加計学園、官邸主導は問題なし 足立康史議員
「細川珠生のモーニングトーク」2017年6月17日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(大川聖)
【まとめ】
・通常国会は森友学園と加計学園の問題に終始した。
・加計学園について官邸主導は問題なし。何か隠しているようにやったのが問題。
・改憲については国会で討論・議論し、時間が来たら採決、との流れで臨む。
6月18日に通常国会は終了したが、国会会期中の前半は森友学園、後半は加計学園とどちらも教育機関に関わる問題が取り沙汰された。加計学園問題では官邸主導の是非などが野党から追及された。今回は衆議院議員で日本維新の会足立康史氏をゲストに迎えた。
まず細川氏が加計学園問題に対する足立氏の考えを問うと、足立氏は「もともと加計学園を選んだのは愛媛県と今治市。検討すると最初にテーブルに載せたのは民主党政権のとき。枝野氏と蓮舫氏が担当していたのは事実である。安倍晋三氏が総理になったのはその後。民進党が追及するのは違う。」と述べ、民進党の姿勢を批判した。
細川氏は、第2次安倍政権以降に作られた国家戦略特区は最初に決めた4条件にあとから閣議決定して1条件加えており、プロセスが不透明であると指摘した。
足立氏は、国家戦略特区制度自体は日本維新の会も大阪で利用して規制改革を行ってきた経緯がある、として一定の評価を示した。
その上で足立氏は、「(加計学園)一校に絞りたかったのは、むしろ日本獣医師会、既得権側。」と述べ、「内閣府も官邸の威を借りてやったことを認めるべきだ。今回は政治主導でやっており、何も問題はない。唯一問題なのは何か隠しているようにやったのが問題である。」と述べ、速やかに詳細を明らかにすべきであるとの考えを示した。
足立氏は経産省に勤務していた経験があるが、官邸の意思決定に問題があったとは思えない、という。「官僚主導の時代は既得権の岩盤規制が張り巡らされて1ミリも動かなかった。小泉政権等大統領型の政治主導で官邸の権限が強くなった。官邸主導、政治主導で内閣官房が動いて省庁を動かしていくことはむしろ望ましい。今回もそうだ。」と述べ、加計学園問題においても官邸主導で行われたことに問題はないとの考えを示した。
加計学園は他の獣医学部に比べて定員が多いことも指摘されている。足立氏は「人数が多くて困るのは加計学園。彼らがリスクを取ってやるならやったらいい。」と述べた。
また、少子化で社会は人口減になっているのに対し大学数が増加している問題について、「税金はあらゆる学校法人を生き長らえさせるためのものではなく、学生側、利用者側に投入する。文科省が参入規制でコントロールするのではなく、広く参入してもらい競争して(良質な教育が残るように)淘汰されていくべきである」と主張した。
その上で足立氏は、日本維新の会が目指す、高等教育も含めた教育の無償化に言及し、加計学園に関しては「問題はない」との考えを改めて示した。
細川氏は、加計学園問題やテロ準備罪等を含む組織犯罪処罰法改正案(現在は成立)を、委員会採決を省略する「中間報告」の形で採決したこと等、国会運営に対して国民は疑問を持っている、と懸念を示した。その上で、野党ではありながら改憲に賛同し、改憲発議できる3分の2の議席数に影響がある日本維新の会の国会運営について質した。
足立氏は「安倍政権にも問題はあると思うが、それ以上に民進・共産党をはじめとする野党4党が足を引っ張っている。憲法改正という意味では(日本維新の会は)発言権も与えてもらっている。憲法改正の議論でも、本音で言うべきことを言い、討論・議論し、時間が来たら採決をする、国民にわかりやすい国会を作っていく。」と述べ、改憲に向けて、積極的な国会運営を進めていく考えを強調した。
(この記事は、ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2017年6月17日放送 の内容を要約したものです)
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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト
1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。