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.社会  投稿日:2018/12/4

テロを許さない安全な街づくり


Japan In-depth編集部大川聖

【まとめ】

・六本木ヒルズで「国際テロ対処合同訓練」が実施。

・官民の連携を強化し国際テロに備える。

・東京2020やラグビーW杯開催を控えテロ対処能力の向上が重要。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=43101でお読みください。】

 

東京オリンピック・パラリンピック開催まで後2年を切った。テロに対する準備は万全なのか、関心が集まっている。そうした中、官民が協力してテロに備える取り組みが開催された。

森ビル株式会社が、警視庁麻布警察署と連携し、12月3日に行った「国際テロ対処合同訓練」がそれである。東京都港区にある商業施設、六本木ヒルズアリーナにて実施された。官民一体となって「テロを許さない安全な街づくり」を推進することが目的である。森ビル株式会社他警視庁麻布警察署、警備第二課、第六機動隊(銃器対策部隊)、NBCテロ捜査隊、麻布警察署パートナーシップ団体、麻布消防署、東京メトロの関係者約150名が参加した。

訓練は2件のテロを想定し行われた。まず訓練1では、刃物所持のテロリストが六本木ヒルズ内に侵入したという事件を想定。六本木駅で東京メトロ職員が不審者を発見。職員の連絡を受けた六本木ヒルズ警備員が、110番通報し、到着した麻布署員が不審者に職務質問を実施。その後、麻布署員が犯人の制圧検挙を行った。

▲写真1 不審者は警察署員から職務質問されるが、バッグの中身を見せるのを拒否。©Japan In-depth編集部

▲写真2 刃物を所持した不審者と対処する警察署員。©Japan In-depth編集部

▲写真3 警察署員によって犯人制圧検挙。©Japan In-depth編集部

▲写真4 ©Japan In-depth編集部

次に訓練2では、けん銃を所持したテロリストが人質を取り、ビル内に立て籠もる事件が発生したという想定で行われた。麻布署員がテロリストを包囲し、臨場した機動隊の銃器対策部隊が被疑者を制圧。その後、テロリストが放置した不審物(塩素ガス)の除去をテロ対策専門部隊が行った。

▲写真5 被疑者はけん銃を所持。人質をとっている。©Japan In-depth編集部

▲写真6 機動隊の銃器対策部隊が被疑者を包囲。©Japan In-depth編集部

▲写真7 怪我をした人質を救護。©Japan In-depth編集部

▲写真8 テロリストが放置した不審物を除去するテロ対応専門部隊。©Japan In-depth編集部

▲写真9 不審物が撒かれた箇所を除染。©Japan In-depth編集部

▲写真10 不審物除去後、対処した隊員も除染。©Japan In-depth編集部

森ビル株式会社副社長執行役員の森浩正氏は「日本は、(来年9月)ラグビーW杯2019日本大会、2020年には東京2020オリンピックパラリンピックといった大規模な競技大会の開催が予定されている。また、訪日外国人数も増加傾向にある。テロが起こらなければ一番いいが、もし起きたときの備えが必要である」と述べた。

世界各国ではテロが相次いで発生しており、日本でもいつ起きてもおかしくない。今回は訓練であったため単独犯だったが、組織的な犯行で多くの人が巻き込まれることも十分考え得る。人が集まる商業施設や駅で起きる国際テロに対処できるよう、官民一体となって合同訓練等を通して、実践的に備えることが重要だ。また、私たちも普段から不審物などに注意を払うなど、最低限の警戒心を持っておくことも必要であろう。社会全体で安全な環境を作る、という意識を共有していきたい。

トップ画像:©Japan In-depth編集部


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