衆院選総括「立憲民主党は国民が野党に期待する役割を果たしていなかった」元国民民主党・衆議院議員菅野志桜里氏【Japan In-depthチャンネル】
Japan In-depth編集部(阿部翔太郎)
【まとめ】
・ 立民は国民が期待する「政権交代の受け皿」としての役割を果たせなかった。
・岸田政権の今後の重要課題は対中政策。
・人権を守るためにこそ、我が国の「富と力」を維持した力強い国家運営が求められる。
11月12日のJapan Indepthチャンネルは、元国民民主党・衆議院議員菅野志桜里氏をゲストに迎えた。「総選挙総括」と題した今回の放送では、10月31日に行われた衆議院選挙の総括と、それを踏まえた今後の与野党の動向や鍵となる政策について、菅野氏と安倍編集長が議論した。
■ 衆院選総括
先日の衆院選では、自民党が単独で261議席を獲得し、国会運営を有利に行うことができる「安定多数」を確保した一方で、議席増が事前に予測されていた野党第一党立憲民主党は選挙前から議席を減らす結果となった。
こうした選挙結果を、菅野氏は「野党、特に野党第一党である立憲民主党が、国民が野党に期待する役割を果たしていなかった。それを国民は健全な感覚で判断した」と総括した。
菅野氏は野党に求められる重要な役割の一つとして、「政権交代の受け皿、オルタナティブな選択肢になること」があると強調した。その上で、「国民の自由や人権、生活を守るために、一定の経済力そして防衛安全保障をしっかりと維持することが、政権担当能力に不可欠」だが、立憲民主党や共産党は「国家としての力の維持、その力量をずっと示せていないし、今回の選挙でも表現できなかった」と指摘、国民が求める政権の受け皿に立憲民主党がなりきれなかったことが今回の選挙結果につながったとの考えを示した。
また自身が立憲民主党に所属していた経験も踏まえ、同党の政策について、「選挙が近づくと(他党と候補者を)一本化していくために、できるだけ他の野党との政策的な違いをむしろ無くしていく。選挙が近づくほど政策が玉虫色になっていく。安全保障政策でも現実味を失っていく」と指摘し、こうした点も今回の敗北につながったとの認識を示した。
今回の選挙では、立憲民主党を中心とする野党共闘の枠組みからは一定の距離を置いた日本維新の会が、公示前の4倍近い41議席を獲得し、同じく野党共闘の枠組みから外れた国民民主党も公示前から議席を増やし堅調な戦いぶりを見せた。
この点について菅野氏は、「維新は2012年の衆議院選挙で54議席、2014年の選挙では41議席」を獲得していたことを踏まえ、2017年の衆院選で一時的に議席を減らしていた状態から「戻したという見方もできる」との認識を示した。
その上で菅野氏は、躍進を見せた日本維新の会と国民民主党の安全保障政策に触れ、「この二党は国民から見ると、リアリティのある提案をしていると評価をされたんだと思う」と述べ、両党の現実的な安全政策が一定の評価を得たとの認識を示した。
■ 維新と国民の連携の可能性
菅野氏は、日本維新の会と国民民主党が、複数の政策で一致点を見出すことができるとして、今後連携を強化していく可能性に触れた。
「国民民主は中道第三極的な立ち位置を政策で示すのは上手だが、政治的行動で表すのは苦手だった。野党共闘の枠組み、あるいはその国会運営の枠組みにおいて独自色を示すのが遅かった。一方維新は、我々は第三極である、という雰囲気を政治的な行動で示すのはすごく上手だった」
「政策面での表現が得意な国民民主と、政治的行動で自分の立ち位置を明らかにしていく維新。この二つのグループが連携を強めていくことができるのか、そうじゃないのか。どうあるべきなのかということを私も丁寧に見ていきたい」
ただ菅野氏は、「第三極の立ち位置だけで一緒になるというのは続かないと思う。第三極としてどこを目指すのかが、本質的に一致しないと、国民はそれを感じる」として、両党の合流については慎重な見解を示した。
その上で菅野氏は、今の日本に求められている第三極の方向性は、「いわゆるオールドリベラル的、左翼的なリベラルではなく、国民の個人としての自由や強さを大事にして、一方で国家や権力に対しては健全な警戒心を持つという意味でのリベラル、自由主義」であると指摘した。
そうした立場に軸足を置くことができるなら、長年政権与党、権力に留まる自民党との視点の違いを明確に打ち出すことができ、オルタナティブな政権の受け皿になりうるのではないかとの考えを示した。
■ 「国民の政治を見る目」の変化
さらに菅野氏は、今回の選挙結果と自身が初当選した2009年の衆院選以降の政治を振り返りながら、「国民の政治を見る目が肥えてきた」という認識を強調した。
「今回維新が伸びたことをもって、国民の(政治を)見る目はあるのかという発信が一部から出ていますが、全然違うと感じている」
「(菅野氏が初当選した2009年衆院選以降)国民は政権交代を経験した。そして橋下徹さんや小池百合子さんなど、いわゆるヒーロー、ヒロイン待望論が生み出した政治家の登場も経験した。そしてまた自民党に戻った時にどういう政治になるかも今見ている。それまではずっと55年体制の延長線上で、政局の組み替えや政治の動きが国民に見えなかった中で、凝縮してこの十数年、国民は経験していると思う」
選挙後に自公両党が進める18歳以下を対象とした10万円の給付に国民の支持が広がっていないことにも、そうした「国民の政治を見る目」の変化が現れているという。
「やっぱりみんな学んでるんだと思う。お金を配るっていうことによって有権者を買収しようとしているんだったら、私たちはそういう買収にはのらないよと。そういう風に私たちは感覚の中で成長していると思います」
■ 衆院選乗り切った岸田政権、今後の重要課題は対中政策
衆院選で単独過半数、さらには安定多数を確保し、ひとまずは順調な滑り出しを見せた岸田政権。総理は「国民の皆さんの信託をいただいた」と述べ、今後の政権運営にも自信を覗かせるが、来年夏には参院選が行われるため、「国民の皆さんの信託」はあくまでそれまでの時限的なものであることを忘れてはならないだろう。そのような状況の中で、今後の岸田政権が抱える重要課題として、菅野氏は人権侵害を繰り返す中国への対応を挙げた。
▲写真 COP26に出席する岸田首相(2021年11月2日、スコットランド・グラスゴー) 出典:Photo by Hannah McKay – Pool/Getty Images
特に菅野氏は、目前に迫った北京オリンピックへの対応と、自身が「人権二法」と呼ぶ、「人権侵害制裁法」及び「人権デューデリジェンス法(人権DD法)」の整備の重要性を強調した。
「対中政策を念頭に、ちゃんと政府として人権侵害制裁法をとれるのか。資産凍結や、入国禁止などの制裁を仕組みとして作れるのかどうか。そして企業も、中国に依存したらビジネスリスクも大きいですよ、政府がちゃんとサポートするから、サプライチェーンでの人権侵害には加担しないでくださいと(伝えていく)」
このように対中政策の重要性を強調する菅野氏は、衆院議員の任期満了に伴い政界を引退するまで、JPAC(対中政策に関する国会議員連盟)の共同委員長を務めた他、先日ローマで行われたIPAC(Inter-Parliamentary Alliance on China:対中政策に関する列国議会同盟)の初会合にも参加するなど、対中政策について国内外で精力的な取り組みを進めてきた。
先日のIPACの会合は、G20サミットの前日に開催されたこともあり、各国から多くの参加者が集まったという。菅野氏は今回のIPACの会合で、中国の人権問題を見逃さないこと、またそれに対する制裁法の整備を進めること、そして中国から逃れ各国に散った人々を引き渡せという中国からの圧力に屈しないこと、という三点を発信してきたという。
菅野氏は特にこの三点目について、日本も中国と様々な犯罪の捜査で協力するという条約を結んでいるため、「中国から、例えば国安法違反の可能性があるので、日本の集会に出たリストを渡せだとか、あるいはSNS上のデータを渡せというような捜査の協力願いがきた時に、条約を結んでいるので基本的にはパートナーシップがある」ことを指摘し、日本にとっても中国の脅威が他人事ではないことを強調した。
また菅野氏は、同じアジア人の立場から「欧米の価値観の押し付け」と言われない形で、中国の人権問題を強く非難できるのは日本だけであるとして、「日本が中国にちゃんと人権問題でものを言うことは、欧米の国が言うよりもずっと強いメッセージになりうる」と強調した。
なお、菅野氏が共同委員長を務めていたJPACは、与党側の代表だった中谷元氏も国際人権担当の総理補佐官に任命され代表を退いたため、その与野党の代表が共に交代し、今度の特別国会までを目処に新しい幹部が決定されるという。そして菅野氏自身は、今後もその事務局の一員としてJPACの活動に関わり続けると言う。
■ 問題だらけの国対政治は段階的に廃止すべき
今回の衆院選で立憲民主党や共産党を中心とした野党共闘の枠組みと一定の距離を保ち、堅調な戦いぶりを見せた国民民主党は、先日、これまで参加してきた野党の国対委員長会談の枠組みから離脱する方針を発表した。このニュースでも注目が集まった国対政治について、これまで一貫して批判的な見解を示してきた菅野氏に、改めてその問題点を伺った。
菅野氏はまず、「国会議論が始まる前に与党と野党の国対委員長が二人で話し合って、ここで折り合いましょうよとか、議論は一週間で終わらせましょうよとか、ここで終わらせましょうよとか、全部決めて、国会の議論はその二人で決めた結論になんら影響を及ぼすことができない」点に国対政治の問題があると強調した。
その上で、「国会の議論と並行してメディアがそれを伝え、そして国民の意識も変化して行って、それをちゃんと反映をさせながら国会の議論も変化する。そのコミュニケーションに民主主義の妙があるわけです。そういうものを一切排除するのが国対政治だ」との認識を示し、今後の国対政治については以下のように語った。
「国対政治は段階的にやめていったらいいと思う。多分すぐやめろと言ってもやめないでしょうから。今メディアも入れないわけで、だから議事録もないわけです。まずメディアを入れてオープンにするところから始めたいですね」
また菅野氏は、「特に予算委員会などテレビ中継のある会では、国対委員長が(国会で)誰が質問するか、何を質問するか」をほとんど決めており、それによって国会のテレビ中継の中で「いつも同じ人が基本的にスキャンダルを中心に質問するような状況が生まれている」ことを明かした。そして、国対政治の弊害がここにも現れていることを以下のように強調した。
「なぜ野党はスキャンダルばかり質問するのかとよく聞かれる。私は、本当はスキャンダルばかり質問してません、ちゃんと政策の前向きな質問もしてますと(お伝えしている)。ただ、いわゆる予算委員会でテレビ中継の場面だと、国対の指導でスキャンダルの話になってしまう。スキャンダルの質問をしない議員は質問のチャンスが極めて少ない。ここに問題がある」
■ SNSが普及したいま、野党議員に求められる役割とは
菅野氏が指摘するように、「野党はスキャンダルばかり」という印象は多くの国民に広がっているように思われる一方で、今回の衆院選ではそうしたスキャンダルの追及を積極的に行ってきた有力議員が議席を失う光景も見られた。こうした結果は、野党の戦略や野党議員の意識にどのように影響するのだろうか。
菅野氏は、「これまで国会議員は、質問に立ってテレビに映ってその姿を見せるチャンスが多ければ多いほど、票になるんだというおごりがあった」ことを指摘し、「若手の議員を含めて、そのチャンスを得るためにスキャンダルもやらざるを得なかったところがあったと思うが、(衆院選の結果を受け)これからは議員の意識も変わると思います」と述べた。
また、SNSの普及と共に様々な形態での情報発信が可能になった今、政治家はそうしたツールを使い日常的に様々な情報を発信したり、報道機関のインタビューに積極的に応じたりすべきではないかとの指摘に菅野氏は同意し、SNSは「政治家の役割を多様化したし、もっというと野党にとってすごく有利なツールではないか」との認識を示した。
菅野氏は、今年7月頃に波紋を呼んだ、酒類提供店に対して金融機関などから圧力をかけるよう要請する文書について自身が行った質問などを例に挙げて、SNSが議員の活動を多様にしていることを指摘した。
「あの件に関しては、そういう文書がありますと教えてくれたのもSNS。私自身もそれはおかしいんじゃないかと(SNSで)発信しただけで、一定の影響を与えることができました」
「(SNSでの発信を受けて)私が質問に立つ前に政府がこの文書を取り下げましたが、今度またSNSで国はやめても都や県に残っていますと来たから、その翌日、当時の西村経済再生担当大臣に質問したら、その日の夜には(菅野氏の選挙区の)愛知県を含めて、これは国に言われてやらざるを得なかったのでやめますということになりました」
菅野氏はこのようにSNSを利用することなどによって、議員の活動の幅が広がっていることを念頭に、今後の野党に求められる行動について以下のように述べた。
「政権交代したら薔薇色だとか、政権交代したら実現できるんだとかいう主張は、やっぱりあの『失敗』で説得力失っているわけですよ。そうではなく、今いろんな武器、いろんなツールがあるのだから、野党が政権交代にリーチしていくためには、与党と是々非々できっちり議論をして、自分たちの政策をちゃんと実現させることができますと(アピールしていくべき)」
「政策の質と政策実現力。これを見てもらった先に、自分達から政権交代準備完了って言うんじゃなくて、国民の側からじゃあもう一回政権預けてみよう、と言われるようになる。そうなっていくのが筋道だと思います」
■ デジタル戦略にも課題
昨年から続く新型コロナウイルスの流行により、様々な分野でデジタル技術に大きな注目が集まっている中で、政府は今年9月にはデジタル庁を設置し、今後もデジタル戦略に力を入れていく方針だ。しかしながら、その先駆けとして平成28年1月に交付が開始されたマイナンバーカードは、ポイント還元など普及に向けた取り組みが繰り返されてきたにも関わらず、未だに不便な点があるとの指摘もあり、所有率は40%ほどと低いままだ。
こうした状況を念頭に、ポイントの配布に頼った保有率向上策を取るのではなく、利便性自体を高めていくべきではないかとの安倍の指摘に、菅野氏は同意した。
また菅野氏は、先日ローマで行われたIPACの会合に参加した際の経験を踏まえ、日本のデジタル政策の現状について以下のように指摘した。
「実は2013年の安倍政権の時に、日本はデジタル最先端国家宣言というものを出してるんですよ」
「でも私今回イタリア行きましたけれども、ワクチンパスポート(グリーンパスポート)見せてくださいって言われて、周りの人は皆デジタルで見せるわけだけど、私たちだけ四つ折りの紙を出して。あ紙っていう顔をされて。ちょっと最先端どころではない状態ですよね」
さらに菅野氏は、マイナンバーカードなどのデジタル政策の進展について、デジタル上での人権の保護を明言し「データプライバシーに関する懸念」を払拭することが重要であるとの考えを示した。
「作って便利であっても、中国みたいに国家にデータが吸い取られる。そういう体制だと困るという不安をしっかり払拭すれば、別にお金やポイントを配らなくても、自分の意思でちゃんとそれを選択すると思う」
■ 憲法と安全保障については積極的な議論を
9条をはじめとした憲法改正に前向きな安倍晋三元総理が、党内最大派閥の「清和政策研究会(旧細田派)」に復帰し、同派閥の会長に就任することが、先日明らかにされた。岸田総理は改憲に対して特別積極的な動きは見せていないものの、安倍氏の動きと共に依然改憲議論への注目度は高まっている。
こうした状況の中で、以前から「立憲的改憲」を折に触れて訴えてきた菅野氏は、「安倍晋三さんの憲法観は、自衛隊を書けばいいというあの提起からも分かる通り極めて未熟というか浅いと思っていて、そのグループに憲法改正の手綱を握らせちゃいけない」と、安倍氏を中心とする改憲論議の危うさを強調した。
その上で、岸田政権は「憲法に対する情熱は全然ないと思う」、「いわゆるそのお題目として憲法改正ということは言っても、ちゃんと進めていこうという姿勢はほとんど見えない」としながらも、「いわゆる『変えればいいんだ』というグループにだけアクセルを踏ませると、日本の憲法議論にとってよくない」とし、今後の改憲論議のあり方について以下のように述べた。
「与党の中で言えば、岸田総理など冷静で穏健な立ち位置に立つグループ、そして公明党(が重要になる)。野党の側で言うと、この憲法のテーマは維新と国民の連携の大きな紐帯になると思う。(両党が)それぞれの役割を果たすことが、これからの日本の憲法議論にとってすごく大事なことだと思います」
また、先日岸田総理が言及した「敵基地攻撃能力」の保有については、「基本的には憲法の議論を同時並行的に行わないといけない」として、解釈変更だけでは不可能であるとの認識を示し、その危険性を強調した。
さらに自衛隊の位置付けについては、「(9条で)戦力を持たないと言っているのに自衛隊を持った。この時に本来ならドイツと同じようにしっかり国民が憲法議論をして、憲法改正で齟齬を埋めていく作業が必要だった」と指摘した上で、「9条と今求められている日本の安全保障政策をしっかり俎上に乗せて、そのギャップを権力、国家、政治家が勝手に解釈で埋めていくことは極めて危ないという認識から、スタートした方がいい」と述べた。
昨今の日本の安全保障環境の変化の中で、核武装に肯定的な学生も増えているという安倍の指摘に対しては、「憲法改正議論のタブー化は、国の防衛問題の議論のタブー化に直結してきた」として、「核武装が現実必要なのではないか論に若者が流れていってしまうことも、(安全保障や防衛について)議論していないことの結果」との認識を示した。その上で、そうした議論を「タブー化して逃げないことが大事だ」として、我が国の安全保障政策をめぐる国民的な議論の必要性を訴えた。
■ 各党は人権守るためにこそ、「富と力」のビジョンを示すべき
我が国を取り巻く安全保障環境の変化の中で一番注視しなければならないのは、近年の急激な経済成長を背景に、軍事活動を活発化させる中国の動向だろう。これまで対中政策に精力的な取り組みを見せてきた菅野氏は、こうした軍事、経済両面での中国の影響力の拡大が、中国の人権問題を解決することの困難さにも結びついていると指摘する。
菅野氏は、香港で国家安全維持法が施行された際に、国連でこれに懸念を表明したアジアの国は日本だけであったことや、未だにIPACの枠組みに加わるアジアの国がほとんどいないことに触れながら、軍事面での脅威の拡大と経済面での依存の強まりから、アジア各国が中国の人権問題を非難できない状態にあることを指摘し、「人権を守るというのは、富と力がないと言えない」と強調した。
これを念頭に菅野氏は、選択的夫婦別姓や、LGBTの理解増進、技能実習生の境遇など、国外だけでなく国内にも多くの人権問題が存在することを指摘しながらも、国内外の人権問題を実際に解決していくためには、それを実現できるだけの「富と力」を基底とした「国家としての背骨」を示せるかどうかが重要になることを繰り返し強調した。
一方で、今回の衆院選で選択的夫婦別姓やLGBTの理解増進など、一部の人権に関する問題について積極的に発信を行っていた立憲民主党は、まさかの議席減となった。これを受け枝野幸男氏が代表を退いたことで、同党は新たな代表のもとで再出発を切ることになる。代表選後の「新生」立憲民主党は、果たして「国家としての背骨」を示し、国内外の人権問題を解決していくことができるのだろうか。
そんな立憲民主党の代表選について菅野氏自身は、「私が期待している立憲民主党の議員は代表選の名前に上がってなくて、やっぱりそれより上の世代しか名前が上がってない。正直今名前が上がっている人では、立憲は変われないんじゃないかなと思っています」と失望の念を口にした。
(了)
トップ写真:©︎Japan In-depth編集部