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.政治  投稿日:2019/7/26

「日韓関係は八方ふさがり」東洋大学国際学部教授横江公美教授


「細川珠生のモーニングトーク」2019年7月20日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth編集部(髙橋十詠)

 

【まとめ】

・冷戦、ポスト冷戦の時代は終わったとの認識で安全保障を考える時代に。

・日本の外交は八方ふさがり。難しい舵取りとなる。

・甘い言葉にはのらず、現実を知らせてくれるのはどこかという視点を持ち選挙に臨むこと。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=47064でお読みください。】

 

7月20日、いよいよ参議院選挙投票日前日となった。今回のゲストは、東洋大学国際学部・グローバルイノベーション学科教授の、横江公美氏。現在の日本の外交問題について、選挙にあたりどのように考えたら良いか、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。

 

まず、細川氏は米国との関係について、トランプ大統領が就任以来、日米安保が不公平だという発言を続けていることに触れ、米国大統領がこのような発信をすることに対して考えを聞いた。

 

横江氏は、日米に限らず「米国に頼りすぎているのではないかという発言は、オバマ大統領のときから始まってる。冷戦も終わり、ポスト冷戦の時代も終わったのだという認識をして、安全保障を考える時代に入った。」と述べ、今までとは違う同盟関係に入ったというメッセージを受け取るべきだとの考えを示した。

 

続けて細川氏は、この発言を通じ日本は米国と今後どのような同盟関係を築いていくべきか聞いた。横江氏は、武器を先端技術で製造できる国を挙げると米、露、中の3つの国であり、トータル的にどこと友好関係を築くべきか考えたときに出る結論は、やはり米国になってしまうと述べ、「そのとき、日本が同盟関係を結んでいることが米国にとっても利益がある、日本というのは必要な存在だということを見せて行かなければならない。」と述べ、チームとして居ることが重要だった冷戦時代とは大きく状況が異なるとの考えを示した。

 

また、細川氏は、日本が有志連合の説明会にも参加予定であり、緊張が高まっているホルムズ海峡への対応について聞いた。

 

これに対し横江氏は、ホルムズ海峡を一番必要としている国はどこかというと日本と中国と述べ、米国は今石油産出国だから、手を引く可能性があると指摘した。このことから横江氏は、(米国が)守ってくれる、それがアメリカの海洋戦略だ、と思い続けることは危険ではないか。」と述べた。

 


▲写真 ©︎Japan In-depth編集部

さらに日本と韓国との関係について細川氏は、半導体等の輸出規制による日本経済へのダメージや、徴用工訴訟、竹島問題など、様々な問題に対する改善策について聞いた。

 

横江氏は、現在の日韓関係は「八方ふさがり」で「本当に難しい状況」だと述べた。これを打開するとなると、日本としては歴史問題をある程度韓国に引いてもらわなければならず、そのため今回安全保障を理由に経済制裁を課した、と説明した。

 

しかし、それで韓国が引かなかったらどうするのかという懸念があるという。今までは米国が仲裁に入るケースもあったが、現在のトランプ政権はやらないと決めてるようだ。横江氏は、「韓国も今までの中で1番歴史に厳しい大統領だということを考えると、今は一定期間動かないこと前提に、長い目でみておいた方が良い。」と述べた。

 

細川氏はロシアとの北方領土問題についても触れ、進展がなくむしろ後退しているように見えると指摘した。細川氏は、「そう考えると、本当に色々な課題が今日本にはあって、難しい舵取りをしていかなければならない。と述べた。

 

最後に細川氏は、選挙に臨む上で「これだけは外さないで」という観点は何か聞いた。

 

これに対し横江氏は、以下の2点を挙げた。

 

①甘い言葉にはのらないこと。

②シナリオシミュレーションをすること。

 

「自分がその大統領だったらどう行動するだろうか」とシナリオをシミュレーションをすることで、自分の中の感覚、センスを磨くことができるという。あとは、どういう方向に行けば良いか、現実を1番知らせてくれるのはどこだろうか、という視点が必要だと述べた。

 

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2019年7月20日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真:©︎Japan In-depth編集部

 


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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