2025年度陸自の戦力強化:装甲車両と小火器の最新調達リスト
清谷信一(防衛ジャーナリスト)
【まとめ】
・防衛省は2025年度防衛予算で、24式機動120ミリ迫撃砲、25式偵察警戒車、装輪装甲車(人員輸送型)AMV、10式戦車などの装甲車両調達要求。
・多目的誘導弾システム(改)11式の取得や、20式小銃、40ミリ擲弾発射器、12.7ミリ機銃、カールグスタフM4等の小火器調達も。
・次期軽装甲機動車プロジェクトでは、民生車ベースの防弾性車両が検討、トヨタランドクルーザーといすゞD-MAXが調達予定。
防衛省は来年度防衛予算で以下の装甲車両など戦闘車両の装備を要求している。
最新型の共通戦術装輪車の派生型である24式機動120ミリ迫撃砲は8両を95億円、25式偵察警戒車は18両で279億円、24式装輪戦闘車は本年度18両が218億円で調達されたが、来年度は要求されていない。

▲写真 24自走120ミリ迫撃砲 提供:陸上自衛隊
次期装輪装甲車として採用されたAMV XPのAPC型(装甲人員輸送車)は「装輪装甲車(人員輸送型)AMV」との名称となり、23両が170億円で要求。またAMV用としてRWS(リモート・ウェポン・ステーション)、コングスバーグ社のProtector RS4が導入される。要求数は23基、要求額は約29億円。このRWSは日本用にモディファイされたタイプで陸上自衛隊が初採用するRWSとなる。
10式戦車は8両、160億円が要求されている。同様に11式装軌車回収車について、1両を16億円で要求。10式は近代化が計画されおり既にRoI(情報提供書)が募集されているが、来年度概算では関連予算は要求されていない。また16式機動戦闘車は来年度は要求されていない。

▲写真 11式戦車回収車 提供:陸上自衛隊
多目的誘導弾システム(改)11式が誘導弾及び地上装置等を取得するのに必要な経費として248億円で要求。その他初度費として約298億円を計上。多目的誘導弾システム(改)は現用の96式多目的誘導弾システムの改良型である。射程延伸、同時多目標対処、高速目標対処、全周対処等の機能が向上しており、現有システムが6両で構成されているのに対して、指揮統制装置・捜索標定装置・発射装置(いずれも高機動車)の3両で構成されており、システムの簡素化、省力化、コストの低減が図られている。
19式自走155ミリ榴弾砲は14両、約140億円を要求。23式ドーザは3両、約33億円が要求されている。軽装甲車後継車両の「次期軽装甲機動車」プロジェクトのサンプル調達などで6.5億円を要求。軽装甲機動車の後継については、陸幕広報によれば「小型装甲車」として三菱重工が提案したタレスオーストラリアのハウケイと丸紅エアロスペースが提案したGeneral Dynamics European Land Systems(GDELS)社の「イーグルIV」を提案し評価が行われたが、運用構想の見直し、価格高騰の状況等を総合的に考慮して調達がキャンセルされた。このため民生車をベースとした防弾性のある車両を含め検討中であり、これらの取得に必要な予算として計上されている。

▲写真 23式装甲ドーザー 提供:陸上自衛隊
なお9月27日NHKの報道によれば「トヨタ自動車のランドクルーザー2車種と、いすゞ自動車のDーMAXの計3車種を数台ずつ調達する」とのことである。
商社筋によれば想定調達単価が2〜3千万円程度とされており、輸入品は提案できなかったという。
陸上自衛隊用小火器は20式小銃10,000丁、要求額は約44億円。20式用40ミリグレネードランチャー、「擲弾発射器」(ベレッタ社GLX160)66式、要求額は約0.5億円。

▲写真 20式小銃に装着された40ミリ擲弾発射器 提供:陸上自衛隊
12.7ミリ機銃の要求数は101丁、要求額は約10億円。カールグスタフM4の要求数は167門、要求額は約27億円となっている。
MINIMI Mk3、SFP9 拳銃、新型狙撃銃G28は来年度に要求されていない。
トップ写真:25式偵察警戒車 提供:陸上自衛隊
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この記事を書いた人
清谷信一防衛ジャーナリスト
1962年生 防衛ジャーナリスト 作家。日本ペンクラブ会員。
2003~08年まで英国の軍事専門誌『ジェーンズ・ディフェン
東洋経済オンライン
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