[一色ふみ]< 旬の野菜の意味>旬野菜食することで私達の体がその季節に順応できるように作用する
一色ふみ(食育インストラクター/ジュニア・アスリートフードマイスター)
今の時代、スーパーに行けば、年中どんな野菜でも手に入れることができます。農業技術の発達により、亜熱帯の野菜が寒冷地で栽培できたり、夏の野菜が冬に栽培できるようになってきたため、今やどれが「旬」の野菜なのかわからない人も多くなってきています。
四つの季節がある日本では、かつてより「旬」を大切にしてきました。四季の移り変わりによって収穫できる野菜をその季節ごとに大事に食べてきました。
不思議なことに旬野菜というのは、ただその時期に収穫できるだけでなく、食することで私達の体がその季節に順応できるように作用します。
例えば、
- 春野菜・・・ふきのとう・菜の花など(香りや苦味の強いものが多い)
→冬の間に溜め込んだ老廃物をデトックスしてくれる作用がある
- 夏野菜・・・トマト・なす・きゅうりなど
→ほてった体を冷ます作用があり、汗で失いがちな水分やビタミンCを多く含む
- 秋野菜・・・人参・ごぼう・いも類など
→夏の暑さで疲れた体を癒し、肌寒くなってくる季節に向け体を温める作用がある
- 冬野菜・・・白菜・ねぎ・ほうれん草・ブロッコリーなど
→ビタミンを多く含み、体の抵抗力を高め血行を促進し、風邪予防に役立つ作用がある
このように旬の野菜は、食べることでそれぞれの季節に体を順応させてくれます。先にも述べたように、今では旬の時期に関係なくどんな野菜も年中育てられる時代となりましたが、やはりそのためには成長を早めるために化学肥料を大量に使ったり、十分な太陽光を浴びられないために栄養素が減少したりと、人工的に作られた環境で育てる野菜には、負荷がかかってしまいます。
しかし旬の季節に育てた野菜は最適な自然環境で大量に収穫でき、旬以外の時期に育てるよりも何倍もの栄養素が詰まっています。また味も濃くとても美味しいです。
「旬」の野菜を食べよう、とよく言われますが、それにはきちんと意味があったのです。一回一回の食事に高い栄養価を求めるアスリートフードとしても、「旬」を食すことは大事なキーワードです。
野菜だけでなく魚介類や果物にも旬はあります。機会があれば、どの食材がどの季節の旬なのかぜひ調べてみて下さい。そして、体に優しく栄養価の高い旬の食べ物を季節に応じて食し、昔の時代のように、「旬」を通じて日本の四季を感じてみませんか?
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【プロフィール・一色ふみ】
皮革メーカーの職人としてデザイン製作の仕事を経て、2009年に青年海外協力隊に参加。エチオピアで皮革の指導をし、二年間の活動後に帰国。
帰国後は皮革業界から離れ、食育インストラクターとジュニア・アスリートフードマイスターの資格を取得。 現在はトレイルランナーの夫をサポートしつつ、アスリートフードマイスター資格取得講座のアテンドスタッフをしている。