食料品1%減税、2年後に「中間層大増税」? 玉木雄一郎氏が警告
執筆者:安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
本稿のポイント
- 玉木雄一郎代表は、食料品1%減税の終了後、中間層に負担軽減が続かない懸念を指摘した。
- 対案として住民税減税と、控除で支援が届かない勤労者への給付を説明した。
- 減税による値下げへの期待が、事業者の利益や賃上げ原資に与える影響も問題提起した。
食料品の消費税率を1%に下げれば、暮らしは楽になるのか。国民民主党の玉木雄一郎代表が問題視したのは、減税が終わる「2年後」だった。10月2日のJapan In-depthチャンネルで、税率を戻した後の支援から中間層が取り残される懸念を指摘。住民税減税を中心とする対案を示した。なぜ低所得者への給付だけでは足りないのか。図を使った説明から、臨時国会で求める修正の核心が見えてくる。
本編動画はこちら 2026年10月2日(金)13:15~「臨時国会 どう動く!?」ゲスト:玉木雄一郎氏(国民民主党代表)
減税の先に支援がつながらない人がいる
玉木氏は、番組で示された図を見ながら、食料品の消費税減税と、その後に導入する支援の関係を説明した。議論の前提は、2027年4月から食料品の税率を8%から1%へ下げ、2年間の減税終了後に税率を戻すというものだ。
減税中は食料品を買う人に広く負担軽減が及ぶ。しかし、終了後の支援が低所得層に限られれば、対象外の人は税率が戻る負担を受けることになる。玉木氏が繰り返したのは、減税と次の制度が「つながる人とつながらない人がいる」という指摘だった。
番組では、年収300万円程度を境に支援がなくなる図について議論した。ただし、これは説明に用いた想定であり、給付対象の年収上限が確定したという話ではない。玉木氏は、誰にいくら支給するのかが示されなければ、制度の姿も負担の変化も分からないと問題提起した。
「低所得者支援は必要性は否定しませんけど」。その上で、真面目に働き、税金を払っている中所得の勤労者への配慮が足りないと訴えた。批判の焦点は、低所得者を支援すること自体ではなく、その先の所得層に負担軽減が続かない点にある。
税率が1%から8%に戻れば、上昇幅は7ポイントになる。玉木氏は、引き下げに効果があるなら、戻す時には逆の影響もあると指摘。減税時だけを見て政策を評価せず、終了時まで含めて考える必要があるとの立場を示した。
対案は住民税減税で現役世代に返す
では、国民民主党は何を求めるのか。玉木氏が挙げたのは、勤労者が負担している所得税、住民税、社会保険料への手当てだ。番組では、住民税の控除を拡充し、年5万円程度の減税効果を幅広く届ける案を説明した。
税負担を減らせる人には減税で返す。一方、税を納めておらず控除だけでは支援が届かない勤労者には、給付で補うという考え方である。玉木氏は、非課税世帯の全員に一律に給付する案ではなく、社会保険料を払うような勤労者を支える構想だと説明した。
これはあくまで国民民主党が提案している制度だ。食料品減税を実施する場合でも、少なくとも2年後に中間層の負担が増える局面には、住民税などの減税を組み合わせてほしいと求めた。
財源については、物価上昇によって国の税収が増えているとの認識を示した。国の収入が豊かになる一方で、家計や企業から予定以上に税を取っているなら、それを戻すべきだと主張した。
玉木氏は、その還元を「リファンド」、つまり払い戻しと表現した。物価上昇を抑える金融政策と、負担が増えた家計に税収を還元する財政政策を分けて説明。「誰に、どのように返すか」を政策選択の中心に据えた。
本編では、減税終了後の支援と国民民主党案を図で比較している。給付が届く範囲と、減税が及ぶ範囲はどう違うのか。言葉だけでは捉えにくい差は、26分31秒からの説明で確認できる。

図)食料品減税終了後の負担軽減と国民民主党案を比較した図。年収300万円などの線引きは図の想定で、給付対象・金額の確定を示すものではない。
出典)たまきチャンネル(2026年10月1日公開の解説動画より)。原図:玉木雄一郎氏、Japan In-depth編集部が作図し直し。提供された番組スライド10より。(国民民主党案の図は番組内の玉木氏の指摘を受け修正している)。
消費税が下がっても値札が同じだけ下がるとは限らない
もう一つの論点は、減税が価格にどう反映されるかだ。玉木氏は、消費税を納める事業者の税負担と、商品の販売価格を決める経営判断を分けて論じた。税率を下げれば、その分が必ず値下げになるとは限らないという見方である。
原材料費などが上がっても価格に十分転嫁できず、利益を削ってきた事業者もいる。玉木氏は、そうした事業者が減税分の一部を利益の回復に充てる場合を例示した。値下げを強く迫れば、賃上げに回す原資が減る可能性を懸念した。
買い物の負担を軽くする政策が、働く人の賃金にはどう作用するのか。玉木氏は消費者としての家計だけでなく、事業者や勤労者への影響も見るべきだと論じた。値札と給与明細の両方から減税を考える議論である。
臨時国会で中間層への手当てを求める
安倍編集長は、臨時国会で与党に国民民主党案を受け入れてもらうよう促した。玉木氏は、住民税の控除拡充は昨年の与党税制改正大綱にも書かれていると述べ、与党との議論につなげる考えを示した。
食料品減税に賛成か反対かだけでは、2年後の負担は見えてこない。玉木氏の問いは、減税終了後も働く中間層を支える仕組みを用意できるのか、というものだ。
配信ではさらに、議員定数削減の根拠、米中接近を受けた日本外交、ウクライナとのドローン技術協力、代表選後の党運営まで踏み込んだ。税制の対案とともに、玉木氏が臨時国会で何を求めるのか。その説明と安倍編集長とのやり取りは、本編動画で確認してほしい。
本編動画はこちら 2026年10月2日(金)13:15~「臨時国会 どう動く!?」ゲスト:玉木雄一郎氏(国民民主党代表)
本編で語られたその他の論点
1:01:10~ 代表選後の職員増員と党員・サポーターとの関係
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よくある質問(FAQ)
Q1 玉木氏は食料品1%減税の何を問題視したのか。
A1 2年間の減税終了後、税率が戻る一方、次の支援の対象外となる中間層には負担軽減が続かない可能性を問題視した。
Q2 年収300万円が給付対象の上限に決まったのか。
A2 本稿の文字起こしでは確定を確認できない。番組で使った図の想定であり、玉木氏は対象所得と給付額を明示するよう求めた。
Q3 玉木氏が示した現役世代支援の対案とは。
A3 住民税減税を中心に、控除で支援が届かない勤労者には給付を組み合わせる案。番組では年5万円程度の減税効果を説明した。
関連リンク
2026年10月2日(金)13:15~「臨時国会 どう動く!?」ゲスト:玉木雄一郎氏(国民民主党代表)
トップ写真)玉木雄一郎国民民主党代表
ⓒJapan In-depth編集部
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この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員
1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。
1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。
1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。
2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。












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