維新は改革政党として信用に足るのか?【「日本病」を治療する政策はこれだ!①】

西村健 (NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・維新の会は、筆者の提唱する「日本病」の解決に貢献できる改革政党として一定の評価が出来る。
・租税特別措置見直しや高齢者医療費負担の公平化など、既得権益に切り込む政策提案が特徴。
・連立政権下で「租税特別措置」見直しを実現したが、不祥事や主要メンバーの離党・辞職が今後の全国展開において課題となる。
今回から、公共政策・EBPMの専門家である私、西村健が各党の公約と特徴を独自目線で評価していきます。第一回目は改革政党として生まれたはずの日本維新の会。与党入りをして、高市政権とともに政策を推進しています。「政策実現政党」としても価値を高めています。維新が連立したことで「長年の課題が動き出した」「政治に変化が起きた」と主張していますし、実際その面もあるでしょう。
ただし、吉村さんや横山さんが同時に辞職し、大阪府知事・市長選挙に出馬するなど行動も見えなくなっている面もあります。所属議員の国民健康保険料の脱法行為もありました。万博も終わり、新たな存在意義を問われる中で、大阪以外では勝ち抜けるのでしょうか。

【出典】日本維新の会、公約
◆ 日本病の問題解決度は?
「社会の医者」こと筆者西村健は、「日本病」として9つの問題を提示しています。経済の「日本病」と言われる、「低所得」「低成長」「低金利」の問題だけでなく、
政治面では、
・機能しない行政経営:(例)政策の見直し・マネジメントも不十分、定着しないEBPM、スリム化しない・DX化が進まない肥大する行政機関など
・既得権益過剰配慮:(例)政治に近い業界団体・利益団体の過剰な政策への影響力、旧態依然な産業構造、進まない規制改革など
・説明責任不足:(例)過去に「失敗した」政策・施策・事業の検証不足、事業の見直しが進まず財政悪化、予算の使い道の詳細が未公開など
社会面では、
・権威主義社会:(例)低い幸福度、仕事やりがいの低さ、低いモチベーション・エンゲージメント、高ストレス、組織の病理など
・戦後の社会モデルのまま:(例)少子高齢化に対応できない硬直した制度と拡大志向、新卒採用・長期雇用・年功序列、パートナーシップ型企業経営など
・説明責任不足:(例)不明確な政策の目的達成度、説得不十分の為政者の説明、追及が甘いメディア・ジャーナリズム、緩い公益通報保護など

【出典】日本病、9つの特徴、筆者作成
これらの問題解決度合いを考えていきます。
日本維新の会はこの9つの問題の中で、
【問題】
・機能しない行政経営
・既得権益過剰配慮
・説明責任不足
については改善できるだろうと思われます。日本病の問題解決としての評価は◎になります。
◆問題解決の政策提案
日本病とその問題解決としての「政策」は以下のようにまとめられます。
【出典】日本病、問題解決の「政策」、筆者作成
具体的にこの中でも秀逸なものは、維新八策2026個別政策集で次のように定められています。
・5.租税特別措置・補助金見直し担当室(日本版DOGE)を活用し、租税特別措置、高額補助金及び政府予算の基金について総点検を行い、政策効果の低いものは廃止するとともに、積極財政のための財源を改革で生み出します。 【12本の矢】
・105.全世代型社会保障の理念の下、高齢者と現役世代の「給付と負担」の公平性を確保するため、低所得者等へのセーフティネットは確保しながら、総所得ベースの応能負担を制度が持続可能な水準まで深化させます。高齢者の医療費窓口負担については、現行の「9割引」から原則「7割引」へ、現役世代と同じ負担割合とすることを目指します。【12本の矢】
・309.政策立案過程における EBPM(証拠に基づく政策形成)の実施を徹底し、行政活動の PDCAサイクルを確立するとともに、会計検査院など行政機関外部からの評価と関与をより拡充させます。

【出典】日本維新の会、公約
享受して甘んじている既得権益の見直し、特定層への公平性を問うて見直しを言い切る、本質的かつ効果のある行政改革を提起しているのが特徴的です。
◆今後への期待
確かに連立の効果はあることは事実でもあります。長年、自民党の下では当然のごとく、企業団体献金をもらっている業界や企業への配慮のため進まなかった「租税特別措置」が動き出しました。民主党でさえ改革に手を付けられなかったわけです。身内の不祥事が多く誤解されてはいますが、そこは評価してもいいでしょう。
出典)記者会見に臨む藤田文武共同代表(右)と中司宏幹事長(左)2026年1月22日 都内
写真)日本維新の会/X




























