無料会員募集中
.政治  投稿日:2020/9/23

「最低でも野党第二党目指す」日本維新の会足立康史衆議院議員


細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生モーニングトーク」2020年9月19日放送

Japan In-depth編集部(坪井恵莉)

【まとめ】

・新型コロナ、感染症法の分類見直しと新型インフル等特措法の改正を。

大阪都構想、公明党と自民党の一部からの支持も獲得。

・将来的には自民党と日本維新の会の二大政党制を目指す。

 

今回はゲストに衆議院議員で日本維新の会幹事長代理足立康史氏を招いた。菅政権に対する評価や2度目の住民投票が決まった「大阪都構想」、そして日本維新の会が目指す将来像について政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。

 

■ 菅新政権誕生について

細川氏は、安倍前首相の辞任表明から菅内閣発足までのプロセスについて足立氏の意見を聞いた。

足立氏は「7年に渡る安倍政権を高く評価している」と前置きし、今回の辞任表明も「(安倍)一次政権の時の辞め方を繰り返さないようによく考えたオペレーションだった」と評価した。後任についても「菅さん一択だった」と述べ、今後行われる総選挙を経て菅内閣は正統性を得ていくだろうとの見方を示した。

菅政権に託された喫緊の課題は、コロナの感染拡大防止と経済の両立だ。安倍政権はコロナ対策で国民の期待に応えられなかったとの批判があるなか、今後取るべき対策について日本維新の会の新型コロナウイルス対策本部事務局長も務める足立氏に聞いた。

現在新型コロナウイルスは感染症法で二類、または一類感染症に近い取り扱いがされている。足立氏は感染症に関する知見が次々と明らかになっている状況で、その分類を「ある程度見直していかないと保健所等のシステムが上手く回らない」として、感染症法における分類の抜本的な見直しが必要だと述べた。

一方、ワクチンがまだ開発されていない状況で季節性インフルエンザと同じ五類感染症に分類することには反対の立場だ。足立氏は「知事が地域の状況に応じた強い措置を必要に応じてピンポイントで打てるような法体系に見直す必要がある」として新型インフル等特措法の改正を訴えた

足立氏は日本維新の会対策本部として既に改正案の要綱を公表しているとして臨時国会が始まったら速やかに審議を進めたいと述べた。

▲写真 ⒸJapan In-depth編集部

■ 大阪都構想について

大阪府では「大阪都構想」の是非を問う2度目の住民投票が11月1日に行われる予定だ。大阪府と大阪市の二重行政への解決策として提言された大阪都構想を巡っては2015年に1度目の住民投票が行われたものの、僅差で否決されている。大阪維新の会としては今回何としても成功させたいところだが、その戦略について聞いた。

2回目の住民投票を行う理由について足立氏は、前回の住民投票の際に反対派だった自民党大阪府連が、大阪府と大阪市が話し合う会議体を新設するという対案を出していたことに言及した。1度目の住民投票後に実際にそうした会議体が作られたものの、自民党の府会議員と市会議員の間で意見がまとまらなかったことで失敗に終わった。

こうした流れを経て、昨年大阪維新の会は大阪都構想への再チャレンジを公約に掲げて大阪府知事と大阪市長のダブル選挙を戦い、勝利をおさめた。住民投票の見通しについて、足立氏は楽観はできないとしつつも、「公明党と自民党の一部が賛成を表明している」と手ごたえを感じているようだ。

■ 日本維新の会の今後について

日本維新の会は首班指名選挙では片山虎之助共同代表に投票した一方、安倍政権や菅新政権を高く評価するなど、与野党の中で微妙な立ち位置を取っていると細川氏は述べたうえで、選挙の際には自民党政権を批判しつつ戦っていくのか聞いた。

足立氏は日本維新の会は「あくまで野党」であるとし、野党第一党の立憲民主党と日本維新の会、どちらが二大政党制下で自民党と対峙するのにふさわしいか「準決勝」を戦っている最中であり、「いつまでも第三極であり続けるつもりは全くない」と、姿勢を明確にした。

日本維新の会は今後の解散総選挙で最低でも野党第二党の立場を獲得することで存在感を強め、自民党だけでなく立憲民主党に対しても厳しく追求していく方針だ。足立氏は「自民党と四つに組んで日本の進路を競い合い、切磋琢磨する本当の一翼は立憲・共産ではなく日本維新の会だということが我々の最大の主張である」と述べた。

細川氏は今度の総選挙は日本維新の会が勢力を伸ばすための大きな勝負になるとして、菅政権が国民の信任を得られるか、に並ぶ興味深い争点になりそうだと述べた。国民も日本維新の会はどのような政策を掲げているのかしっかりと見てほしいと述べ、今回の対談を締めくくった。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年9月19日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真:ⒸJapan In-depth編集部


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

copyright2014-"ABE,Inc. 2014 All rights reserved.No reproduction or republication without written permission."