.国際  投稿日:2018/3/11

仏、「性交同意年齢」下限を15歳に

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Ulala(ライター・ブロガー)

フランス Ulala の視点」

【まとめ】

・仏「性交同意年齢」の下限を15歳に設定、今後施行される見通し。

・米国の「#MeAt14(14の時の自分)」の流れも影響か。

日本の「性交同意年齢」は13歳。再検討していくべき。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ記載されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=38858で記事をお読みください。】 

 

昨年11月に、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、性暴力の防止に向けた法案の一環として、「性交同意年齢」の下限を15歳にする方針を宣言していたが、3月8日の国際女性デーに合わせてその宣言が今後数週間のうちに施行される見通しであることが公表された。

現在フランスでは、同意の有無に関わらず強姦罪が適用される年齢である「性交同意年齢」は設定されておらず、現行法では、15歳未満の子どもと年長者との間で性行為があった場合でも、年長者が強要したことが立証された場合のみ罪が成立するとされていた。

しかしながら、同じく昨年11月に、11歳の少女を強姦した罪に問われた30歳の男性が「束縛や脅し、暴力、不意打ち」の形跡はなかったとして無罪になったという事件がフランス全体に大きな衝撃を与えたことを機に、「性交同意年齢」の設定の設定を求める声が強まっていたのだ。

フランスで法的に結婚や性行為の同意能力があるとみなされる年齢は15歳だが、15歳未満に対するレイプの罪で容疑者を起訴するには、容疑者が被害者を襲い、脅迫や拘束、被害者の意図しない体を押し付ける行為があったと証明する必要がある。

しかし、事件の男は、性行為は合意の上で行われたものだと強調。また、少女は「大胆な」子で自分の裸の画像をインターネット経由で送っていた事実を元に、この事件については、男と少女の間に同意がなかったと判断する証拠は不十分とされたのだ。

フランスは、「子供も大人として考える」的な慣習があったせいか、子供であるために未熟な発想をするという視点が欠けている気がしてならない。11歳の少女が裸の写真を送るという意味と結果に対する理解度が大人とは同等ではなく、子供が子供であり、未熟な故行ってしまうと言う点がこの事件でも考慮に入ってないように見えるのだ。

ちなみに、昨年の11月と言えば、米国でもソーシャルメディアで「#MeAt14(14の時の自分)」というハッシュタグと共に、自分が14歳だった時の写真を大勢が投稿していた時期でもある。

米国では州によって性行為の同意年齢の下限が16歳から18歳とバラバラだが、ニュースの司会者が14歳でも同意の上の性行為はあり得ると発言したことから、多数の人が反発してソーシャルメディアで抗議行動に出た。

「#MeAt14」の動きは、米紙ワシントン・ポストが、アラバマ州の上院補選で共和党候補のロイ・ムーア判事について、女性4人が実名で、それぞれ10代のころに当時30代でアラバマ州の副地方検事だったムーア判事に、性的に体を触られたと訴える記事を掲載したのを機に始まった。名乗り出た女性の一人は、当時14歳だったと話している。

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▲写真 ロイ・ムーア判事 photo by BibleWizard

そのため、14歳の子供がどうやって性行為にまともに同意できるほど精神的に成熟していると思えるのかを問いただすために、ツイッターでは「#MeAt14」のハッシュタグと共に10代前半のころの自分の写真を投稿する人が相次いだのだ。

14歳の時の写真を投稿したキャサリン・ローソンさんは、「これは受け入れられる話なんだと言おうとしても、そんなことはあり得ないんだと言うために、自分が14歳の時の写真を共有しました。10代の子供は大人の男性との関係に、決して同意などできません。法的な同意年齢の問題ではなくて、私たちは子供を守らなくてはならないんだという社会の共有価値観の確認なのです」と言う。

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▲写真 キャサリン・ローソンさん 出典:Catherine R L Lawson

▲キャサリン・ローソンさん twitter

こうした米国の流れも影響しているかもしれない。フランスでは「性交同意年齢」については、当初13歳か15歳のどちらにするのかが議論されていた。最終的には、青年時代の脳の成熟に関する国際的な研究で、特に15歳未満で受けた性的傷害による深い痕は生涯に永続的な影響を及ぼすという専門家の意見や、市民の意見を元に15歳と結論づけられたのだ。

ところで、日本にはすでに「性交同意年齢」があるが、年齢はいくつに設定されているのだろう。なんと日本は13歳である。「性交同意年齢」は、強姦罪について定める刑法177条の「暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする」という条文からきているようだ。

強姦した男性が「本人が同意していた」と言い訳するのを封じるためのもので、現在まである一定の子供への性的暴行を抑制する効果があったとは考えられるが、しかしながら果たして13歳という年齢自体は適切であろうか?

先日、新潟・糸魚川の乳児殺害の事件の公判が行われ、生まれたばかりの実子を殺害したとして殺人罪などに問われ、女性に懲役4年の実刑判決を言い渡された。がしかし、女性は中学生であった13歳から義父に関係を迫られ、15歳で妊娠させられ、殺害を強要された上起こった事件でもあったのだ。こういった事件を考えたときに、13歳の中学生が、行為の強要を拒んだり、逃げるために何かの行動を起こすことができただろうかと考えさせられる。

「性交同意年齢」が存在することは大切だが、あるだけでは不十分である。体の成長や働きもまだ大人にはなりきっていない思春期の中学生がちゃんとした判断ができるのだろうか?下限の年齢についても慎重に検討する必要があるのは明白だ。現在、世界のあちこちで同じような動きが出てきている今だからこそ、日本も行動を起こし、再検討していくべきではなのではないだろうかと思わずにはいられない。

トップ画像:パリの少女たち flickr photo by Kelly Kline

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この記事を書いた人
Ulalaライター・ブロガー

日本では大手メーカーでエンジニアとして勤務後、フランスに渡り、パリでWEB関係でプログラマー、システム管理者として勤務。現在は二人の子育ての傍ら、ブログの運営、ライターとして活動中。ほとんど日本人がいない町で、フランス人社会にどっぷり入って生活している体験をふまえたフランスの生活、子育て、教育に関することを中心に書いてます。

Ulala

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