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.経済  投稿日:2014/6/9

[安倍宏行]<東京に国際新都心誕生か>新橋・虎ノ門エリアにシャンゼリゼ通りを目指す「虎ノ門ヒルズ」


Japan In-Depth編集長

安倍宏行(ジャーナリスト)

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古いオフィスビルが立ち並ぶ街並みに突如現れた、地上52階建て、高さ247メートルの超高層タワー。それが、「虎ノ門ヒルズ」である。2020年のオリンピックに向け、森ビルはこの地域をグローバルな企業が集まる、「国際新都心」と位置付ける。

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この再開発が注目を集めているのは、あの、マッカーサー道路の開通と一体となっているからだ。マッカーサー道路とは、かのGHQのマッカーサー元帥が戦後、都心と臨海地区を結ぶ道路の建設を指示したとの逸話からつけられた名前だが、実際は東京都市計画道路環状第2号線という。

今回完成したのは、第一京浜(港区新橋四丁目)から外堀通り(港区虎ノ門二丁目)までの約1.4キロメートルの区間のみ。戦後まもなくの都市計画から68年もの歳月を経ての開通だ。新橋に向かう地上部は“新虎通り”と名付けられ、将来はブティックやカフェが立ち並ぶ、“日本のシャンゼリゼ通り”を目指す。

オリンピックに向け、環状2号線は有明地区まで延伸が決まっており、人の移動もダイナミックに変わることが予想される。古く、低層のオフィスビルが集積しているイメージが強い新橋―虎ノ門エリアが、大きく変貌する。

一方、機を同じくして、JR東日本が6月3日に発表したのが、品川ー田町間の車両基地を撤去して作られる“新駅”である。山手線の新駅設置もおよそ半世紀ぶりのことで、30番目の駅となる。JR東日本は、2027年開通予定のリニア中央新幹線の新駅となる品川駅とこの地域を、新たな東京の交通の要衝として一体的に開発したいとしている。羽田空港にも近い。複合高層ビル、ホテル、商業施設、住宅などが建設される予定で、品川地区は、海外からの玄関口となると同時に、国際的なビジネス拠点となるだろう。

アベノミクスによる景気回復を持続させたい安倍政権の思惑と、民間活力が一致して東京都の再開発に弾みがかかり、都心部経済が活性化することは間違いないが、JR東日本や他の私鉄の駅などで老朽化対策は道半ばで、首都高速道路の耐震対策もまだ目途が立っていない。都心のバリアフリー化もまだまだお粗末だ。政府、東京都、民間が三位一体となって、首都の再生を加速させることを期待する。

 

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