[宮家邦彦]<日米印三国海軍が共同演習を実施>中国にとっては面白くない?普段からの積み重ねこそ重要[外交・安保カレンダー(2014年7月28日-8月3日)]
宮家邦彦(立命館大学 客員教授/外交政策研究所代表)
ヨーロッパは夏のバカンスに突入したらしく、外交日程が殆どない。ウクライナであれだけの事件が起き、オバマ政権が対ロシア制裁強化をどれだけ働き掛けようと、欧州人には休暇の方が大事なのだろう。プーチンが米国の足元を見るのも当たり前か。
今回はあまり目立たない話を取り上げる。7月28日にカナダ外相が訪日する。腐ってもカナダはG7の一員、この国との関係は大事にすべきだ。但し、米国の隣国カナダは親米ではない。確か、カナダは2003年のイラク戦争に派兵しなかったと記憶する。
これもあまり目立たないが、25日から31日まで太平洋上で日米印三国海軍による共同演習が実施される。勿論、これで何かが変わる訳ではないが、中国にとっては面白くない話だろう。普段からの積み重ねが重要ということの典型例だと思う。
インド新政権の経済政策に対する関心が高まっている。31日はインド下院が予算案を承認する期限らしい。インド予算といえば、先日、インドのテレビ局から同予算につき衛星生中継インタビューの依頼があった。面白そうだったので、早速引き受けた。
先方が指定した場所は汐留。行ってみたら中継の予定はないという。実際に予約されていたのは青山のスタジオだったからだ。国際電話で先方に文句を言ったら、「早く青山に行け」の一点張り。「申し訳ない」の一言もない。やはり、彼らを信じた筆者が馬鹿だった。
今週エジプトのムスリム同胞団が、一年前の流血暴動を記念し、抗議運動を呼び掛けているらしいが、今のカイロでどの程度の広がりを見せるのだろう。エジプトといえば、今トルコとの関係が一層悪化している。
最近トルコ首相はエジプト新大統領を独裁者と罵ったそうだが、エジプトは従来からトルコのムスリム同胞団支持に強く反発しており、両国関係が改善する見込みはない。単なる痴話喧嘩ではなく、液状化する中東情勢の中での主導権争いと見るべきか。
最後に最も目立たないが、7月29日にはヴェネズエラでメルコスール(南米南部共同市場)加盟国の首脳会議が開かれる。その共同宣言でイスラエルを非難する話が浮上しているらしい。ユダヤ系もアラブ系も少なくない中南米は意外に中東に近いのだ。
今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
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