消費税減税と定数削減は「別」 榛葉幹事長、取引を否定
執筆者:安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
本稿のポイント
・安倍編集長の質問に、榛葉氏は定数削減と消費税を交渉材料として結び付ける考えを否定した。
・消費税は、増えた税収の国民への還元と、手元にお金が残らない現状を踏まえて議論すべきだと説明した。
・政府・与党案の具体化を求め、各党の対案も議論しながら妥協点を探る姿勢を示した。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長は10月23日の記者会見で、衆院議員の定数削減に賛成することと引き換えに、消費税減税で与党の譲歩を引き出す考えを否定した。Japan In-depthの安倍宏行編集長の質問に答えた。消費税については、増えた税収を国民にどう返すかという観点から議論すべきだとし、選挙制度とは分けて着地点を探る考えを示した。
安倍編集長が質問「定数削減に賛成し、減税案をのんでもらうのか」
会見冒頭、榛葉氏は消費税の議論に続き、衆院の定数削減を巡る協議に言及した。従来の比例代表45議席の削減案に対し、人口減少率を基準に31議席程度を削減する案が出てきたと説明。党内で改めて意見交換する方針を述べた。
これを受け、安倍編集長は、国民民主党が31議席の削減に賛成することをてこに、消費税減税で同党の案を与党に受け入れてもらう考えなのか、と尋ねた。
榛葉氏は「面白い指摘だと思います」と応じた上で、次のように答えた。
「ただ、この定数削減と消費税をですね、なんか交渉の道具にするという考えは私にはございません」
さらに、異なるテーマを使った交渉で消費税の妥協を探ることについて、「これはちょっと筋が違うと思います」と述べた。
この回答は、定数削減への賛否を、減税案を受け入れさせるための交換条件にするのかという問いに対するものだ。榛葉氏は消費税の協議そのものを否定したわけではなく、それぞれの政策の中身に即して議論する考えを示している。
増える税収と「手元にお金が残っていない」現状
では、消費税は何を基準に議論するのか。
榛葉氏は、年度末には税収が90兆円程度に上るとの見方を示す一方、消費する力は落ちていると指摘した。「つまり手元にお金が残っていない」と述べ、消費税はその問題をテーマとして議論し、着地点を見いだすべきだと説明した。
会見冒頭にも、物価上昇に伴って税収が増えることを「インフレ増税」と表現。「増えすぎている税収をどう納税者国民に返していくか」という共通目標があるとの認識を示していた。
榛葉氏が挙げたのは、税収の増加と家計の購買力という論点だ。定数削減への協力を条件に減税を求めるのではなく、国民への還元策として消費税の議論を進めるという説明である。
ただし、榛葉氏は「我が党の中にもまた違う考えあるかもしれませんが、私はそう思います」とも付け加えた。今回の発言は、自身の考えとして述べたものだ。
消費税の妥協点は探る 政府・与党案の具体化を要求
会見後半には、国民民主党の対案をどう審議につなげ、与党と政策協議を進めるかという質問も出た。
榛葉氏は「政府の案の具体的なところが見えてこないと」「具体的な議論ができない」と指摘。公明党や他の野党にも対案があることに触れ、それぞれの案を審議する考えを示した。
その上で、「どっかで妥協点とか譲るところ譲りながらやらないと」と発言。参院で与党が過半数を持たないことにも言及し、合意を探る必要性を述べた。
つまり、定数削減を使った取引には否定的でも、消費税の議論で譲り合うことまで排除してはいない。政府・与党案の具体的な中身を明らかにし、各党の案を議論した上で、合意点を見いだすという姿勢だ。
安倍編集長への回答では、選挙制度を別の政策との駆け引きで妥協することは、有権者にも失礼になると説明。「これはこれで分けてしっかりと考えていきたい」と述べた。
消費税減税の協議で何を譲り、何を実現するのか。この会見では、具体的な税率や実施時期についての新たな合意は示されていない。榛葉氏が説明したのは、消費税と定数削減をどう扱うかという交渉への姿勢だった。
よくある質問(FAQ)
Q1.榛葉氏は、定数削減への賛成と引き換えに消費税減税を求める考えですか。
A1.そのように交渉の道具にする考えは「私にはございません」と答え、二つのテーマを分けて考えると述べました。
Q2.消費税について、与党と妥協しないという意味ですか。
A2.消費税の議論では、各党の案を審議し、譲るところは譲りながら妥協点を探る必要があると述べています。
Q3.この会見で、新たな減税内容は決まりましたか。
A3.具体的な税率や実施時期の新たな合意は示されていません。政府・与党案の具体化と、各党の対案を含む議論を求めています。
トップ写真)国民民主党榛葉賀津也幹事長
ⒸJapan In-depth編集部
関連リンク
- 国民民主党公式サイト:https://new-kokumin.jp/
- 参照動画:【LIVE配信】国民民主党・榛葉幹事長会見 2026年10月23日(金)14時00分
- 該当箇所:安倍編集長の質問と回答は3分11秒〜5分頃。消費税の審議・政策協議に関する質疑は18分30秒〜20分11秒頃



























