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.経済  投稿日:2013/10/6

[安倍宏行]おい、ATM手数料値上げだってよ!


Japan In-Depth編集長

安倍宏行(ジャーナリスト)

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三菱東京UFJ銀行から「ATMサービスおよび手数料等改定のお知らせ」と「スーパー普通預金(メインバンク プラス)改定のお知らせ」が届いた。

従来8:45~18:00まで無料だった同行ATM利用手数料が、土・日・祝日含め毎日21:00まで無料となる。それだけ聞けば「いいね!」となるが、良く読むと、コンビニATMで下すことが多い人には負担増となることがわかる。平成25年12月20日から適用される今回の改定は、平日8:45~18:00の間、無料だった提携先コンビニATMの利用手数料が、105円になる。それ以外の時間帯は、105円だったものが210円と倍に。タダが105円になるのも凄いが、時間帯によって倍の手数料を取るというのも、びっくりだ。他の業界でこんな事がまかり通るだろうか?

「すいません、来月から手数料倍にします。よろしく!」って業界、他にありますか?あったら教えてほしい。
メガバンクの駅前支店はただでさえ統廃合で数が減り気味。いきおい私達は、毎日立ち寄るコンビニで下すことが多いのだが、それも考え直さなければならないだろう。

おや、ちょっと待てよ・・・?メガバンクって手数料上げなければいけないほど収益悪いんだっけ・・・?
思い起こせば、2013年3月期の 三菱UFJ、三井住友、みずほの連結最終利益。たしか7年ぶりに3社合計で2兆円の大台を超える好決算だったはず。年度前半に長期金利が低下したため債券価格が上昇し、国債売却益が増えたことと、12年秋以降、株価が上昇に転じたことがその要因だ。しかし、実体はそう甘くないようだ。今後国債売買益の減少が見込まれる事や、国内企業の設備投資がそう簡単に伸びない事により、メガバンクの収益は伸び悩むことが予想される。もしくは減益となる可能性も否定できない。

でもそれは、これまでの収益構造を変えてこなかった「つけ」ではないか?企業が国内に投資しないのなら、投資できるようなアドバイスを積極的に行い、将来の収益の種を播く事をしてこなかったせいではないか?とあるメガバンクのトップはある時私にこう言った。「銀行はもはや(産業を育てる)目利きの力を失った。直接金融が増えた今、銀行がその企業の将来性を評価する情報がそもそも校内にはない、と言い切った。しかしだからといって、手っ取り早く収益を改善する為に、個人のATM利用手数料の引き上げを考えたとしたら、それはあまりにも安易であり、メガバンクの収益構造を抜本的に変えることにはつながらない事は言うまでも無い事であろう。

私達ユーザーが出来る事は、自分がお金を預けいてるメガバンクのサービスを良く
知った上で、

①時間外取引やコンビニATM利用による負担増を極力減らす。
②どの銀行が最もサービスが良いか見極め、必要とあれば預金を他行に移動させるか、口座を分散させる。
③自分の資産を預貯金にしておくだけでいいのかどうか、ポートフォリオ(資産構成)を見直す。

などが必要だろう。

おりしも今、金融機関による、NISA(日本版少額投資非課税制度)の勧誘合戦が激化している。個人投資家を増やそうという政府の目論見が背景にあるわけだが、それに乗るか乗らいないかは個人の判断として、大切な自分の資産をどう守り、どう増やしていけばいいのか。預貯金のままでいいのか、株や債券への投資を考えた方がいいのか、外貨預金はどうなのか、住宅ローンを見直した方がいいのかどうか、などなど、幅広く考える時期に来ている。そんな事を考えさせられる、「ATM手数料の改定のお知らせ」ではあった。

タグ安倍宏行

この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員

1955年東京生まれ。ジャーナリスト、産業能率大学客員教授。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。


1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。


1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。


2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。

安倍宏行

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