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政治  投稿日:2015/3/14

[西村健]【スポーツしないとダメですか?】~東京都長期ビジョンを読み解く!その13~

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西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)

「西村健の地方自治ウォッチング」

執筆記事プロフィール

25年3月に策定された「東京都スポーツ推進計画」において、都民は「スポーツの必要性は理解しているものの、行動に移せていない」との問題意識を都は示している。

多くの都民がスポーツの必要性を認識している・・・・なんとなく同感しそうになった。スポーツとは何か?運動とはどう違うのか?との疑問も頭の中に同時に浮かんでくる。

スポーツは、人間が考案した技術やルールに則って営まれる遊戯・競争・肉体鍛錬の要素を含む身体や頭脳を使った行為と定義されている(Wikipedia)。

運動は、健康維持のために体を動かす動作とされている。

この定義に従うと40歳を目前とした元バリバリのスポーツマンである私でさえ、スポーツは敷居が高く、必要性も理解できない(最近肺の調子が悪いこともあって)。しかし、都は、健康作りのためのウォーキング、気分転換に行う軽い体操、自然に親しむハイキングなどを含めた形でスポーツを広く定義している(一安心)。

では、この計画の中身を見てみよう。

旧計画では、指標として週1回以上スポーツを実施する成人の割合(スポーツ実施率)を掲げ、40 歳代以下の数値目標を40%以上、50 歳代が50%以上、60歳代以上が60%以上と設定した。

24年の世論調査の結果では、20代が47.9、30代が47.3、40代が47.4、50代が52.8、60代が61.0という結果であり、目標を達成した(総計では53.9%)。素晴らしい。

今計画では、32年にスポーツ実施率が70%以上を達成するという壮大な目標を掲げている。心意気は素晴らしい。気迫も情熱も、まさに世界トップレベル。

しかし、この数値、どれだけの都民は知っているだろうか。

医療費削減に貢献するという効果は置いておいて、スポーツをしようがしまいがそもそも個人の自由だろう。スポーツを得意ではない人から見たら、行政の「押し付け」に見えなくもない。なぜこの指標、そしてこの数値なのだろうか。

70%になった場合をイメージしたのか(どこにそんな設備や土地が?)、可能性をどう検討したのか(今の子供の体力低下を知っているのか?)、どういった変数や条件を設定し、どのようにシミュレーションをしたのか、数値向上に与える要因は何か、などなど担当者に聞きたいことは山ほどある。

私は長年の地方自治体の改革の経験から「関係者が納得しない指標や目標は意味がない。しないほうがまし」という結論に至った。その意味でこの数字は困る(中年の自分にとってという意味ではなく)。

この文章を書いている今、「数値目標を達成すること、つまり結果を残すことよりも大事なのは、努力するプロセス。そして、そのために準備をすることが全て」と熱くなっている俺がいる。そうサッカー日本代表の本田圭佑氏のように。

次回は、頭を冷やして、スポーツのもたらす恵みを検討したい。

(本記事に貼られているリンクを見るには、 http://japan-indepth.jp にて記事をお読みください)

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