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.政治  投稿日:2015/1/6

[細川珠生]【安倍政権の教育改革~下村文科相に聞く1】~教育委員制度改革と道徳の教科化~


「細川珠生のモーニングトーク」2015年1月3日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)執筆記事|プロフィール

Japan In-depth 編集部(Aya)

 

新年最初のゲストは文部科学大臣の下村博文氏。昨年末の衆院選で、7回連続当選となった下村大臣。9歳のときに父親を交通事故で亡くし、交通遺児となった生い立ちが下村氏を政治への使命感へ駆り立ててきたという。

下村氏は「当時よりも今の子供たちはもっと大変だ」と話す。貧困格差、教育格差、地方と都市部の格差等、今の子供たちは厳しい世の中で生きている。「それを教育によって是正したい。全ての子供たちに意欲と能力さえあればチャンスを提供する国を作っていきたいという心の叫びが有権者に共感してもらえたのではないか」と下村氏は自らの原点を振り返った。

下村氏が文部科学大臣に就任してから、教育委員制度改革、道徳の教科化等が決まった。その間、安倍総理とはどのように話し合ってきたのだろうか。第一次安倍政権のときは、下村氏は官房副長官であり、教育再生会議を立ち上げ、教育基本法という骨格の部分を作ったが、その他のほとんどは頓挫してしまった。

「そういった意味では第一次安倍政権のときのリベンジ的な感覚もある」と下村氏は話し、強い意欲を持って教育改革に臨んでいることを示した。

現在、英語教育の早期化、教科化で、様々な論争が繰り広げられている。現在は小学校の5年生から教科としてではなく英語を教えているが、これを3年生に引き下げ、5年生から教科化するという案が出ている。しかし、これについては「英語よりも日本語が先だ」という反対意見も多い。これに対し下村氏は「英語というのは国際共通語である」との認識を明らかにした。

2020年に外国人観光客は2000万人に増えると言われ、日本にいても外国人と触れ合うことが避けられない時代になっている。「その中で大切なのは日本人としてのアイデンティティー、伝統、文化、歴史」と下村氏は述べ、それらを英語と並行して教えることが大切だとの考えを強調した。

高校一年生の意識調査で「自分がダメな人間だと思うことがある」という問いにYESと答えた生徒が日本は8割に上り、他国と比べて圧倒的に多かったという。下村氏は「このまま大人になったら、こんなにつまらない、寂しい人生はないと思う」と日本の高校生の自己否定感を懸念し、」に懸念を示し、「多様化の中で全ての子供にチャンスを提供する国」を作るためには「やる気」が必要だと述べた。

今後の教育には、「なんでも一生懸命頑張っていこうという子供を育てていく環境が必要だ」と主張した。そのためには、「画一均一教育ではいけない」と話し、小中一貫教育など自治体による多様な教育形態の必要性を強調した。

この国の未来を担う若者たちを育てる教育、全ての基本となる大切なテーマだ。次回は下村大臣に高等教育について伺う。

(この記事は、ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2015年1月3日放送の内容を要約して文字化したものです。)

 

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