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.経済  投稿日:2014/5/17

[野田万起子]<市民と行政の情報共有>日本を世界最先端IT国家に!オープンデータ・シティを進める福井県鯖江市


インクグロウ 代表取締役 野田万起子

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ビジネスの更なるグローバル化の推進と各分野における日本のポジションに目を向ける必要性が高まる中、私は今回、日本の「IT戦略」について深く考えることになりました。NTTデータが主催するオープンイノベーションフォーラムに参加したことがきっかけで、株式会社Jig.jpの福野代表と会い、大変興味深い話を聞きました。

近年、「ビッグデータ」「オープンデータ」という言葉を耳にする機会が多いですが、後者の「オープンデータ」は、私たち中小企業においては今後様々なビジネスソースとなる可能性と「地域振興」に直結するテーマであると感じています。

福野氏は、福井工業高等専門学校電子情報工学科を卒業後に起業、2003年にJig.jpを設立し、若干36歳にして世界の最先端IT技術を牽引する存在です。小学3年生でコンピュータに出会い、何度でも作り直せるプログラミングの世界に魅かれ、開発言語を変えながらソフト作りに熱中したとのこと。福井高専を卒業後、現株式会社にて、当時モバイルサイトしか見られなかった携帯電話向けに、パソコン用サイトを閲覧可能とする世界初のダウンロード型のフルブラウザを開発し、その名が一気に業界に広がりました。

現在は、日本政府の「世界最先端IT国家創造戦略」の一員として、2020 年までに、世界最高水準の IT 利活用社会の実現と、その成果を国際展開することを目標とする国家戦略に積極的に関与しています。その為のステップとして取り組んでいる活動が「オープンデータ・シティ」。耳慣れない言葉ですが、現在日本では29都市が取組み、その最先端を行くのが、福野氏がプロデュースをする福井県鯖江市です。きっかけは福井高専が鯖江市に所在するということだったそうです。

オープンデータとは、特定のデータが一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が望むように利用・再掲載できるような形で入手できるべきであるというアイデアと定義されています。福野氏が手掛ける活動は、行政が保有する公共情報を公開、オープン化し民間での活用を促していくプロジェクトです。

鯖江市は2010年全国に先駆け、市民協働のまちづくりを目指して制定した市民主役条例で「市民と行政の情報共有」を明記し、情報の公開・共有化を推進することにしました。同年、福野氏の提案に対し、今まで行政が全て担っていた行政情報サービスを市民にオープンにしその使い方とツールを提供するのを民間が行うといった、行政と地域による新しい共存関係の仕組みを作りました。それにより、行政側の手間が削減され、市民目線によって行政サービスが提供できるというモデルとなりました。

福野氏はこのモデルを全国的に普及させ、日本でのオープンデータの普及拡大を加速させ、世界標準でNo.1になるようなミッションを掲げています。日本が「世界最先端IT国家」になるためには、そうした鯖江市の取組に学び、同様な取り組みが広く他の自治体に広がることが必要です。それには、産、官、学の協働が不可欠であることは言うまでもありません。

 

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【プロフィール】

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野田万起子(のだ・まきこ)インクグロウ株式会社 代表取締役社長、公益社団法人経済同友会、正会員 一般社団法人日本展示会協会 理事

昭和45年8月、静岡県生まれ。東京国際大学 経済学部卒。米国オレゴン州TIUアメリカ校卒。 平成5年、株式会社ベンチャー・リンク入社、平成16年 同社(東証一部上場)執行役員に就任。平成22年 同社取締役に就任。平成23年 インクグロウ株式会社 代表取締役社長に就任(現職) 金融業界分野で20年以上、全国の地域金融機関への支援業務に携わる。地域金融機関と一緒に、中小企業の活性化に向けたビジネスマッチングの取り組みを中心に、取引先の経営相談から、金融機関の職員研修など幅広く行う。


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