全国規模の環境教育プログラム 双方向授業に小学生夢中
【まとめ】
・東急不動産と株式会社探究学舎のコラボ授業「ReENEサミット」がオンラインで開かれ、小学生が全国から集まった
・人気講師の宝槻泰伸氏による授業「脱炭素社会の実現に向けて」では小学生らが積極的に発言する様子が見られた
・授業では地球温暖化の背景と課題が説明され、私たち一人一人が電力会社を選び直すことで炭素削減に貢献できると締めくくられた
2024年12⽉21⽇、東急不動産株式会社が全国の子供向け環境教育イベント、 「ReENEサミット」を開催した。東急不動産はこれまでも再⽣可能エネルギー事業の⼀環として、環境教育プログラム「ReENE ÉCOLE(リエネエコール)」を開催しており、今回が初の全国規模のイベントとなった。
今回のテーマは「脱炭素社会の実現に向けて」だ。⼦供向けの教育活動に多数の実績を誇る株式会社探究学舎とコラボし、人気講師の宝槻泰伸氏、通称「やっちゃん」を招いての授業となった。
当日はzoom開催だったが、約100人の小学5、6年生が集まり、大きな盛り上がりを見せた。まずは授業冒頭、「脱炭素社会とは何か」という問いに次々と「CO₂の排出量と吸収量を同じにする」と正確な回答が子供たちから寄せられ、それに「天才か!」とリアクションする宝槻氏。双方向授業として理想的なスタートを切った。
続いて宝槻氏は「そもそも炭素社会とは何か」という点から説明し、今日に至る炭素排出量の増加をグラフで示した。19世紀終盤に炭素社会が切り開かれ、CO₂を4万倍出すことになったという説明に子供たちから絶えず驚きのリアクションがチャットで送られた。
写真)授業のチャット欄
出典)ReENEサミット
では、こんなに多くの課題を生み出している地球温暖化の要因となるCO₂は一体どこから排出されているのか。実は、世界で最もCO₂を排出しているのは発電所で、総排出量の38%をも占めている。予想外の事実に再び驚く子供たちに対し、宝槻氏は風力発電の促進が望ましいと説明した。
そして授業終盤、宝槻氏は「地球温暖化のために私たちができることはなんだろう?」と子供らに問いかけた。「ゴミ拾いとかをして、リサイクルを心がける」「植物を育てる」「背中に太陽光パネルを背負う」「近い場所だったら自転車を使う」等といったユニークな回答が多く寄せられるも、正解には至らなかった。宝槻氏は、私たち一人一人に出来ることは、「省エネ電気を選ぶこと」だと提案した。電力自由化により今や電力業界には750社が参入しており、消費者の選択の幅も広がった。再生可能エネルギーを扱う会社を選ぶことも容易になったのである。
宝槻氏は地域における再生可能エネルギーにも言及した。地域で自立した再生可能エネルギーを持つことが推奨されるなか、実は太陽光パネルが学校の屋上や畑にも設置されていることもある。「自分の住んでる街+再エネで調べてみよう!」と呼びかけると、鹿児島や埼玉に住む参加者から地元の再エネ推進委員会が見つかったと報告が寄せられた。
最後に、宝槻氏から子供たちへセージが残された。「今までの炭素排出が借金のように溜まって問題になっている。この問題を解決していくのは君たちの世代。地球温暖化は止まらない、食い止められるとしたら君たちの行動です」。激励の言葉を、子供たちは真剣な眼差しで受け止めていた。
今回は探求学舎経由の参加者が多いということもあり、「やっちゃん」と呼びかけながら宝槻氏の発する一語一句を聞き逃さまいと夢中になって授業を受ける子供たちの姿が印象に残った。授業は終始、双方向で進み子供たちによる発言はもちろん、チャットを活かして子供たち同士で議論する場面も見られた。学ぶこと、探求すること自体を楽しむ小学生の姿に非常に驚かされた。未来の地球を背負うリーダーたちに期待が止まらない。
冒頭写真)案だしする子供たち
出典)ReENEサミット