に、但し国内政策では改革を前面に出すという政治勢力をしっかり作る。この国会というよりは来年からの通常国会が勝負だと思っているのでそこに向けて弾込めをしたい。」と答えた。

 

■特別国会の見通し

細川氏は「実質10日の特別国会の審議における重要なテーマは」と質問した。

渡辺氏は「今回は、安倍首相による国難突破解散である。今鳴りを潜めている北朝鮮は今後どういう出方をするのか。中国は習近平体制が強まる中で、台湾や南シナ海の問題を抱えつつ、どう接していくか。北朝鮮の問題に対して足並みを揃える中で、アメリカと日本で立ち位置は違うが、日本は中国にどう対応するか。

また、対韓国は、北朝鮮の問題で、日米韓でまとまって向かい合わなければならないのに、トランプ大統領訪韓の際の状況をみると、実は足並みを揃えたくないのではないかというのが見え隠れする。それは、来年2月に開催される平昌五輪を何とか成功させるため、アメリカとはうまく関係を結びながらも、北朝鮮に人道支援で9億円ものお金を出す、というダブルスタンダード。一方、日本とも国内世論を考えればあまり妥協したくない。」と指摘した。

「それぞれ複雑な事情を抱えている国々がある中で、勿論対北朝鮮を含め国難を安倍首相はどのように突破するのか。特にトランプ大統領のアジア歴訪を受けて日本政府はどうするのかということをまず当面、国会で正したい。」と述べた。

 

拉致問題

渡辺氏は「かつてブッシュ元大統領も拉致家族に会ってリップサービスした直後に(北朝鮮を)テロ指定国家から解除し、リップサービスで終わってしまった。本当にアメリカとこの問題を共有してもらえるのか。」と疑問を呈した。

一方、トランプ大統領も訪日前に“Remember Pearl Harbor”とツイートした。渡辺氏は「アメリカ、トランプ政権との間合いを安倍首相はどう考えているのかというのも国会で正したい。」と述べた。

細川氏は「今回トランプ大統領は(拉致問題に対し)非常に心を痛めたという報道はあったが、やはりアメリカ頼みではなく日本が主体的に拉致問題を解決するための努力をしていくべきか」と質問した。

渡辺氏は「北朝鮮が非人道的行為をいかにやってきたかということを北朝鮮と国交のあるすべての国に対して(知らせる)。拉致問題を歴史の一コマに終わらせないように解決をする。併せて北朝鮮が民主的な国家になれば、そういった見返りも含め訴えていく。」と答えた。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2017年11月11日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ  http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ画像:ⓒJapan In-depth 編集部


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

copyright2014-"ABE,Inc. 2014 All rights reserved.No reproduction or republication without written permission."