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.政治  投稿日:2026/1/27

共産党、「正論の王道」ここにあり?!【「日本病」を治療する政策はこれだ!③】


西村健 (NPO法人日本公共利益研究所代表)

 

【まとめ】

・共産党は大企業優遇が格差と停滞を生んだという経済批判に一定の説得力がある。

・日本病の一部には有効だが、極端に映る政策も少なくない。

・最大の課題は、強い統制体制のもとで自己改革できるかどうかである。

 

 

 大株主・大企業応援から、国民の暮らし第一の政治に。日本の失われた30年の経済停滞、格差拡大、分断と二極化。この問題解決にド直球なの政党、日本共産党。今回はこのシリーズ第3回目。

 

 「自民党の財界・大企業優先の政治のもとで、大株主と大企業への“富の一極集中”が極端にひどくなっている」(共産党HP)という見解、「大企業が利益をあげても、株主への配当と、内部留保の積み増しにあてられ、労働者にまわってこない仕掛けが、自民党政治によってつくられてきました。この12年間で株主への配当は2.8倍になり、大企業の内部留保は、333兆円から561兆円へ、200兆円以上も積み上げられています」(共産党HP)という批判精神。「利益をもっぱら大株主にまわしてしまう経済では、賃上げも、設備投資も低迷し、企業や産業のまともな発展もありません」(共産党HP)という問題意識。

 

 あまりにも直球過ぎるかもしれません。そこまで批判するには、相手の事情を理解しては・・・と思ってしまいますが、それなりに説得力な議論を展開しています。財源論に対しても、数字での裏付けを明確に算出しています。本当にすごいです。

 

 

【出典】共産党公約

 「株価も大企業の利益も“史上最高”、でも暮らしは“赤字”」というメッセージは事実を示しているのも確かです。しかし、「物価高騰は“政治災害”」「アメリカ言いなりを続けてよいのでしょうか」とはさすがに言いすぎでしょう。

 

【重点政策(一部)】

(1)アメリカいいなりの「戦争国家」づくりをやめ、「平和国家」に
(2)沖縄の米軍新基地建設を中止し、日米地位協定の抜本改定を

【出典】共産党公約

といった「それはいくらなんでもどうか・・・」と皆が思ってしまうような政策も結構あります。

 

日本病の問題解決度は?

 「社会の医者」こと筆者西村健は、「日本病」として9つの問題を提示しています。経済の「日本病」と言われる、「低所得」「低成長」「低金利」の問題だけでなく、

政治面では、

・機能しない行政経営:(例)政策の見直し・マネジメントも不十分、定着しないEBPM、スリム化しない・DX化が進まない肥大する行政機関など

・既得権益過剰配慮:(例)政治に近い業界団体・利益団体の過剰な政策への影響力、旧態依然な産業構造、進まない規制改革など

・説明責任不足:(例)過去に「失敗した」政策・施策・事業の検証不足、事業の見直しが進まず財政悪化、予算の使い道の詳細が未公開など

 

社会面では、

・権威主義社会:(例)低い幸福度、仕事やりがいの低さ、低いモチベーション・エンゲージメント、高ストレス、組織の病理など

・戦後の社会モデルのまま:(例)少子高齢化に対応できない硬直した制度と拡大志向、新卒採用・長期雇用・年功序列、パートナーシップ型企業経営など

・説明責任不足:(例)不明確な政策の目的達成度、説得不十分の為政者の説明、追及が甘いメディア・ジャーナリズム、緩い公益通報保護など

【出典】日本病、9つの特徴、筆者作成

 

これらの問題解決度合いを考えていきます。

日本共産党はこの9つの問題の中で、

【問題】

・低所得

・既得権益過剰配慮

・説明責任不足

については改善できるだろうと思われます。日本病の問題解決としての評価は〇になります。

 

問題解決の政策提案

 日本病とその問題解決としての「政策」は以下のようにまとめられます。

【出典】筆者作成

 

大企業・富裕層優遇の税制をあらため、応分で公正な負担を求めること、企業に、賃金格差是正の計画策定と公表を義務づけ、政府がそれを監督・奨励する仕組みを作ることなど、大企業に対してきわめて厳しい、強者への厳しさが特徴です。

 

権威主義体制から自己改革できるのか?

 2023年に日本共産党の長年の党員・元党中央職員の松竹伸幸さんが、著書などで「党首公選制」導入などの改革を問題提起したことがありました。しかし、「分派形成など重大な規律違反」として除名処分を受けたことは記憶に新しいです。共産党は骨のある骨太の政党だと思いますが、中央集権、強い統制、異論を許さない、上意下達の権威主義体制とも言えるかもしれません。

 

 偏った考え方やイズムを変革できないまま、支持層の高齢化が進んでいます。厳しい方ですが、「変わらない日本」の典型のようにも思えます。共産党が自己変革できるか、そこが問われます。オープンかつ内部にも優しい政党へ脱皮できるか、期待したいところです。

 

 

トップ画像:Political Party Leaders Hold Debate Ahead Of Upper House Election

出典:Getty Images by Tomohiro Ohsumi / 特派員

 




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